カテゴリー「映画・テレビ」の記事

2020年3月24日 (火)

テセウスの船

★★☆

 日曜の夜10回に亘って放映された『セテウスの船』がやっと最終回を迎えた。東元俊哉による原作マンガは未読だが、その結末についてはネットで拡散しているため殆どの人が承知しているはずである。だから原作とTVドラマには最終犯人をはじめとして、いろいろと相違点が多いことも周知の事実であろう。
 そこで原作からのネタバレを恐れ過ぎたのか、あるいはお茶の間ドラマの雰囲気に拘り過ぎたのか、余りにも辻褄が合わない脚本に失望してしまった。そしてうたい文句のSFミステリーを逸脱して、なんと家族愛に溢れたホームドラマに落ち着いてしまったのである。またタイムトラベルものとしても、ラストの結末がパラレルワールドだということ以外は、ほとんど体をなしていないし、あの『JIN仁』の足元にも全く及ばない。

 ただ最終回に至るまで、かなりの高視聴率を稼いだことだけが、TV局としての大成功と言って良いだろう。確かに5話くらいまでは、次回はどうなるのだろうかと、視聴者たちが期待に胸を膨らませる展開だった。しかしその手法が余りにも単調でしつこ過ぎて、だんだんイライラが募ってきたことも否めないはずである。

 きっとこいつが真犯人だろう、と思わせぶりな展開が何度も繰り返されていくうちに、だから逆にこいつは犯人ではないだろうと推測してしまう。ところがギッチョン。最終回では、まさかこんな奴がこんな動機で、あれだけの犯罪を犯すのだろうか、という結末に遭遇してしまう。これには驚くより呆れてものも言えなかった。
 これはアッと驚く結末でもどんでん返しでもない。散々犯人らしき人々をバラまき散らした上に、全てお見通しで先回りする頭脳抜群の犯人を臭わしておきながら、実はこんなオトボケ男が犯人だというのだ。
 これではさんざん好き勝手な展開を繰り返しておいて、実は夢でしたという「夢オチ同様の反則技」であり、無理矢理ザ・エンドにしてしまった感も拭えない。さらに生意気で大人顔負けのワルだったみきおが、急に誠実な子供に逆戻りというのも全く納得できない。

 バカにするのもいい加減にしてくれ!10週間もの間さんざん引っ張り続けて、多くの視聴者の貴重な時間を無駄に使わせやがって、と怒涛の如く怒りをぶちまけたくなる。そしてあっという間に家族全員が幸せいっぱいのハッピーエンドとは、視聴者全員がコケにされたようなものではないか。

 とにかくハラハラドキドキではなく、イライラダラダラの蔓延したドラマだった。また主人公が勿体ぶってなかなか真実を語らないため、状況は増々悪化してゆくばかり。さらに主人公と一緒に過去に戻ったと思われる大人のみきおは、その後一切登場しない。それなら彼は何のため登場したのだろうか。いずれにせよ、不要なものが延々と登場し、必要なものが歯抜けになっているという超ムカつく展開に終始していたドラマだった。

評:蔵研人

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2020年3月17日 (火)

アラジン

★★★★☆

製作:2019年 米国 上映時間:128分 監督:ガイ・リッチー
 
 アラジンが主役ということは間違いないのだが、エンディングクレジットに最初に記されているのは、ランプの精を演じたウィル・スミス であるところが面白い。そう言えば、オープニングでなんとなく想像できるのだが、このランプの精こそ裏の主人公なのかもしれない。

 また本作はアニメではなく、CGをふんだんに交えた実写映画であり、アニメのほうを観ていない私的にはかなり満足の出来る素晴らしい仕上がりだと感じられた。ただ一部のアニメファンからは、「残念ながらアニメを超えられなかった」という声がいくつか聞こえた。ふ~ん、そんなに凄いアニメだと言うのなら、近いうちにレンタルしてみようじゃないか・・・。

 まあいずれにせよ、笑いと涙にまみれ、歌あり踊りあり、悪役と正義の対立、さらにゴージャスで楽しさ満杯と、ディズニー映画の王道は全てクリアしている。だから子供たちと一緒に観るには最高の映画ではないだろうか。

評:蔵研人

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2020年3月14日 (土)

ライオン・キング

★★★☆

製作:2019年 米国 上映時間:119分 監督:ジョン・ファヴロー

 実写映画化という触れ込みだが、正確には『より実写に近いCGアニメ』と言えば良いだろう。それにしても良くできたCGである。動物たちが人語を喋ったり、歌ったり、ドラマを演じていなければ、まさに『アース』のようなネイチャー・ドキュメンタリーそのものではないか。
 もちろんこの映画の最大の見どころも、この実写のようなCGの完成度にある。そして実写に限りなく近づくことによって、前作のアニメ版をしのぐ威厳と説得力がもたらされていると言えよう。

 アフリカのサバンナには、偉大なる王であるライオンのムファサが君臨していた。妃のサラビとの間に生まれた長男シンバのお披露目に、さまざまな動物たちが誕生の儀式に集まってくる。そして動物たちが、ヒヒの祈祷師ラフィキがささげる将来の王シンバに深くこうべを垂れるところからはじまる。

 だが平和なサバンナにも、暗雲が立ち込める。王になれないことに不満を持つムファサの弟スカーが、シンバの誕生を苦々しく感じハイエナたちを使って王位略奪を企むのである。そしてある日陰謀が実行されるのだった。
 まあ大体この後の展開は誰にでも想像できるであろう。そう父を殺されて、王位を略奪され追放されたシンバが成長し、見事父の仇を討ってサバンナの王になるまでが描かれるのである。

 それにしても今更だが、本作は手塚治虫の『ジャングル大帝』にそっくりではないか。たぶん手塚自身が生きていたとしても、ディズニーファンだった彼は、ニヤリとするだけで文句は付けないような気がするのだが・・・。
 ディズニー側はあくまでもオリジナリティーを主張し、我々は『ジャングル大帝』も手塚治虫も知らないと言っているらしい。だが過去に米国でも『ジャングル大帝』が放映されているし、アストロボーイ(鉄腕アトム)の手塚を知らないアニメーターがいること自体が信じ難い。

 もちろんパクリとは言わないが、本作が『ジャングル大帝』を参考にしたことは想像に難くない。少なくとも手塚治虫に対する「オマージュ作品」として製作して欲しかったのだが、それはディズニー側のプライドが許さなかったのだろうか。
 ところで本作には人間が全く登場しない。実はそのストーリー構成こそが、ディズニー側がオリジナルだと言い張るための、『ジャングル大帝』との棲み分け手法だったのかもしれない・・・。

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2020年2月27日 (木)

カイジ2 人生奪回ゲーム

★★★

製作:2011年日本 上映時間:133分 監督:佐藤東弥
 
 第一作はいくつかのゲームと地下での生活など、そこそこ変化があった。ところが本続編に関してはは、大型パチンコゲームだけに特化し過ぎて、退屈感とくどさに塗られてしまったようだ。
 それにしてもカイジのお人好し的な甘さは、「アリエネー!」と叫びたくなるほどイライラするのだが、原作のマンガでも同様なのだろうか。いずれにせよ、いかにもマンガチックな展開が鼻につく。まあ「それが売りなのだ!」と言い返されれば、それまでなのだが・・・。

 まあ決してつまらない映画ではなく、そこそこ面白いので時間つぶしに観るには問題ないだろう。それにしても藤原竜也君は、香取慎吾や大野智同様、マンガチックな作品が素晴らしく似合う俳優だよね。

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2020年2月20日 (木)

羅生門

★★★★

製作:1950年日本 上映時間:88分 監督:黒澤明

 本作の脚本は、芥川龍之介の短編小説『羅生門』と『藪の中』を組み合わせて創られている。序盤とラストが『羅生門』で、その他は『藪の中』で構成されていると言って間違いないだろう。
 それにしても古びた羅生門が印象的であり、製作費の大半がこの門の製作費に充てられたとも言われている。また墨汁を混ぜたような黒い雨は、この作品を観る者の心の中にまで降り込んでくるようだった。

 登場人物は強盗の多襄丸(三船敏郎)、武士(森雅之)、その妻・真砂(京マチ子)、杣売り(志村喬)、旅法師(千秋実)、下人(上田吉二郎)、放免(加東大介)、巫女(本間文子)のたった8人なのだが、いずれも黒澤好みの個性的だったり芸達者な俳優ばかりで退屈しないのだ。
 この作品の主眼は、戦に明け暮れて荒れまくった平安京で生きる人々の荒んだ生き様と、当てにならない人の心の変遷を描いている。従って娯楽映画ではなく、どちらかと言うと芸術的な作品として分類できるだろう。そしてその証として、ブルーリボン賞脚本賞をはじめとして、ヴェネツィア国際映画祭やアカデミー賞など国際的にもかなり評価されているのだ。

 さて前振りが長くなったが、ざっとあらすじを述べてみようか・・・。
 強盗の多襄丸が森の中で縛りつけた夫の眼前で、その妻・真砂を犯し、挙句の果てに殺す必要のなかった夫を殺害してしまうという話なのである。ところが検非違使の前での多襄丸、真砂、殺された夫(巫女が再現)の証言が三者三様なのだ。これは法廷における当事者間で生じている利害関係の相反による供述の食い違いと考えればよいかもしれない。
 
 芥川龍之介の『藪の中』は、読者に結末を想像させるリドルストーリーだったが、この映画中では志村喬が演じる杣売りが、木陰で事件の全貌を覗き見ていたことになっている。つまりお白州での三者三様の証言は全てが嘘で、ラスト近くに杣売りによって真実の結末が語られるという構成になっているのだ。
 ただ杣売り自身もある罪を犯しており、その証言が真実かどうかが、また観客のほうに投げ返されている感がないでもない。そして本当のラストになって、それまでずっと暗くて陰湿だった展開にやっと終止符が打たれる。
 土砂降りだった雨も止み羅生門に光が射して、杣売りが赤子を抱えるラストシーンに、やっと観客も救われるはずである。・・・と善意に考えたいのだが、黒澤監督がどんな気持ちでこのラストシーンを挿入したのかは、最早誰にも分からない謎なのかもしれない・・・。

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2020年2月11日 (火)

淪落の人

Rinraku

★★★★
製作:2018年 香港 上映時間:112分 監督:オリヴァー・チャン

 アクション中心の香港映画としては珍しいヒューマンドラマである。それもあってか香港中を涙と感動で包み大ヒットを記録したという。もちろん日本でも、かなり評価は高いのだが、地味な創り方をしているせいか、今のところ上映が極端に少ないのが残念である。

 事故で下半身が動かせなくなったリョン・チョンウィンは、離婚することになり一人息子は妻と暮らしている。それで彼は公営住宅で、独り淋しく不自由な人生を送っていた。そんな彼の唯一の希望は、ネットで連絡を取り合っている息子の成長だけであった。
 また手助けしてれる友人のファイが時々訪ねて来てくれるものの、下の世話や食事の支度をしてくれる家政婦なしでは生活できない。だがこんな状況下では、なかなか長続きする家政婦がみつからないのだ。

 そんなある日、フィリピン人の住み込み家政婦エヴリンがやって来る。ただ彼女は広東語が喋れず、片言の英語でコミュニケーションを図るしかなかった。
 こんな状況下で、障害者と家政婦のギクシャクした生活が始まるのである。だが見かけは神経質で厳しいリョンだが、根は優しくて包容力があるので、エヴリンも少しづつ心を開いて行くのであった。だからと言って恋愛関係に発展するわけではなく、あくまでも人間同士の心温まる触れ合いに終始するところが心地よい。

 思わぬ事故で障害者となり、妻子と別れ、金持ちでもなく、希望もない主人公なのだが、絶望的な展開もなく、ストーリーも退屈しない。また香港に出稼ぎにやって来るフィリピン女性たちの生活実態を垣間見ることも出来る。決して楽しい映画でも痛快な映画でもないのだが、なんとなく心温まる不思議な肌触りを感じる作品であることは間違いないだろう。

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2020年2月 7日 (金)

人魚の眠る家

★★★★
製作:2018年日本 上映時間:120分 監督:堤幸彦

  原作は東野圭吾の小説であり、ミステリー含みの社会派ドラマといったところだろうか・・・。と言うのも、脳死判定と臓器提供の選択に、母親の狂気が絡んでくる、という実に重くて複雑なテーマに挑んでいるからである。

 幼い娘がプールで溺れて意識不明になり、医師に脳死を宣告されるのだが、ベッドで一瞬娘の手が動いたのを見てしまった母親が、延命治療を望むことになる。そして家庭で眠ったままの娘を介護する生活が始まるのだった。さらに父親が経営するIT企業で研究しているロボット開発の技術を利用し、電子操作で娘の体の一部を動かすことに挑戦する。果たして娘は回復するのだろうか・・・。

 と言った展開で、誰もが奇跡の回復を祈り願うのだが、いつの間にか母親のほうが眠り続ける娘に没頭し過ぎて、異常心理に陥ってしまうのである。このあたりの心理描写を、主演の篠原涼子が巧みに演じているところが、実に印象的であった。普段余り彼女の演技を観たことがなかったので、こんなに演技達者だったのかと感心してしまった次第である。 


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2020年2月 3日 (月)

七つの会議

★★★☆
製作:2018年日本 上映時間:119分 監督:福澤克雄

 結論から言えば、日本のサラリーマンたちを皮肉たっぷりに揶揄している作品である。なるほど銀行員であることに嫌気がさして、退職後見事小説家を勝ち取った池井戸潤の気分がぶちまかれている作品じゃないの。
 まあ実力はともかくとして、サラリーマンを廃業し売れっ子小説家になれて良かったね、と言うより幸せだよね・・・。ただ同じような気分でいても、毎日イライラしながら我慢と惨めに染まり、サラリーマンを続けざるを得ない気の毒な人々も大勢存在しているということも理解してあげてね・・・。

 さて本作は序盤こそ主人公・八角自身の謎と彼に絡んだ者達が左遷されてしまうという謎を追ってゆくのだが、本命は企業の不正隠しの根幹に迫ってゆくことである。ただタイトルの『七つの会議』が意味するものは一体何なのだろうか。

 映画の中での会議らしい会議は3~4回程度しか行われず、タイトルが意味するところと食い違っているではないか。実は原作は映画と違って、8篇の短編小説の集合体で構成されている。そして最終編はエピローグであり、その他7つの短編にそれぞれ主要人物が一人ずつ合計7人登場する群像劇だと言うことが一つ。

 もう一つはやはり原作では、「定例会議」「環境会議」「計数会議」「連絡会議」「営業会議」「役員会議」「御前会議」の7つの会議が存在するということらしい。また映画の中では、面談や屋上での立ち話程度の会話も、一応会議としてとらえていて7つの会議が行われたとのことである。またもっと深読みすれば、『七つの大罪』と呼ばれている傲慢、強欲、嫉妬、憤怒、暴食、色欲、怠惰の7つの欲求・感情を示唆している作品とも言えるかもしれない。

 いずれにせよ原作はともかく、映画のほうはなんとなくコメディめいた雰囲気が蔓延していて、テーマの持つシリアスさや重さが感じられなかった。これは主人公・八角を演じた野村萬斎の狂言的なセリフ回しと、営業課長とOLの素人探偵ゴッコの影響なのだろうか。これを面白いと考えるか、もっと真面目にやれと冷やかすかは好みの問題かもしれないね。


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2020年1月29日 (水)

最強のふたり

★★★★
製作:2011年 フランス 上映時間:113分 監督:エリック・トレダノ

 だいぶ以前から気になっていた作品だが、最近ハリウッド製のリメイク版が上映されたのを機会に、フランス製のオリジナル版をレンタルしてみた。結論から先に言えば、映像が美しく、音楽センスもよく、俳優たちの個性と演技力も光っていた出来の良い映画だと言えよう。
 ただ一つ残念だったのは、終わり方がいやにあっさりとしていたということである。実話だから仕方がないかもしれないが、脚色しても良いので、もう少し感動的なシーンを挿入してもらいたかったな。まあこのあたりの感じ方は、人によって異なるので、あくまでも私の個人的な嗜好に過ぎないのだが・・・。

 この作品は一見、気まぐれな大富豪の障害者と、スラム街出身の黒人介護者との友情物語として語られてしまいそうだ。だが実はその裏に、貧困、麻薬、移民、病気、死別、養子、障害者のセクシュアリティ等々、さまざまな社会問題が鏤められているのである。
 そしてその結果として、第24回東京国際映画祭コンペティション部門で上映、最高賞の東京サクラグランプリを受賞している。また主演の2人は最優秀男優賞を受賞した。さらに第37回セザール賞では作品・監督・撮影・脚本・編集・音響賞・主演男優・助演女優にノミネート、介護者役のオマール・シーが主演男優賞を受賞している。

 実は私が一番気に入ったのは、オープニングからいきなり始まるカーチェイスから、過去への回想を経て終盤にリターンしてゆくシーンである。そしてここであーそう言うことだったのかと納得してしまうのだ。まあ映画にはよくあるパターンなのだが、本作ではなかなか洒落ている回帰シーンであった。
 さてハリウッドのリメイク版のほうは、まだ未鑑賞なのだが、ネットの評価は圧倒的にオリジナル版のほうに軍配をあげている。・・・ということなので、暫くは静観してみたいと考えている。ただしオリジナル版を観ていなければ、先にリメイク版を観たほうが良いかもしれない。

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2020年1月25日 (土)

九月の恋と出会うまで

★★★★
製作:2019年日本 上映時間:106分 監督:山本透

  原作である松尾由美の同名小説を読んだのは、もう5年前のことであり、細かいストーリー展開と結末は余り覚えていない。それで新鮮な眼で本作を観ることが出来た。また登場人物が4人しか登場しないアイデア一辺倒の原作より、映画のほうが恋愛色に染まっていてストーリーも面白いし、スケールも広がっている。それに美しい映像と効果的な音楽が加わるから、珍しく原作を超えた映画と言ってよいだろう。
 ただタイムパラドックスとの因果関係については、やや解り辛いのであとで原作を読むと良いかもしれない。とは言っても、過去改変の影響については、原作でもいま一歩深みにはまり切っていないところが、かなり物足りないので念のため・・・。

 北村志織は、入居したばかりのマンションで、不思議な現象に遭遇する。なんと隣室に住んでいるが、ほとんど話をしたことのない平野という男性の声が、エアコンの穴から聞こえてきたのだった。それも一年後の未来から話していると言うのである。
 はじめは信じられない志織だったが、翌日の天候に始まり一週間分のニュースを言い当てられ、未来からの声だということを信じざるを得なくなってしまう。そのうえ現在の平野を尾行してくれという、奇妙な依頼を未来の平野から受けてしまうのである。だがなぜ尾行するのかという理由は教えてくれない。

 序盤は平野を尾行する理由の謎を追い、中盤はタイムパラドックスを避ける活動、そして後半に完全なラブストーリーへと変換してゆく流れは、「なかなか見事な脚本に仕上がっている」と褒めてもよいだろう。思わず一昔前に、こんな感性の韓国映画をよく観たことを思い出してしまった。
 また主演の高橋一生と川口春奈の演技力と存在感もなかなかであり、二人ともしっかりとこの役柄にはまっていた。まあどちらかと言えば、タイムトラベルよりも恋愛ものとして若い人たちにお勧めの作品かもしれないね。

評:蔵研人

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