カテゴリー「映画・テレビ」の記事

2021年1月18日 (月)

グランド・ジャーニー

★★★★☆
製作:2019年 フランス・ノルウェー 上映時間:113分 監督:ニコラ・ヴァニエ

 「バードマン」の異名を持つ気象学者で、『WATARIDORI』の制作にも携ったクリスチャン・ムレク氏の実話を基に描くドラマである。絶滅危惧種の渡り鳥たちを従えて、手動飛行機でノルウェーからフランスへ向かう少年の無謀な旅を描いている。

 反抗期でゲームにしか興味のない少年トマは、ある日母親と離婚した実父のクリスチャンの元に預けられる。自然の中で鳥の研究ばかりに夢中になっている父親の家に来ても、ゲームも出来ずに、はじめは退屈でしょうがないトマだった。ところが父親が飼育していたガンの出生に立ち会ってからは、自分がガンたちの親になった気分になってガンたちと過ごすことが楽しくなってくる。

 このあたりの展開まではよくある話なのだが、ふとした弾みからノルウェーから鳥たちを伴って手動飛行機でフランス目指して飛んで行く、という荒唐無稽な展開にすり替わって行くのだ。そしてあっという間に少年の冒険がネットに流され、彼は超有名人になってしまうのである。さあ果たして彼は無事フランスへ辿り着けるのだろうか。

 鳥類の保護、家族愛、自然描写、そして大冒険と、様々な切り口で鑑賞できる優れものの作品である。是非家族と或いは恋人と感動を味わって欲しい一本といえるだろう。

評:蔵研人

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2021年1月16日 (土)

風の電話

★★★☆

製作:2020年 日本 上映時間:139分 監督:諏訪敦彦

 『風の電話』とは、岩手県上閉伊郡大槌町の海(三陸海岸)を見下ろす丘にある「ベルガーディア鯨山」内に置かれた私設電話ボックスである。この電話は電話線には繋がっておらず心で話すことになっている。だから来訪者は、電話で亡き人に思いを伝えたり、ノートに気持ちを記載したりするようである。
 そもそもは、庭師の佐々木格氏が、2010年に死去した従兄ともう一度話をしたいとの思いから、海辺の高台にある自宅の庭の隅に白色の電話ボックスを設置したことに始まる。その後2011年3月11日の東日本大震災で、佐々木氏は自宅から浪板海岸を襲った津波を目にした。そして生存した被災者が震災で死別した家族への想いを風に乗せて伝えられるようにと敷地を整備し、祈りの像や海岸に向かうベンチを置き「メモリアルガーデン」を併設した上でこの施設電話ボックスを開放したという。

 本作は東日本大震災で家族を亡くした女子高校生のハルが、広島にある叔母の家から高校へ通うところから始まる。ところが帰宅すると叔母が倒れていて、緊急入院することになってしまう。眠っている叔母を残して病院を出たハルは、これまで蓄積していた家族への思いを込めて泣き叫ぶ。そしてここから心が切れたようになり、当てのない旅に出ることになるのだった。
 旅先で知り合うのは良い人ばかり、だと思ったら三人組の不良たちに囲まれて困ってしまうのだが、そこに通りかかった謎めいた森尾という中年男性に助けられる。ここから本格的なロードムービーが展開されるのだが、森尾の故郷福島を経由して岩手の実家跡へ、そして大槌町にある風の電話へと引き込まれて行くのである。

 良い映画だと思うのだが、序盤が説明不足であり、少女の暗さばかりを強調し過ぎているところが分かり難いし、音声の収録が今ひとつで何を喋っているのかよく聞こえないのだ。またストーリー展開が強引だったり、端折られ過ぎていたりと、何となくご当地映画または素人映画という雰囲気がプンプンと漂っていたのはいただけない。ただ主人公のハルを演じたモトーラ世理奈の、死人のような生めいた仕草は演技力なのか素なのかよく分からなかった。

評:蔵研人

 

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2021年1月13日 (水)

ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語

★★★☆

製作:2019年 米国 上映時間:135分 監督:グレタ・ガーウィグ

 原作は誰でも知っているあの『若草物語』で、1860年代のマサチューセッツ州に暮らすマーチ家四姉妹の暮らしぶりを描いている。ただ本作は姉妹が実家を離れた後に焦点を当てており、次女のジョーが過去を振り返る形で進むんでゆき、かなり時系列が入り乱れる構成となっているため、うっかりしているとよく分からなくなってしまうのでご注意!

 若草物語を読んだことのある人にとっては、原作をやや捻って時系列を複雑に入れ替えた本作に拍手を送るかもしれない。ただそうでない観客にとっては分かりにくい構成だっただろう。
 だが本作は批評家から絶賛されており、批評家支持率は95%、平均点は10点満点で8.62点となっているようである。これは米国の歴史や風俗をなぞりながら、当時の女性たちの自立や価値観を克明に描いているからであろうか。
 さらに付け加えると、第92回アカデミー賞では作品賞、主演女優賞(シアーシャ・ローナン)、助演女優賞(フローレンス・ピュー)、脚色賞、作曲賞、衣装デザイン賞の6部門にノミネートされ、衣装デザイン賞を受賞している。

評:蔵研人

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2021年1月10日 (日)

一度死んでみた

★★☆
製作:2019年 日本 上映時間:93分 監督:浜崎慎治

 一度死んで2日後に生き返る薬を飲んだ製薬会社の社長・野畑計と、そんな父親が大嫌いな娘・野畑七瀬の荒唐無稽なお話である。計は一度死ぬことによって会社内のスパイを暴こうとするのだが、そのスパイとライバル会社の社長に先手を打たれて、生き返らないうちに火葬されてしまう。それを秘書の松岡と七瀬が必死に食い止めようとする超・ドタバタ喜劇なのだ。

 そもそもドタバタ喜劇は好きじゃないのだが、主演の野畑父娘を演じた堤真一と広瀬すずのほか、リリー・フランキー、木村多江、松田翔太、佐藤健、竹中直人、妻夫木聡と、かなり贅沢な役者を揃えてこんなおバカ映画を創る意味があるのだろうか。それに広瀬すずの率いるロックバンドの曲がやたら騒々しくて、耳を塞いでしまったくらいだ。アイデア自体は悪くないのだが、とにかくうるさくて内容のない、バカバカしい作品と言うよりないだろう。

評:蔵研人

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2021年1月 6日 (水)

Fukushima 50

★★★★
製作:2019年 日本 上映時間:122分 監督:若松節朗

 2011年3月11日に世界を震撼させた東日本大震災。それに伴う巨大津波に襲われた福島第一原発は、全ての電源を喪失し原子炉の冷却ができなくなってしまう。そしてメルトダウンの危機が迫る中、現場の指揮を執る吉田所長をはじめとする約50名の作業員たちの命懸けの戦いがはじまるのである。
 主なキャストは渡辺謙、佐藤浩市、吉岡秀隆、緒方直人、日野正平、萩原聖人、佐野史郎と主役級の男優が顔を揃えている。もちろん女優も安田成美、富田靖子などが参加しているが、本作は何と言っても男たちの物語だ。

 ストーリーは東日本大震災の大津波にあっという間に福島第一原発が飲み込まれてしまうところから始まる。そして全ての電源を喪失した原子炉は、炉心冷却機能を失い炉内の温度が急上昇してしまう。さらに核燃料が自らの熱で溶けだしてメルトダウンを起こし始めるのだった。
 もしこのままメルトダウンを引き起こせば、日本列島の半分が被害を被ってしまう。それを防ぐにはベント=排気操作を決行しなければならない。しかし電源を全て喪失したため、高い濃度の放射能が充満する建屋に人間が入って、人力で作業しなければならないのである。

 そしてストーリーは、決死の覚悟で作業する現場の50人と、無策無能の政府や東電本社の幹部たちを対比しながら、緊張感を漂わせながら事実通り克明に描かれてゆく。ここまではなかなか感動的で素晴らしい展開であった。
 ところが終盤になると、製作時間の制約のためか、あっという間に収束してしまい、収束原因がよく分からないままエンディングを迎えてしまったのが非常に残念であった。あくまでもパニック映画と言うより、50人の原発現場作業員たちを称えるドキュメンタリータッチの映画と認識したほうが良いのかもしれない。
 ところでなぜタイトルが『Fukushima 50 』とローマ字になっているのだろうか。もしかすると、米軍にゴマを擦った「ともだち作戦」を挿入したことから推測して、米国での配給を意識しているのであろうか。

評:蔵研人

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2020年12月29日 (火)

ドラゴン・ハート 明日への希望

★★★
製作:2020年 米国 上映時間:97分 監督:イヴァン・シルヴェストリニ

 本作は、ショーン・コネリーがドラゴンの声を引き受けたことで大ヒットした第1作から数えて、シリーズ5作目にあたる。私自身は第1作は観たものの、2作~4作までは未だ鑑賞していない。最初本作も余り興味が湧かなかったのだが、ほかに観たい作品が見当たらなかったため、なんとなくレンタルしてしまった。

 ストーリーはRPG仕立てで、両親を惨殺されて家を焼かれた少年が復讐の旅に出て、ドラゴンの助けを借りて悪人たちを次々に退治してゆくというお話である。このスローガンに惹かれてしまったのだが、少年が少しずつ成長するわけでもなく、いつもドラゴンに助けてもらうばかり。ストーリー自体も単純な勧善懲悪仕様で、まさに小学生向けのファンタジーなのだ。

 少なくともドラゴンのCGだけは立派なのだが、それ以外の何物でもない。また次回作が製作されたとしても、もうお腹一杯で遠慮したくなるね。

評:蔵研人

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2020年12月23日 (水)

スーパーティーチャー 熱血格闘

★★★☆

製作:2018年 香港 上映時間:101分 監督:カム・カーワイ

 あの「イップ・マン」を演じたドニー・イェンが製作と主演を務めたアクションコメディー。ある日風来坊の熱血教師が、問題児の多い学校に赴任して、問題児たちを更生させるという、使い古されたパターンの学園ドラマである。
 この教師チャン・ハップこそ、かつて問題児でこの学校を退学し、米国に渡り海兵隊になった過去を背負っていたのだ。そしてプロの格闘チャンピオンと互角に渡り合うのである。

 それにしても、60歳近くなったというのに、ドニー・イェンのアクションが素晴らしい。「イップ・マン」のときはカンフーだけだったが、今回は総合格闘技も含めたまさに喧嘩アクションで大暴れなのだからびっくりしてしまった。それに加えて生徒愛に満ちた教育方法も見事だ。まさにスーパーティーチャーそのものである。いずれにせよドニー・イェンあってこその映画と言えるだろう。


評:蔵研人

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2020年12月19日 (土)

ハスラーズ

★★★

製作:2019年 米国 上映時間:110分 監督:ローリーン・スカファリア

 本作は実話をもとにしたクライム映画で、アカデミー賞にはノミネートされなかったものの、サテライト賞映画部門助演女優賞を受賞し、ゴールデングローブ賞助演女優賞にもノミネートされている。またストリッパーたちの集団詐欺を描いた作品ということもあり、美女たちのヌードにも期待して本作を観た人たちも多いかもしれない。

 だが結論からぶちまけると、主要キャストのヌード場面は皆無だし、ドキュメンタリー風の展開が退屈でたまらなかった。それで途中から早送りして観たのだが、いつまで経っても終わらない。こんな映画なら90分以内で十分だった。だからアカデミー賞にノミネートされなかった理由がなんとなく分かったような気がした。

 もしかすると、実話に拘り過ぎたためにストーリーを犠牲にしてしまったのかもしれない。少なくとも女同士の友情や男性たちとの関係に、もっと心理描写を取り入れても良かったよね。ただ淡々と犯罪の成り行きを繰り返すだけでは、ドラマとしては失格である。

 そんな中で数少ない見所は、50歳を超えたジェニファー・ロペスの見事な肢体と演技力ぐらいかな。それにしても犯罪・暴力・銃社会・貧富の格差・そして戦争へと連なって行く米国病は果てしなく続くのだろうか。


評:蔵研人

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2020年12月14日 (月)

アルティメット・ソルジャー

★★☆

製作:2020年 米国 上映時間:92分 監督:ダニエル・ジリーリ
 
 戦死寸前の兵士が、極秘プロジェクトのナノテクよって不死の戦士として蘇るのだが、なぜか目覚めると急に暴走し始めるのだった。この兵士と戦ってあえなく瀕死の重傷を負った凄腕ボディガードも、ナノテクによって不死のボディガードとして変身する。そして誰も手を付けられない不死の二人によるバトルゲームが始まるのである。

 こう記すと、なかなか見応えのあるバトルアクションムービーを期待してしまうのだが、ワクワクするのはこのあたりまでだった。戦士のほうはタイの町中で他人の食べ物を取り上げ、警官の拳銃を奪うだけ。そしてもう一方のボディガードは、離婚を迫るタイの美人妻とヨリを戻そうとシャカリキになるだけ状態なのだ。

 結局見所は、終盤にやっと対決する二人のプロレスまがいの格闘だけなのだが、それもなんとなく色褪せた感がある。米国映画でなぜ舞台がタイなのかは不明なのだが、いずれにせよかなりの低予算映画であることは間違いない。まあ100円レンタルで、退屈凌ぎに寝転んで観る程度の作品と言っては失礼なのだろうか…。


評:蔵研人

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2020年12月10日 (木)

家族を想うとき

★★★☆

製作:2019年 英・仏・ベルギー 上映時間:100分 監督:ケン・ローチ
 
 出演者のほとんどが素人だというのだが、それにしてはなかなかの芸達者揃いだ。ことに嫌われ上司役は警察官だというのだが、本当かな…。
 さて本作は短気で失業中だった父親リッキーが、フランチャイズの宅配ドライバーとしての面接を受けるところから始まるのだが…。実は母親のアビーがパートタイムの介護福祉士として、患者の家々を飛び回っているため、小学生の娘は淋しい想いを募らせてゆき、高校生の息子は反抗的な態度が続いているのだ。
 
 やっと働き始めて、家を建てることに猪突猛進しているリッキーだが、週6日で14時間勤務。それもトイレにいく間もないほどの激務に追いまくられている。また妻も何軒も掛け持ちの介護士で二人とも帰宅が遅く、クタクタに疲れ切っている。だが多額の借金も残っており、必死で共働きしても生活は良くならず、家族はバラバラらなるばかりなのだ。
 
 娘は素直で可愛いのだが、息子のほうは休学になったり万引きで逮捕されたり、家出したりとなかなか手に負えない。そして宅配の仕事も、なかなかままならない。…と最初から最後まで辛い状況が続くのだが、自家用バンで家族全員で患者の家に行くシーンだけは、一筋の光が刺したように感じた。

 本作では、母親と娘には好感が持てるのだが、父親と息子に多くの問題があるようだ。なにせ彼等は他人のことを考えず、自己主張ばかりが強過ぎる。そもそも初めてチャレンジする宅配事業のため、金もないのに新車のバンを無理矢理購入したときから、この家族の不幸は始まったのではないだろうか。娘がバンのキーを隠した気持ちが痛いほど分かった。
 そして尻切れトンボのような形で締めくくったラストシーンについては、仕事に出かけるのか、生命保険をあてにして事故死に向かったのか、観る人々にその解釈を委ねたのだろうか。


評:蔵研人

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