一秒先の彼女
★★★★
製作:2020年 台湾 上映時間:119分 監督:チェン・ユーシュン
人よりワンテンポ早い郵便局員のシャオチーと、逆にワンテンポ遅いグアタイのラブストーリーである。オープニングは、朝起きたら大切なバレンタインデーが消失してしまい、日焼けだけが残ったと、真っ黒な顔で交番に駆け込むシャオチーのドタバタシーンが印象的だ。はじめは何の意味かよく分からなかったのだが、実はそのバレンタインデーにイケメンの彼とデートの約束をしていたのである。ではなぜその日に限って突然、彼女の記憶が消えてしまったのだろうか。
その謎解きは、終盤に明らかにされるのだが、そこに辿り着くまでには数多くの伏線が見事に紡がれていたし、そもそもストーリー自体もなかなか楽しかったね。その一つはシャオチーを演じたリー・ペイユーという女優のキャラのユニークさのお陰かもしれない。
彼女は決して美人とは言えないが、愛嬌のある表情に抜群のスタイルが見事にマッチングして、本作のようなファンタジックラブコメのヒロインにはピッタシカンカンなのだ。だから彼女の行動を観ているだけで、楽しくて堪らなくなってしまったのである。さらにオマケと言っては失礼だが、「どこかで聞いたような声と顔だな」と思った郵便局の同僚役を演じていたのが、台湾の美人囲碁棋士の黒嘉嘉ことヘイ・ジャアジャアだったのは驚きだった。
いずれにせよ本作最大の見どころは、「全ての謎を解き明かしながら美しい風景の中を走り続けるバス」が織りなしてゆくスペクタクルシーンであろう。さらにエンドロールで流れるうっとりする音楽を聴いていると、なぜかうっすらと涙が滲んでくるから不思議である。したがってこのエンドロールは飛ばさないで、かならずじっくりと味わって欲しいものである。
評:蔵研人
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