カテゴリー「書籍・雑誌」の記事

2024年6月12日 (水)

しろがねの葉

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著者:千早 茜

 石見銀山で生きてゆく女性・ウメの生涯を描いた時代劇である。また時代背景は関ケ原の戦いの前後のようだ。
 天才山師・喜兵衛に拾われた少女ウメは、喜兵衛から銀山の知識や未知の鉱脈のありかを授けられる。もともと夜目が利く彼女は、女だてらに坑道で働きはじめ「鬼娘」と呼ばれるようになる。
 だが世は徳川の時代となり、銀山も幕府の管理下に置かれてしまう。それを苦にした喜兵衛は次第に生気を失い始める。そして頼りがいのあった保護者を失ったウメは、欲望と死の恐怖が渦巻く男の世界に耐えられなくなり、これまでの生き方を変えざるを得なくなってしまうのだった。

 それにしても本作は、銀山という危険な香りのする世界で働く男たちと、それを支える女たちの姿を実に色鮮やかに描き切っているではないか。また銀山内部の様子や薬草などの豊富な知識も散りばめられており、さすが直木賞受賞作品だと感銘を受けてしまうだろう。
 時代背景と銀山という舞台を考えれば、当然であり仕方ないのだが、始めから終わりまで重く暗い雰囲気が充満していて、読み終わったらどっと疲れが出てしまった感がある。

評:蔵研人

 

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2024年5月17日 (金)

Aではない君と

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著者:薬丸 岳

 本書は少年犯罪の加害者家族を描いたミステリー小説である。また本書は週刊現代に連載されたものを第1章、第2章として修正し、そこに第3章を加筆して単行本化されたという。そして第37回吉川英治文学新人賞を受賞し、さらにテレビドラマも放映され2019年日本民間放送連盟賞テレビドラマ部門優秀賞などを受賞している。

 近ごろは子を持たない大人は少なくないが、全ての人には必ず親がいる。だから親子問題はいつの時代も避けては通れぬ命題なのだろう。そして少年少女たちが、グレたり悩んだり、ひきこもったり犯罪に手を染めたりする陰には、親との関係性が絡んでいることが多いようだ。だから親たちの責任も重大であり、会社や世間に顔向けができなくなることも必然なのかもしれない。

 ある日突然、エリート社員・吉永圭一の職場に警察が訪れ、離婚した妻と同居している14歳の息子・翼を親友の死体遺棄で逮捕したと告げられる。もちろん殺人の容疑も否めないというのだ。そしてこの日を境にして吉永の生活は奈落の底へと突き落とされてしまう。
 会社への言い訳、恋人との別れ、被害者の親への謝罪、弁護士費用や賠償責任問題、マスコミたちの追跡などなど、さらには心を閉ざして全く口をきいてくれない息子。とてもじゃないが親のほうがノイローゼで死にたくなってしまうほどの苦悩に塗れてしまうのだ。

 本書のテーマは少年犯罪であるが、犯罪者の少年は終始沈黙し続けているだけであり、本当に殺人を犯したのか、またその動機は一体何だったのかが全く分からないまま中盤まで読み進めなくてはならない。作中の吉永も辛い思いの連続だが、読んでいるほうも辛くて堪らなくなってしまう。
 だが後半になってやっと翼が口を開き始めると、俄然物語は一気に熱くなってくる。そして最終章では、裁判が終わってから4年後の吉永たちの在り方が描かれるのだが、その第3章があとで加筆されたとは思えないほどの完成度を誇っていたのには驚いた。

 本書は「ミステリーの動機探し」に分類されるかもしれないが、動機そのものはなんとなく想像できる範囲かもしれない。だがその真価は、その先にある「心を殺すことと肉体を殺すことの優劣」あるいは「犯罪者の親としての苦悩と被害者の親の苦悩の重さ」などなのだろうか。

評:蔵研人

 

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2024年5月 7日 (火)

永遠の1/2

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著者:佐藤正午

 小説界の奇才・佐藤正午のデビュー作である。著者があとがきで「どんな小説家にも、一つだけ、アマチュアとして書いた小説がある。ないと始まらない」、「その小説が人目に触れ、本になるとデビュー作と呼ばれ、書いた人は小説家と呼ばれるようになる」と語った通り、素人っぽい文体、素人っぽいストーリー展開であることは否めない。ただやはりその中には、佐藤正午の佐藤正午たる所以のような臭いが充満していることも確かである。

 ストーリーはあるようなないような、もしかすると「私小説に自分に瓜二つの男の話を無理矢理ブレンド」したのではないだろうか。だから大部分は競輪と野球の話に塗れているのであろう。また色白で足の長い年上の女も、実際に別れた女なのかもしれないね。
 序盤に巧みに伏線を練り込み、後半は予想もつかないあっと驚く展開に落とし込むのが佐藤正午流なのだが、本作はとくに大きな変化もないまま終了してしまった。なんだか佐藤正午らしくなくて、かなり物足りなかったのだが、途中で投げ出しもせず500頁にも亘る長文に耐えられたのだから、やはりただ者ではないのだろう。

評:蔵研人

 

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2024年4月27日 (土)

かがみの孤城

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著者:辻村深月

 不登校の少年少女たちを描いた社会派小説なのだが、『不思議の国のアリス』を思わせるような鏡の中の世界が舞台になっているファンタジーのようなノリで本作を読み始めた。なお本作はすでに漫画化され、舞台公演も終わり、アニメ映画も上映され、なんと累計発行部数は200万部を楽に突破し、本屋大賞も受賞している大ヒット作なのだと付け加えておこう。

中学1年生の女子・安西こころは、同級生からのいじめが原因で不登校が続き、子供育成支援教室にも通えず、ひとり家に引き籠もる生活を続けていた。そんな5月のある日のことである、突然自分の部屋にある大きな鏡が光り出し、その中に吸い込まれてしまう。
 そこはオオカミさまという狼面をつけた謎の少女が仕切る絶海の孤城で、自分と同じような悩みを抱える中学生リオン、フウカ、スバル、マサムネ、ウレシノ、アキの6人が集まっていた。そしてオオカミさまは、「この孤城の中に隠された『願いの鍵』を見つけた1人だけが願いの部屋へ入ることができ、どんな願いでも叶えられる」のだと説明するのだった。

 この孤城以外の現実世界では、いじめにあって不登校になっている少女・こころの心象風景を黙々と描いているのだが、なぜ突如として鏡の中の孤城というファンタジックな世界が出現したのであろうか。もしかするとこころの心の中で創造された世界なのだろうか、と考えていたのだがどうもそうではないようだ。
 またこころ以外の6人の少年少女たちは、なぜこの弧城に集められてきたのだろうか。だがどうして彼らは現実世界では会うことができないのか。それに6人は日本に住んでいるのに、なぜリオンだけがハワイに住んでいるのだろうか。
 また『願いの鍵』と『願いの部屋』は孤城のどこにあるのだろうか。さらには本当にどんな願いも叶うのだろうか。それにあのオオカミさまはなぜ狼面をつれているのか、そして彼女の真の正体は……といろいろ謎がバラ撒かれていて興味が尽きない。

 そしてエンディングでは、全く予想外のどんでん返しが用意されており、これらの謎がすべて解明される。それだけではない、涙・涙・涙の三度泣きで感動の渦に巻き込まれてしまうのだ。とにかく震えが止まらないほど見事なエンディングであり、ファンタジー・ミステリー・社会派ドラマ・愛情物語の全ての要素を取り込んだ素晴らしい小説だと絶賛したい。また本書を読んだ後にアニメ映画を観たが、やはりアニメなりの説得力はあったものの、小説の完璧さには遠く及ばなかったことを付け加えておこう。


評:蔵研人

 

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2024年4月18日 (木)

ほかならぬ人へ

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著者:白石一文

 本書にはタイトルの中編のほか、似たような題名の『かけがえのない人へ』も収められている。なお著者の白石一文は、『ほかならぬ人へ』で、2009年第142回直木賞を受賞し、史上初の親子二代受賞でも話題となった。因みに父の白石一郎氏は1987年『海狼伝』で第97回直木賞を受賞している。
 それにしても、これほどストレートに愛を語った作品は珍しい。『ほかならぬ人へ』は「俺」という一人称視点であり、『かけがえのない人へ』のほうは、「みはる」という三人称視点なのだが、実際は一人称とほぼ変わらない三人称一元視点という手法を用いている。

 また前者は男性、後者は女性が主人公であり、どちらも不倫で恋人はエネルギッシュで仕事のできる人物という設定なのだ。したがってこの二作は別物と言うより、姉妹作と呼んだほうがよいだろう。ただ後者のほうは、ヒロインの心情について行けない部分があり、かつドロドロとしたセックス描写も練り込まれているため、かなり好き嫌いが分かれるかもしれない。私的にもやはり直木賞を受賞したタイトル作のほうに軍配を上げたい気分である。

 ひとは容貌・学歴・家柄などを重視して結婚するものの、それは本当の愛なのだろうか。それよりも、なにか別の観点から「この人に間違いない!」とい感じるような明らかな証拠が見つかったときこそ真の愛が芽生えるのだ。それが「ほかならぬ人」であり、「かけがえのない人」なのだが、現実はなかなか上手くゆかないものである。

評:蔵研人

 

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2024年4月 1日 (月)

四畳半タイムマシンブルース

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著者:森見登美彦

 本書は森見登美彦『四畳半神話体系』と上田誠『サマータイムマシン・ブルース』のコラボレーション作品である。また2022年にはアニメ版も公開されている。
 まあコラボと言っても、ほとんど話の展開は『サマータイムマシン・ブルース』と変わらない。違うのは舞台が大学のSF研の部室だったものが、主人公が住んでいるアパートの四畳半ということ。あとは登場人物の名前が違うとか、主人公が隠れた場所や田村くんのキーアイテムが異なるといった、話の流れとは直接関係ない部分だけである。

 従ってここでくだくだ本作の感想を書き連ねても繰り返しになるばかりである。従って映画版ではあるが、興味のある方は下記URLをクリックして『サマータイムマシン・ブルース』評を読んでいただきたい。


http://ryuugorinji.livedoor.blog/archives/16905854.html

 

評:蔵研人

 

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2024年3月21日 (木)

ジャンプ

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★★★☆
著者:佐藤正午

 著者の佐藤正午は、1983年に『永遠の1/2』で「すばる文学賞」を受賞し作家デビューした。ただ当初は好き嫌いの分かれる地味な作家であったのだが、本作でベストセラーを記録してから『Y』、『身の上話』、『鳩の撃退法』、『月の満ち欠け』などのヒット作を生み出している。

 本作では鈍感で融通の利かない下戸の主人公・三谷純之輔が、アブジンスキーという強烈なカクテルを飲んだために、彼女が失踪する事件を招いてしまうという話である。またそのカクテルだけではなく、もしあのとき出張を遅らせたら、もしあのとき電話に出ていれば、もしあのとき女と会っていなかったら、などなど「もしあのときこうしていれば」というテーマとしては『Y』と双璧をなしているようだ。

 それにしても、延々と失踪した彼女捜しが続くのだが、実姉・友人・20年以上逢っていなかった父親やバーのマダムにまで連絡があったのに、なぜか恋人である三谷だけには何の連絡もない、と言う摩訶不思議さに読者はイライラしストレスが溜まってしまうかもしれない。ただし彼女の失踪理由は、最終章で50頁に亘って延々と説明される、という構成になっている。
 ミステリーかと思ってずっと読み進めていたのだが、とどのつまりは恋愛小説だった。そしてもしかすると、この最終章のために創られた小説ではないかと感じたのは私だけであろうか。

評:蔵研人

 

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2024年3月 8日 (金)

ぼくは明日、昨日のきみとデートする

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著者:七月隆文

 この小説を読む7年前に、すでに映画のほうを先に観ている。配役は福士蒼汰と小松菜奈でピッタリと息の合った演技をしていたと思う。その後この原作本を購入したのだが、どうした訳かタイミングが合わず、7年間も書棚に置き去りしたままだった。

映画の記事はこちら↓

ぼくは明日、昨日のきみとデートする: ケントのたそがれ劇場 (cocolog-nifty.com)

 映画を観たときはかなり感動して涙が止まらなかったのだが、なぜか原作のほうは全く涙腺を刺激されなかったのだ。文章がやさしく読み易いのだが、「時間が逆行している」というイメージがどうしても浮かばないからかもしれない。
 逆に映画のほうはその難問を巧みに映像でカバーしていたのである。つまり小説は心理的な部分の描写に長けているが、説明的な部分の描写は映像のほうが長けていると言うことなのだろうか……。
 そうしたことからも、まさにこの小説こそ映画向きだったのかもしれない。いずれにせよ、だいぶ前に観た映画なので、もう一度観て確認したくなってしまった。

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2024年3月 1日 (金)

竜の柩

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著者:高橋克彦

 竜とは何か?西洋ではドラゴンと呼ばれ羽を有し火を吐く怪獣だが、東洋では龍とか辰と呼ばれ聖なる存在とされている。もちろんどちらも空想上の生物なのだが、本書では竜を一族に例えたり、ロケットに例えたりしながらその真相に迫ってゆく。
 まず古代文明が栄えたと言われる日本の津軽地方に始まり、信濃、出雲を転々と訪れ、ついにインド、パキスタン、トルコへの壮大な旅が始まるのである。とにかくスケールの大きな物語で、550頁を超す分厚い新書版の二段書き、という大長編に収まっているのだ。しかも本作は前編であり、ストーリーはさらに後編である『新・竜の柩』へと繋がって行くのである。

 本書はストーリーよりも、『古事記』『日本書紀』や風土記に残る寓話や、『ノアの箱舟』などの神話が、ぐるぐると絡みついてくる。とにかく竜の伝説にまつわる蘊蓄の数々が、「もうたくさんだ」と疲れるほど網羅されるのだ。荒唐無稽なのだが、無理やりこじつけてまるで真実のように創りあげているところが凄い!凄すぎるとしか言いようがない。著者の驚くべきパワーには頭が下がる思いだ。
 ただ本書を読破するのに、私自身もかなりのパワーと時間を消費してしまった感がある。従って続編『新・竜の柩』も所持しているのだが、当分は休息時間が必要かもしれないな……。

評:蔵研人

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2024年2月23日 (金)

あなたの涙は蜜の味

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   本書は2019年に出版され好評を得た『あなたの不幸は蜜の味』の第二弾で、女性作家7人によるイヤミス傑作選となっている。さてそれにしても「イヤミス」とは一体どういう意味なのだろうか。
 簡単に言えば「後味の悪いミステリー」ということらしい。だからといってマイナス評価という訳ではなく、ある意味ホラー的な魅力があるとも言えるだろう。

 それでは、その全七作の短編を簡単に紹介してみようか。
「パッとしない子」 辻村深月
 小学校の教師・松尾美穂は、かつて国民的アイドルグループのメンバー高輪佑の弟の担任であり、彼等の少年時代の様子を良く知っていることが自慢の種であった。ところがある日テレビ番組収録のため高輪佑が学校にやってきて、久し振りに話を交わすことになるのだが……。松尾美穂と高輪佑の二人にしか知りえないそれぞれの思い出に、大きな格差が残されていたというある種の恐怖感を見事に描いている。

「福の神」 宇佐美まこと
 余りうまくいっていない三世帯家族だったが、ある日祖母が歯科で知り合った初老の女性を家に連れてくると、家族それぞれが抱えていた悩みが急に解消されゆく。……といったファンタジックホラーという趣の作品である。

「コミュニティ」 篠田節子
 遠藤家は不況の煽りを受け、ローンを残したままマンションを売却し、僻地にある狭くて古い団地に引っ越してくる。そこでは住民たちが異常なまでに団結し、度を超えた深い人間関係が定着していた。はじめは全く馴染めなかった妻が、いつの間にかそのコミュニティにどっぷりつかってしまう様子を見た夫は、そこに何ともいえない不快感と奇妙さを感じるのだが……。
 
「北口の女」 王谷 晶
 大物演歌歌手とその付き人の話で、七作中一番の短編である。本書の解説者は本作をベタ褒めしているのだが、残念ながら私にはその絶賛する感覚が全く湧かなかった。

「ひとりでいいのに」 降田 天
 双子の女性がそれぞれ抱く感情を実に巧みに描いている傑作。さすが書下ろし作品で、まさに本書にピッタリの内容であった。ただ過去に江戸川乱歩が『双生児』という似たような作品を上梓しているのが気になったかな。

「口封じ」 乃南アサ
 本書の中で一番不愉快な話かもしれない。それは病院で付添婦をしている主人公の余りにも酷い態度の連続が延々と続くからであろうか。そしてラストでの残酷な復讐劇にも身の毛がよだつ。

裏切らないで」 宮部みゆき
 イヤミスというよりは、オーソドックスな刑事・探偵ものという感がある。本書の中では一番の大御所作家なので期待していたのだが、どうも長編的な丁寧な序盤が災いして短編としての味を楽しめなかったのが残念であった。

評:蔵研人

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