カテゴリー「映画・テレビ」の記事

2018年8月10日 (金)

エイリアン:コヴェナント

★★★☆

製作:2017年 米国 上映時間:122分 監督:リドリー・スコット

 ネットではかなり評価が低いのだが、そんなに悪い映画ではなかった。もしかすると、リドリー・スコット監督に期待し過ぎたエイリアンファンが多かったのかもしれない。
 確かにシガニー・ウィーバーが演じたリプリーのような、強烈なイメージを発散する主役が不在だったり、エイリアンとの戦闘シーンが迫力不足だったことは否めない。だがそれだけで本作を駄作と決めつける訳にはゆかないだろう。

 本作はエイリアンとの戦いと言うよりは、人智を超えてしまったアンドロイドの恐怖がメインテーマであり、ある種の宗教的な香りが漂っているではないか。そのことはオープニングでの、博士とアンドロイドのやり取りに全てが詰まっている。
 そもそも我々は、エイリアン映画に何を求めているのだろうか。少なくとも宗教観などと言う高尚なものではなく、SFとホラーが融合したとてつもないアクション映画を期待しているのである。だとすると、本作はリドリー・スコット監督の独りよがりと言うことになってしまうのだ。
 まあそうした意味では、エイリアンシリーズは第1作と第2作で終わっていて、外伝として『エイリアンVSプレデター』が存在しているだけなのかもしれないね・・・。

 それはそれとして、今後さらに続編が数作準備されているようだ。ただそれらの続編が、エイリアンファンの思い入れとどんどんかけ離れたストーリーになってしまうのではないかと危惧しているファンも多いのではないだろうか。
 監督のライフワークとして、強烈な思い入れが臭ってくること自体は決して悪くないのだが、ファン側の思い入れを無視しては意味がない。だからこそ今後創られる続編は、是非ともファンの期待を裏切らない作品に仕上げて、有終の美を飾って欲しいのである。
 

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2018年8月 4日 (土)

きっと、いい日が待っている

★★★★

製作:2016年 デンマーク 上映時間:119分 監督:イェスパ・W・ネルスン

 本作は実話に基づいて製作されたのだが、癌に侵された母親と、頼りない叔父だけしか親族のいない13歳と10歳の兄弟が、擁護施設に預けられるところからはじまる。そこで二人は目立つ行動をとったため、いじめの標的にされたり、教員たちから体罰を受けたりするのだった。
 それで施設の先輩たちからは、出来るだけ目立たず幽霊のようにしていたほうが良いと諭されるのだが…。片足が内反足で不自由ながらも、「宇宙飛行士」を夢みる弟のエルマーはなかなか環境に馴染めない。それで兄弟揃って施設を脱出するのだが、すぐにつかまって教員たちから暴行を受けるのだった。
 
 果たしてそんな彼等に、平和で幸せな日々が訪れるのだろうか。時代背景はケネディ大統領時代の1960年代後半、場所はにコペンハーゲンの郊外にある児童養護施設である。それにしても、当時はこんな地獄のような施設が当たり前のように存在していたのだろうか。唯一の救いは、中途から入所してきた優しい女性教師だけである。

 本作は実話を参考にした社会派ドラマなのだが、暴力教師、変態教師、狂気の校長などの存在、さらに刑務所のように隔離された施設など、まるでホラー映画を観ているのではと錯覚してしまうではないか。ただそんな中でも、子役たちの的確な演技と、兄弟愛を描いた脚本が見事に絡み合って、最後まで目が離せない名作に仕上がっていたと思う。

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2018年7月28日 (土)

アメイジング・ジャーニー 神の小屋より

★★★

製作:2017年 米国 上映時間:132分 監督:スチュアート・ヘイゼルダイン

 決して悪い映画ではないのだが、脚本の構成と言うか流れに変則的な印象が残ってしまった。主人公のマック少年が、アル中の父親に虐待されていたと思ったら、いきなり大人になって三人の子供と愛する妻との幸せな家庭に納まっているではないか。父親への復讐やその結末は何となく想像できるものの、何の断りもなく一挙に20~30年も未来へとスキップしてしまうのもいかがなものか。

 それに今度は何の前触れもなく、突然キャンプ場で小さな次女が行方不明。一体どうしたのだろうかと考える暇もなく、変質者による誘拐殺人事件へという悲しい結末に落ち着いてしまうのだ。
 やれやれヒューマンドラマかと思ったら、サスペンス映画だったのか。・・・と思ったのもつかの間、実は宗教映画だったと言う気まぐれな展開に、ちょっとついて行けなくなってしまうのである。
 またここまでは、かなりスイスイとテンポよく進んでくる。ところが中盤以降に宗教色が濃くなってくると、今度はしつこいくらいゆったりとした流れになってきて少々眠気に襲われてくるのだ。

 結局のところ、最愛の娘を殺害され、失意に明け暮れて家族崩壊状態にあった父親が、神を信じることによって救われるという分かり易いお話に落ち着くのである。それはそれで良いお話なのだが、ストーリーの紡ぎ方が雑でバランスの悪いところが非常に残念である。それにこれだけ不幸な事件を巻き起こした犯人を単に「赦せ」と言われてもねえ・・・。ことに我々日本人には理解し辛い論理かもしれないね。

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2018年7月22日 (日)

エンドレス 繰り返される悪夢

★★★

製作:2017年 韓国 上映時間:90分 監督:チョ・ソンホ

 主人公の有名な医師が、旅客機に乗って娘に逢いに行くところからはじまる。ところがその娘は、交通事故に遭遇し死亡してしまうのである。だが次の瞬間、医師は旅客機の座席で目覚めるのだ。そして見たことのある風景と出来事が続く。つまり目覚めると、何度も同じ一日を繰り返すのである。
 そして目覚めるたびに娘が事故に遭わないように奔走するのだが、どうしても上手くいかない。そこに突如同じ事故で妻を亡くして、何度も同じ一日を繰り返している男に出逢うことになる。

 本作は私の大好きなタイムループ作品であり、この手のテーマがお得意の韓国映画ということで、かなり期待し過ぎてしまったようだ。もちろん駄作ではないし、伏線もしっかりしていてアイデアも秀逸である。だがストーリー展開にかなり無理があり、どんでん返しや感動的なシーンも無く、いまひとつのめり込めなかったのが残念であった。

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2018年7月17日 (火)

帝一の國

★★★★
 
製作:2017年 日本 上映時間:118分 監督:永井聡

 「政治とは流血を伴わぬ戦争である。ぼくの夢は総理大臣になること。ではどうしたら総理大臣になれるのか。超名門海帝高校の生徒会長になることだ。」海帝高校に入学した赤場帝一の独白ではじまる。そう本作は、古屋兎丸の同名コミックを実写化し、最初から最後まで生徒会長選挙戦に明け暮れる超おバカ映画なのである。

 原作のコミックは読んだことがないのだが、登場人物全員がそっくりに仕上がっているようだし、それぞれの演技力も素晴らしい。またメリハリのあるスピーディーなストーリー展開もなかなか好感が持てるではないか。ネットでの高評価は嘘ではなかったね。だいたいコミックを実写化した作品は評判が悪いものだが、本作は久々の三塁打といったところだろうか。

 それにしても最近はNHKの朝ドラ出演者が多いよね。ことに現在放映中の『半分、青い』の中心人物である永野芽郁と志尊淳が出演していたのには笑ってしまったな・・・。またイケメン男優が多数出演しているし、ふんどし姿も披露しているので若い女性たちは必見かもしれないね(笑)

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2018年7月13日 (金)

アンブレイカブル

★★★☆

製作:2000年 米国 上映時間:107分 監督:M・ナイト・シャマラン

 テレビのチャンネルを変えたら、ブルース・ウィリスが列車に乗っている映像が流れてきた。なんとなく気になる映像だったので番組表を開くとM・ナイト・シャマラン監督の『アンブレイカブル』というサスペンス映画であることが判った。それでそのまま約2時間テレビに釘付けとなってしまったのである。

 そのあと、乗客・乗員131名が死亡するという悲惨な列車追突事故が起こったのだが、たった一人だけ無傷で助かった男がいた。それが冒頭のブルース・ウィリスだったのである。さらになぜか、彼は今まで病気になったことも怪我をしたこともなかった。ただ少年時代にプールで溺れかけたことだけが唯一の汚点であったことも思い出してくる。

 M・ナイト・シャマラン監督の主な作品は本作のほか『シックス・センス』、『サイン』、『ヴィレッジ』、『スプリット』等があるが、そのほとんどが謎めいた展開で、一体ラストはどうなるのだろうかと言う期待感を抱かせる。もちろん本作も例外ではなく、終始ミステリアスな流れに翻弄され続けられてしまうのだ。

 ただサミュエル・L・ジャクソンが登場し始めると、ブルース・ウィリス自身も気付かなかった彼の秘密が解明されはじめる。だがそれが余りにも荒唐無稽なため、実は何か別の真実が隠されているのではないだろうか。と気になり始めてドキドキわくわくしてくるのだが、結局はその荒唐無稽な秘密こそが真実だったと判って、なんだか詐欺に会ったような気分のまま終了してしまったのである。

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2018年7月 7日 (土)

社葬

★★★☆

製作:1989年日本 上映時間:129分 監督:舛田利雄

 たたき上げの会長と二代目の社長の確執が社内派閥を生んでいる大手新聞社の取締役会。突然社長派の専務から会長解任の動議が提出される。どこかの会社にありそうな展開である。
 そのショックで倒れて、緊急入院してしまう老会長。そのまま死亡してしまうだろうと社葬の手配をするのだが、なんと堅物で会長よりずっと若い社長のほうが、芸者と同衾中になんと腹上死してしまうのである。
 この急展開によって「次期社長」を巡る派閥抗争は、さらに激烈になってゆく。皮肉なことに社葬の準備を進めながらも、亡くなった社長のことを語る者は誰もおらず、次期社長を巡る権謀術策ばかりが渦まくばかりである。

 主人公でやり手の取締役販売局長鷲尾平吉には、あの緒形拳が扮してまさにぴったりの役柄を演じている。無学で女好きだが強引な仕事振りと憎めない愛嬌の持ち主と言えば納得できるだろう。また会長の太田垣一男に扮する若山富三郎も、まさに彼以外にこの役を熟せる者はいないと言い切りたいほどのはまり役だ。そしてチョイ役だが、銀行界のドン野々村典正を演じた芦田伸介もこれまた大物そのものの雰囲気が体中から漂っていた。
 また大物ではないが、鷲尾平吉の妻を演じた吉田日出子の飄々たる演技、いや地のままのようなあの性格。夫が嘘をつこうが浮気をしようが、知っていて知らないそぶりをしているのか、全く気が付かない天然なのか、依然としてマイペースで明るい素振り。これこそ妻の鏡と言ってしまうと、世の女性たちに非難されそうだな…。

 いいねえ・・・。それにしてもこの時代の俳優層の厚さには、ほとほと脱帽したくなってしまうよね。ただ取締役会のメンバーがかなりダサいし、ドタバタなムードがこの手の作品にはそぐわない気がするのだ。趣味の問題かもしれないが、もっとシリアスに徹して欲しかったね。私的には、そのあたりが減点の対象になってしまったようだ。

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2018年7月 2日 (月)

神の手 血塗られた儀式

★★

製作:2016年 スウェーデン 上映時間:121分 監督:ラスムス・ティルジティス

 タイトル『神の手』とポスターに惹かれ、かつ珍しい北欧映画なので、つまらなければ輸入しないだろうと、下調べゼロでレンタルしてしまった。その後、家に帰ってネットで調べたら、余りにも評価が低いのでがっかり・・・。だが自分の眼で観てみないことには、本当に駄作なのかどうか分からないので、「怖いもの見たさ」という気分で鑑賞してみた。

 結局はネットで評価されていた通り、強力な眠気が襲ってきて、なんだか良く判らないまま終わってしまったという印象しか残らなかった。連続猟奇殺人に宗教を絡ませた展開なのだが、ホラーというよりオカルトという趣向なのかもしれない。それに余りにも警察が弱すぎるのもいかがなものだろうか。いずれにせよよ、時間を節約するためにも、今後は下見をしてからレンタルしたいね。(-_-;)

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2018年6月27日 (水)

あなた、そこにいてくれますか

★★★★

製作:2016年 韓国 上映時間:111分 監督:ホン・ジヨン

 原作はフランス作家ギヨーム・ミユッソの小説『時空を超えて』である。またこの映画の韓国での公開時には、大幅な観客を動員してかなり注目を集めたようだ。
 ジャンルとしては韓国が得意とする「タイムトラベル系ラブストーリー」であるが、タイムトラベルの方法は、カンボジアの不思議な老人からもらった錠剤を飲むことで、30年前にタイムトリップするというやり方である。ただ一回のタイムトラベルは、20分間しか続けられないという制約があった。

 なぜ30年前なのか、それは外科医で主人公のハン・スヒョンが、30年前に相思相愛の恋人を亡くしていたからである。そして過去の自分と遭遇し、二人で協力して恋人の命を救う計画を立てる。ただし若き日の自分に、恋人とは決して結婚しないことを誓わせるのだが…。果たしてそんな希薄な約束が守られるのだろうか。私なら絶対に守らないね、と言い切りたい。
 さてさてタイムトリップ出来る錠剤の数は10錠だが、ハン・スヒョンが使った錠剤は9錠、残りの1錠の存在が本作最後のキーとなる。そうしてタイムトラベルもののお約束とは言え、ラストの見事な連続ドン伝返しへと繋がって行くのである。

 小説のほうは9年前に読んだので、大部分は記憶から消えてしまっている。そこで本ブログの過去記事を確認したところ、本作はかなり原作に忠実な展開なのだが、フランスと韓国のお国柄などの違いもあり、まるでオリジナルのような完成度を感じさせてくれた。
 ただしやはり先に読んだ小説のほうが感動的だったような気がする。そのほかにもいろいろ書きたいことがあるのだが、過去の記事と重複してしまうのでここまでにしておきたい。なお過去の記事を参照したい方は、『時空を超えて』をクリックしてみてね。

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2018年6月20日 (水)

ジャスティス・リーグ

★★★☆

製作:2017年 米国 上映時間:120分 監督:ザック・スナイダー

 ジャスティス・リーグとは、アメリカの出版社DCコミックが刊行する漫画雑誌に登場するスーパーヒーロー集団のことを言うのだが、メジャー・リーグの名をもじったらしい。本作ではスーパーマン、バットマン、ワンダーウーマン、フラッシュ、アクアマン、サイボーグの6人が登場する。
 また本作は、『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』におけるドゥームズデイとの戦いから数ヶ月後の物語を描いている続編ともいえる。従ってスーパーマンは死亡したことになっているのだが、そのために宇宙の悪人ステッペンウルフが地球に侵略してくるのだった。そこでバットマンが地球を守るために、超人たちを集めてステッペンウルフに立ち向かうという流れになるのである。

 ここまでだと、なんとなくマーベルの『アベンジャーズ』と変り映えしないのだが、後半になって最強の超人であるスーパーマンが復活するところが本作の最大の見所となる。もともと最強なのだが、復活後はさらにパワーアップし、もうどんな超人が束になってかかっても子ども扱いになってしまうほどの超・超・超人となってしまう。スーパーマン信奉者の蔵研人(クラ・ケント)としては、それだけで痺れてしまった。
 まあそれはそれとして、地球の危機だっていうのに米軍は全く登場せず、たった5人(スーパーマン復活前)の超人たちに全てをお任せというのも現実的だな。そのほかにも間の合わないことが山ほどあるのたが、そもそも超人の存在自体が非現実的なのだから文句を言っても始まらないだろう。それにめでたくスーパーマンが復活したので、もうそれだけで、あとはどうでもいいじゃないか。

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