カテゴリー「映画・テレビ」の記事

2017年5月26日 (金)

スーサイド・スクワッド 

★★★

製作:2016年 米国 上映時間:123分 監督:デヴィッド・エアー

 製作総指揮がザック・スナイダーということで、『マン・オブ・スティール』『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』の世界観を引き継いでおり、スーパーマンもバットマンも死んでしまったあとの暗黒世界を描いているようだ。

 今回は米国のDCコミックスに登場する悪役たちが大勢登場してチームを組み、人類を滅亡させようとする魔女と戦うのである。発想はなかなか面白いし、ジョーカーの恋人ハーレイ・クインがなかなか可愛いのだが、なにせストーリー構成がほとんど皆無に近いのだ。
 ことに前半は悪役たちの紹介カタログに徹していて、かなり退屈感とストレスが溜まってしまった。たぶん今後のシリーズ化を狙っているのだと思うが、『X-MEN』のような超人は2名だけで、あとは普通の人間ばかりなのでチームを組むにはかなり無理があるし、中途半端な戦いになってしまった。

 だから派手派手な超人は『X-MEN』に譲って、超・プロフェッショナルな普通の人間だけのチームにしたほうがすっきりしたはずだ。また敵も魔女ではなく人間の極悪人にしたほうが不自然さが残らなかっただろう。どうもザック・スナイダーさんは、人間のバットマンと超人のスーパーマンを戦わせた頃から、無理矢理ゴリ押し的な世界観に侵されてしまったようである。

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2017年5月10日 (水)

スウィート17モンスター

★★★☆

製作:2016年 米国 上映時間:104分 監督:ケリー・フレモン・クレイグ

17
 ジャンルとしては青春ラブコメといったところだが、観客はイライラ感と苦笑にまみれるはずである。またPG12指定になっているのは、かなり下品な言葉や下ネタが飛び交うからであろう。
 17歳のネイディーンは、唯一救いの主だった父親が急死し、情緒不安定気味の母親と優等生で気に入らない兄との三人暮らし。彼女は容姿は可愛いのだが、素直さがなく頑固なため小さい時から嫌われ者だった。
 だがそんな彼女にも、クリスタというたった一人の親友がいる。そしてネイディーンは、そのクリスタと一緒にいるときだけは安らげて幸せを感じるのだった。

 ところが母親が旅行に出かけた日に、家に泊まりに来たクリスタと兄のダリアンが恋仲になってしまう。その後のネイディーンは嫉妬と孤独感から荒れに荒れ、大暴走がはじまるのである。本作はそんな彼女がはじめて経験するいろいろな出来事を通して、少しずつ成長してゆく過程を描いてゆく。

 まさにポスターのフレーズにあるように、『共感率100%!”あの頃”のリアルなイタさを描く、愛すべき青春こじらせ映画!』という雰囲気そのものである。こうして皆大人になったということを再認識させてくれる作品なのだ。
 ただ私的にはネイディーンを演じたヘイリー・スタインフェルドは容姿的にも好みではなく、親友のクリスタを演じたヘイリー・ルー・リチャードソンのほうが気になる存在だった。また脇役ながら教師役のウディ・ハレルソンの存在感は抜群だ。さらに兄役や母親役などもびったしカンカンだし、ある意味で本作にとっては抜群の配役陣だったのかもしれないね。

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2017年5月 6日 (土)

ヘヴン 

★★★☆

製作:2002年 独・英・米・仏 上映時間:96分 監督:トム・ティクヴァ

 一言ではなかなか表現しづらい映画です。余計な会話と派手なアクションをあえてカットし、シンプルさにこだわった手法がいやに新鮮に感じました。それに意外なストーリー展開と、美しい映像がマッチして、ミステリアスなラブを見事に演出していました。

 また主演のケイト・ブランシェットがとても魅力的な役割を演じていたのが印象的でしたが、彼女を一途に愛し、全てを投げ打って彼女を助けるイタリア青年に「イタリア人魂」を見つけた気がしました。そしてオープニングシーンでのへリコプター擬似体験の謎が、ラストシーンで見事に重なって「洒落たエンディング」となりましたね。
 内容については余り詳しく明かさず、見てのお楽しみということにしましょう。また独・英・米・仏という珍しい4国共同製作作品でもあります。

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2017年4月30日 (日)

シュリ

★★★☆

製作:1999年 韓国 上映時間:124分 監督:カン・ジェギュ

 過去にビデオを借りたことがありましたが、時間に追われ観ないまま返却したことのある作品です。その後も気になっていましたが、なかなかレンタルをする機会がないままTV放映を迎えてしまいました。
 この作品は、韓国映画が国際化されるきっかけになった映画といわれています。また南北朝鮮半島のエージェント同士の戦いと、そこで芽生える非恋を描く大作とも聞きました。
 そして上映当時の韓国では、あの『タイタニック』の動員記録を塗り替え、日本でも当時の韓国映画としては異例の大ヒット作となりました。と・・・・どうも前評判というか前宣伝が良かったためか、期待過剰になり過ぎていたようです。

 出だし北朝鮮特殊部隊の訓練シーンを観た時は、その後の展開を多いに期待したのですが、あとは全く日本の刑事ものドラマをハリウッド調にリメイクしたという感じで、かなりうんざりしてしまいました。
 また本来2時間以上あった作品を、TV用に30分以上カットされたことと、途中のCMに気をそらされたことも影響してか、恋愛部分にも全く感情移入する事が出来なかったのが非常に残念であります。やはり民放で放映される映画を観ただけでは正当な評価は出来ませんね。
 ただラストに彼女の留守電メッセージを聞くシーンと、彼女の妹から彼女の好きだった曲を聞かされるシーンだけは、どちらも『甘く切ない恋』を象徴したナイスシーンだと思いました。

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2017年4月26日 (水)

PARKS パークス

★★★☆

製作:2016年 日本 上映時間:118分 監督:瀬田なつき

Parks
 東京都下にある『井の頭公園』開園100周年を記念してつくられた映画だという。従って舞台のほとんどは井の頭公園と吉祥寺の駅前が中心となる。
 それにしても井の頭公園の桜は見応えがある。また武蔵野の緑に囲まれたこの公園が、こんなにも美しかったのかと再認識してしまった。
 主な登場人物は、吉祥寺で一人暮らしをしているが留年寸前の大学生の純(橋本愛)。50年前に純と同じアパートの部屋に住んでいた亡父の恋人だった佐知子という女性を捜している高校生ハル(永野芽郁)。その佐知子の孫トキオ(染谷将太)の三人である。

 前半は井の頭公園の中を走り回るシーンがほとんどで、ストーリー性は余り感じられず、なんとなくドキュメンタリー風に進んでゆく。だから井の頭公園に愛着のない人には少し退屈かもしれない。
 テーマはハルの亡父と佐知子の恋愛の行方と、亡父が佐知子のために創った美しい歌である。その歌は佐知子の遺品の中にあったオープンリールテープに録音されていたのだが、劣化のため途中からよく聞こえなくなっていた。この歌を最後まで復元して現代に蘇らそうと、先の三人が奔走するのである。

 昭和ノスタルジーの漂う、ややファンタジックなドラマであり、ハルの正体もはっきりせずミステリアスな雰囲気もあった。ただ焦点が定まり切らず、夢と現実の境界線がぼやけすぎて中途半端な気分になったのは私だけではないだろう。映像は素晴らしかったのだが、脚本にもう一捻り欲しかったね。
 ただ橋本愛は相変わらずの美人さんだし、永野芽郁のイモ姉ちゃん的可愛らしさは天下一品。そして芸達者な染谷将太の加藤茶風ラップが、実に味わい深かった。そして井の頭公園の自然が実に素晴らしく、道行く人々がその中にスッポリと納まっていたよね。

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2017年4月20日 (木)

かげろう

★★★★

製作:2003年 フランス 上映時間:95分 監督:アンドレ・テシネ

 銀座和光の近くにある『銀座シネスイッチ』というミニシアターを知っていますか? ここは昔『銀座文化劇場』というダサイ名前の映画館だったのですが、1997年にリニューアルして二館併合となり、女性がよく集るお洒落な映画館になりました。
 もう10年以上前の話ですが、当時ずっと気になっていた『かげろう』という映画を観に行ったのですが、観客の9割以上が女性という宝塚状況にびっくりしました。ほとんどの人が女性同士か女1人であり、カップルさえも見当たらないのです。

 そんな雰囲気ですから、おじさん1匹のボクはとても恥ずかしく、開場までは居場所がなくて隅っこのほうで小さくなって佇んでいました。
 さてやっと上映となり、第2次大戦中、ドイツ軍に追われて、パリから田舎へと逃げて行く若い未亡人と2人の子供たち・・・。敵の空襲や野宿の恐怖、そして空腹と戦いながらも、子供達を守ってゆこうとする気強いヒロインですが、やはり内心は心細さと不安で一杯なのでした。

 空襲のときに、若干17才ですが野生的で逞しい青年に、息子を助けられます。初めのうちは不信感を抱きながらも、いろいろ助けられているうちに、2人は互いに惹かれあってゆくのでした。
 ここらあたりのストーリー展開は、なかなかワクワクとさせられ、青年のミステリアスな存在感にも惹きこまれてゆきます。ただ終盤からラストにかけての急展開には、かなり納得し難いところがあったのが気掛かりでした。
 もしかすると、興行時間の関係で、フィルム編集の際に、大幅にカットされてしまったのではないかと思いました。せっかく中盤まではとても心地よい流れだったので、非常に残念に感じたのはボクだけでしょうか・・・。

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2017年4月14日 (金)

ツレがうつになりまして。

★★★★

製作:2011年日本 上映時間:121分 監督:佐々部清

 原作は細川貂々のベストセラーコミックエッセイなのだが、まだ未読でそれほど興味も湧かなかった。だが意外といっては失礼だが、本作を観たら、原作のほうも読んでみたくなってしまったから不思議である。
 それはもしかすると、主演の宮崎あおいと堺雅人が、とても感じの良い演技をしていたからかもしれない。本作では『うつ』という重いテーマを扱っているのだが、原作のマンガタッチ同様、主役二人の軽いタッチワークが、安らぎと爽快感を呼び、ふんわりとした雰囲気に包まれてしまった。

 また床屋をしている父親(大杉漣)と母親(余貴美子)も愛情に溢れていたし、なんとまあ愛情いっぱいの家族たちなのだろうと羨ましくなってしまう。それにしても、こんな可愛い宮崎あおいを観たのも初めてだ。ある意味で彼女にとっての「はまり役」だったのかもしれないね。こんなに優しくて可愛くて、かつ稼いでくれる嫁がいたら絶対誰も離さないよね。
 それとあのイグアナくん、よく人間に慣れていたし、存在感も大したものである。下手な役者よりもかなりサマになっていたのではないだろうか。

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2017年4月 9日 (日)

チョコレート・ソルジャー

★★☆

製作:2009年 タイ 上映時間:109分 監督:ラーチェン・リムタラクーン

 大好評だった『チョコレート・ファイター』で主役を演じたジージャ・ヤーニンを引っ張り出して、まるで『チョコレート』シリーズのように見せかけたアクション映画である。と言っても、映画会社も監督も違うし、かなりの低予算映画なのだ。

 そのうえストーリー性もほとんどなく、アクション・アクション・アクションだけなのだ。それも同じようなパターンの攻撃と技の連続ばかりで、かなり単調なアクション構成であった。前作の『チョコレート・ファイター』を期待してこの映画を観ると、かなりの失望感に襲われることだろう。

 映画と言うよりは、まさに余り出来の良くないゲームそのものである。また見どころとしては、ラスト30分のアクションシーンだけ、と言っても過言ではないかもしれない。

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2017年4月 5日 (水)

わたしは、ダニエル・ブレイク

★★★☆

製作:2016年 イギリス・フランス・ベルギー 上映時間:100分 監督:ケン・ローチ

Daniel
 妻に先立たれた頑固爺さんが主人公で、ポスターも似ていたので、てっきり本年1月頃に公開されたスウェーデン映画『幸せなひとりぼっち』と同じような作品かと思い込んでしまった。まあ主人公と若い女性や子供たちとのふれ合いなどを通じて、働けなくなった老人が社会の片隅で必死に生きようと奮闘する人間ドラマという面ではそっくりなのだが、本作はかなり暗いしユーモアを折り込む余裕もないのだ。またどこの国でも同じような公務員と制度批判が延々と続いてゆくのも、人によっては少々疲れてしまうかもしれない。

 そのうえラストの展開もなんとなく予測できてしまったし、余り救いがなかったのもちょっと残念であった。もっと言えば、亡くなった妻のことや、自分が心臓病にかかった経緯なども描いたほうが、作品にもっと深味を感じられたのではないだろうか。
 主演のデイヴ・ジョーンズの渋味のある名演技に支えられ、なかなか好感の持てる作品だったのであるが、もうひとつ味付けが足りなかったようで、もったいない感がスクリーンに漂っていたような気がする。

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2017年3月31日 (金)

コラテラル

★★★★

製作:2004年 米国 上映時間:120分 監督:マイケル・マン

 コラテラルとは、『巻き添え』という意味だそうです。
 本作は、ロスの夜街を走るタクシーに偶然乗り合わせた冷徹な殺し屋ヴィンセント(トム・クルーズ)と、ドライバー役のマックス(ジェイミー・フォックス)の魔化不思議な関係を描いた一風変わったサスペンス映画であります。

 トムが初めて演ずる殺し屋役は、ターミネーターのような無類の強さと、非情さを持ちながらも、本当に悪人なのかと疑問に感じた人も多いと思います。
 それは何故2度目の殺人が終ったあとに、マックスを殺して別のタクシーに乗り移らなかったのか。その他にも何度もマックスを殺す理由と機会があったというのに・・・。
 もちろん途中でマックスが殺し屋ヴィンセントに殺されてしまっては、このタイトルとは繋がらないし、この作品そのものが成り立たないのですが、なにか不自然な感じがしました。

 一方お人好しで、明るく人間的なマックスは、ヴィンセントとは正反対の性格で、仕事に対しても女性に対しても、優柔不断なのであります。ところがヴィンセントの仕事(5人の殺人)に引き回されて『巻き添え』を食らっているうちに、だんだんと強い男に変貌してゆくのが面白い。
 僕にはヴィンセントが、頼りないマックスをたくましくするために、未来か宇宙からやってきたターミネーターか、神(悪魔)のような気がしました。そしてロスの夜景と高速道路を走るタクシーの美しさと不気味さ、そしてノリの良い音楽が、心に染み込みました。

 ラストについては、話が見え過ぎるとの批判が多いのですが、ロスの深夜中、殺し屋にどつきまわされて、心身ともにボロボロの善良なマックスに、あれぐらいの癒しを与えても良いのではないでしょうか。
 そうでもしないと、この作品はどうにも救いのないドロドロな暗い映画で終ってしまいますよ。

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