カテゴリー「映画・テレビ」の記事

2008年7月16日 (水)

大忍術映画 ワタリ

★★★

 この映画を観るのは、実に40年振りである。当時から白土三平ファンで、弟を連れてワクワクしながら三鷹にあった映画館に向かったものである。あ~懐かしくて涙が出てくるよ。

大忍術映画 ワタリ【劇場版】 DVD 大忍術映画 ワタリ【劇場版】

販売元:東映ビデオ
発売日:2004/11/21
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 何故今ごろになってこんな古い映画を観たのか…。実は来年2009年に、松山ケンイチ主演で白土三平の『カムイ外伝』実写版が上映されることに起因している。ネットで『カムイ外伝』を検索していたら、偶然この作品がDVD化されていたことを知り、懐かしさがこみあげて、もう一度この映画を観たくなったのである。
 当時白土三平氏は、この映画の出来の悪さに激高し、続編の製作は許可しなかったという。確かに主題歌はダサイし、ルーキー新一のおバカなお笑いが、この作品の個性をぶち壊している。

 だが子供向けの映画なのだし、当時の特撮レべルを考慮すれば、よく頑張ったほうかもしれない。またワタリ役の金子吉延クンは、まさに適役だったし、大友柳太郎の音羽城戸をはじめ、牧冬吉の四貫目、伊賀崎六人衆など、コミックそっくりなのには驚かされた。
 ただ四貫目や伊賀崎六人衆の実力が、十分に発揮されなかったところに不満が残る。やはりこれもワタリ中心のお子様仕様だから、と諦めるよりないのだろうか。
 いずれにせよ劇場映画の時間的な制約を考えると、一本の映画の中に収めるには、原作の内容が豊富過ぎるのである。少なくとも伊賀崎六人衆編は、第二部とすベきだったのではないだろうか。

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2008年7月13日 (日)

純喫茶磯辺

★★★☆

 水道工のオヤジ磯辺裕次郎は、父親の財産を相続してからブラブラしていたが、ある日思いつきで未経験の喫茶店を開業してしまう。だが余りにもダサイ店のネームと雰囲気に、娘の咲子はガックリするが後の祭りだった。
 当然店は流行らない。ところが素子という可愛いバイトの子に、超ミニのコスプレを着せた途端、店はおかしな客で大盛況となる。

       Isobeya

 そしてマスターの磯辺は、そんな素子にメロメロになってゆく。ところがこの状況が面白くない娘の咲子が、飲み屋で素子に文句を言う。
 磯辺は妻とは、8年前に離婚したのだが、妻と娘は時々逢っていて、娘は母に父との復縁を願うのだが、母は自由に生きたいという。父が父なら、母も負けずと変わり者で、しっかりしているのは、娘の咲子だけだったのだ。

 どうにも歯車の合わない人々を、古いタイプの喫茶店を通して、面白おかしく描いてゆく。主役の裕次郎をお笑いの宮迫博之が扮していることをみても、この映画はコメディーなのだが、苦笑いばかりでどこか本気で笑えない。
 結局は、裕次郎も妻も娘も、誰一人として幸福にはなれず救われないからである。それでも誰も、苦悩を残さずさっぱりしているところが爽やかだね。
 主人公磯辺裕次郎を演じた宮迫博之も決して悪くはないのだが、何を演じてもいつも同じ感じがする。一方、しっかりものだが純情で、一途な女子高生を演じた仲里依紗の清々しさが良かった。またつかみどこがないが、どこか憎めない素子を演じた麻生久美子の演技とコスプレに乾杯!
 彼女、どこかでみたことがあると思ったら、タ凪の街 桜の国で皆実の役を演じていたんだね。皆実とは全く異なる役柄を演じながらも、薄幸だが健気に生きるという部分では皆実と重なるところがあった。
 いずれにしても、この映画が単純なコメディーに終始せず、人情と哀愁を漂わせた良作になり得たのは、この二人の女優さんの個性と熱演のお陰であろう。 

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2008年7月 6日 (日)

魍魎の匣

★★★

 残念ながら京極夏彦の作品は、全く読んでいないので、原作との比較はできない。だが少なくとも、不気味な雰囲気は十分味わうことが出来たと思う。なんとなく江戸川乱歩横溝正史の作品を思い起こされる厶ードがある。

魍魎の匣 スタンダード・エディション DVD 魍魎の匣 スタンダード・エディション

販売元:ジェネオン エンタテインメント
発売日:2008/06/25
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 時代背景が太平洋戦争直後ということもあり、市電が走っている街並や映画館等のシーンでは、『三丁目のタ日』を思い出してしまうだろう。ただ一部の街並と建物にはなんとなく違和感を感じざるを得なかった。
 あとで調べたら「上海」でロケを行ったことが判った。どおりで中国に似ていたはずである。そんな違和感は拭えないものの、これがミステリアスなムードを醸し出すのに役立っていたと思うね。

 ストーリーのほうは、正直言ってよく判らなかった。主役級の登場人物が多いことと、いろんなテーマを小刻みに盛り込んだためだろう。それと、原作を読んでいるということが前提になっているのかもしれないな。
 さて、この作品のクライマックスを飾るはずの四角い塔だが、CGやセットが安っぽいと感じたのは僕だけだろうか。だが、肩からもぎ取られた腕とか、箱の中に詰まっていた〇〇は、実にリアルで無気味だった。気の弱い御仁は要注意!。

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2008年7月 2日 (水)

山桜

★★★★

 原作は藤沢周平の短編集『時雨みち』に収録されているという。監督は『メトロに乗って』の篠原哲雄であり、一連の山田洋次監督の作品とは一味違っている。山田作品はラストに悪者退治のアクションシーンを配しているが、本作では中盤であっさリと悪者を片付けてしまう。

           Yamaza

 つまりこの作品での力点の置き方は、チャンバラではないのだろう。武士の心情を描くという面では山田作品と同じであるが、あの時代、田舎の城下での、「静かな恋」を見事に描き切っている。
 ほとんど会話のない男と女。だがその思いは、百の言葉を並べるよりも、ずっとずっと心に染み込んでくる。
 この静寂の中に凛として佇むような感覚は、おそらく日本人にしか理解出来ないだろう。またそれもある程度齢(よわい)を重ねた者に限られるに違いない。その証拠に、館内はほぼ全員が年配の人たちで埋め尽くされ、映画の上映中には、そこかしこですすり泣きが聞こえるのだった。

 主演の田中麗奈と東山紀之は、絶妙の呼吸を持ってこの役柄に取り組んでいる気合を感じさせたね。ただ田中麗奈の母役である檀ふみは、背が高過ぎて時代劇には不向きだと思った。
 一番光っていたのは、東山紀之の母役富司純子かもしれない。彼女の出番は、わずか終盤の数分間だけなのだが、登場した瞬間からキラッと輝く存在感に圧倒されてしまった。「いよっ!待ってました大統領!おもだかや~!」てな感じで声を張り上げたい衝動にかられてしまったのだ。やはり、役者が一枚も二枚も上なんだね。
 さて結末をはっきりさせないラストの締め方だが、いろいろと異論はあるものの、僕はあれで良かったと思っている。ただエンデイングの歌は、ちょっと場違いだったような気がするのだが…。

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2008年6月30日 (月)

クローズZERO

★★★

 レンタル開始から、1ヵ月以上も経過しているのに、いつでもどこでもレンタル中のこの作品。やっとの思いでレンタルが叶った。ネットの評価も良いし、よほど面白い映画なのだろうと、期待に胸が膨らむ。

「クローズ ZERO」オリジナル・サウンドトラック Music 「クローズ ZERO」オリジナル・サウンドトラック

アーティスト:サントラ,Ruka for Meisa Kuroki,横道坊主,THE STREET BEATS,ガガガSP,浅井健一,The Birthday
販売元:FOR LIFE MUSIC ENTERTAINMENT,INC(PC)(M)
発売日:2007/10/24
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 序盤は確かに素晴らしい、ロックのノリも良い。邦画もなかなかやるじゃないか。原作がコミックなのだから、こういう風に大げさに創ればいいんだ。
 ところがその感動も、残念ながら序盤だけ。その後は特に心に残るストーリー展開もなく、驚くような派手なアクションもない。ただ普通に殴りあうシーンばかりで、TVの学園ドラマに成り下がってしまった。

 なんだなんだ、やっぱり邦画はダメか。結局バカになり切れない。どこかで真面目ぶって、中途半端な出来になるんだね。
 また、あのトラさんヤクザのチンピラがらみの展開もうざったい。あくまでも鈴欄高校の現役学生たちのスーパーマンぶりを観たいのだ。SFXやワイヤーを駆使して、1人で100人を一瞬にしてのしてしまう位の思い切りが欲しいな。
 もう大昔の作品となったが、江口洋介や織田裕二のデビュー作である『湘南暴走族』を期待したのだが、残念ながらまだまだ超えられないよね。

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2008年6月26日 (木)

西の魔女が死んだ

★★★★

 長野の山奥に住む外人のおばあちゃんと、神経過敏症で登校拒否を続ける孫娘の共同生活が始まった。最初チラシを見たとき、てっきり洋画なのだと勘違いしていたが、純然たる邦画なのである。
 優しく冷静で淡々としているが、大らかで芯が強く、1人山奥で時給自足の生活を続けるおばあちゃん。長野の大自然に、一面野イチゴの畑がとてもよく似合う。

          Scan10366_3

 TVもなければ、インターネットも新聞もないし、洗濯機さえない。毎朝にわとり小屋から卵をとり、裏山に咲き誇る野イチゴの実を摘む。そして手づくりのジャムを作る。また足で洗濯物を踏み洗い、草の上にシーツを広げて干す。
 おばあちゃんの祖母は、魔女だったという。そしておばあちゃんの妹は、外国で占い師をやっているらしい。ということは、孫の「まい」も魔女になれるかもしれない。
 「まい」は魔女になりたくて、魔女になるための修行をすることになる。だがその修行とは、早寝早起きをして家事の手伝いする、という日常的な営みを実践することなのだった。
 この映画は多少ファンタジー仕立てではあるが、決して荒唐無稽な話ではなく、老女と孫娘のシンミリとした愛情を現実的に描いたという趣きがある。
 中盤までは、何事もなく祖母と孫娘「まい」の淡々とした田舎の生活が続く。それはあたかも、癒された「まい」の心の中を語っているかのようだった。ところがある事件を境に、また「まい」の心は凍結してゆくのだ。
 そして終盤の残酷な別れ方に、観客はきっとなんともいえない後味の悪さ感じることだろう。車を見送るおばあちゃんの、いかにも淋しそうな表情がなんともいえない。
 子供はやはり母親が一番好きだし、いつの時代にも残酷で、簡単に心変わりしてしまうものなのだ。ここで「まい」を責めても仕方がない。実は僕も小学校に入るまでは「おばあちゃん子」だったので、その気持ちがよく理解出来るのである。

 僕の父方の祖母も、死ぬまで一人で生活していた。やはり芯が強く働き者で、孫たちも決して甘やかさず、えこひいきもせず厳しく躾けられた。それでいて、もの知りで粋でいなせな江戸っ子風情を漂わせていた。
 こんな祖母と数年間二人で暮していたが、小学校に入学する段になり、父母の元に戻された。このときは、祖母と一生一緒に暮すのだと泣き晴らした記憶がある。
 それで父母と暮してからも、毎週土曜日になると、一人で電車を乗り継いで、祖母の家へ泊りに行ったものだ。それを小学三年生位まで続けていたが、やがていつの間にか祖母の家には行かなくなり、時々祖母が訪ねてきても余り喋らなかったような気がする。

 その後、父が若死したこともあり、だんだん祖母とは疎遠になり、僕が20才になったときに、肺炎をこじらせてあっという間に他界してしまった。いつも、僕の結婚式に出てから死にたいと言っていたという。
 もっとたびたび逢いに行けばよかった。いくら悔いても、もうどうにもならない。父のときも、母のときも同じだが、肉親のありがたみは、いつも死んでから判るのだ。人の世はいつも皮肉なものなのであろうか。
 この映画を観て、そうした僕の過去の記憶が怒涛の如く黄泉がえり、どうしても涙がとまらなくなってしまった。美しい田舎の風景や食卓を飾る美味しそうなサンドイッチなど、とにかく全編を通して哀愁を感じずにはいられない。いつまでも心に残る素晴らしい映画だと思う。

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2008年6月21日 (土)

ボーン・アルティメイタム

★★★★

 本作を観た人達から、本作はこのシリーズ中最高の出来だという声が多かった。と言われても、僕は初回作はよく覚えていないし、2作目は全く観ていないので、比較のしようがないのだ。

ボーン・アルティメイタム DVD ボーン・アルティメイタム

販売元:ジェネオン エンタテインメント
発売日:2008/03/07
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 しかし、ことアクションに関しては、超一流の出来だと言い切っていいだろう。息もつかせぬスピード感、全編ハードアクションの塊りのような炎の映画である。
 ことに殺し屋を追いかけて、屋根やべランダを飛び回るリアルなアクションシーンには、しびれてしまった。ただダニエル・クレイグ主演で2006年に上映された、『007カジノロワイヤル』でのパルクールシーンとタブって見えたのは、決して僕だけではないだろう。
 それにしても、アクションシーンには文句のないところである。だが惜しいかな、ストーリー展開のほうは平凡であった。
 シリーズ完結編で、全ての謎が解き明かされるといううたい文句の割には、結末にもそれほどの驚きがない。また恋愛シーンもなく、心理描写もない。とにかくアクションオンリーなのである。
 まあこういう映画も悪くはないが、アクションだけでは、満点を付ける訳にはゆかないだろう。

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2008年6月15日 (日)

僕の彼女はサイボーグ

★★★★

 未来からやって来たサイボーグとへタレ男のラブストーリー。大人版の『どらえもん』といったところだろうか。
 だが決して馬鹿にしてはいけない。笑いあり、涙あり、ド派手なアクションとSFXあり、そして音楽も良い、まさに娯楽の殿堂、究極のエンタメ映画に仕上がっているのだ。

           Scan10338

 なんだ、なんだ!邦画でもここまで出来るじゃないか!と思わず唸ってしまった。また俳優も、SFXも、製作も日本人だが、監督だけが韓国人のクァク・ジェヨンという変り種の映画である。ということは、今まで優れたエンタメ邦画がなかったのは、全て監督のせいだという証明になるよね。
 『ゴジラ』、『デビルマン』、『あずみ』、『鉄人28号』、『少林少女』の監督たちは、この映画を観て大いに勉強してくれ給え。

 またこの映画の中で、主人公が故郷を訪れるシーンがあるが、これには思わず涙せずにはいられなかった。人は誰でも故郷があり、ノスタルジーを追い求める本能であろうか。
 知らぬ間に涙が溢れ出して、僕の心は熱くて熱くて堪らなかった。おばあちゃん、お母さん、そして故郷の町と、少年時代の友だちの姿が、僕の脳裏に津波の如く押し寄せてくる。だから、この過去のシーンだけは、全く別の映画を観ている感があったね。

 それにしてもサイボーグ役のはるかちゃんが可愛い!おじさんは、この映画を観るまで彼女の存在を知らなかった。女優というより、アイドル系という感もあるが、かなりアクションをこなせるようだね。
 近々上映される『女座頭市』が楽しみになってきた。きっと彼女は、この映画を手始めにして、大ブレイクするに違いない。いずれ、今のところ第二部で頓挫している『あずみ』も演じて欲しいなあ…。

 最後にタイムトラべルにつきものの、タイムパラドックスについて一言。はじめのうち、第1回目のタイムトラべルの意味が全く判らなかったが、終盤で見事に2回目との因果関係を解き明かしている。このあたりでも、僕の瞳は濡れっ放しだったよな。
 ところがラストシーンでの、3回目のタイムトラべルは、余計なお世話である。このあとの展開を、あえて描かないところは憎いが、もしハッピーなら未来への繋がりが消失する可能性が高いじゃないか!。そうすると現在の状況もなく、3回目のタイムトラべルもあり得ないことになる。
 それなら、はじめから無意味なラストシーンは不要だということになる。もしこのラストがなければ、満点を付けるつもりだっただけに、とても残念である。しかしそれにしても、素晴らしい映画であることには、変りがない。ホント、実はこんな邦画を一度観たかったんだよね!

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2008年6月 8日 (日)

アウェイ・フロム・ハー 君を想う

★★★☆

 年のせいか、もの忘れが酷い。アルツハイマーではないかと、夫の反対を押し切って、自らさっさと施設に入ってしまう妻。1ヵ月間の面会禁止期間が解かれたあと、夫は胸をときめかせて、妻に逢うために施設を訪れるのだが…。
 ところが、彼がそこで目にしたのは、施設内にいる重病患者に恋をしている妻の姿だった。しかも彼女の記憶からは、すでに夫に関することが全て消失していたのである。
 夫は、怒りと悲しみと苛立ちを胸に秘めながら、それでもいつかは自分のことを思い出してくれるだろうと、毎日妻のもとに通う。だが妻と男との恋は激しくなるばかりで、一向に夫のことを思い出す気配がない。

     Scan10364_2

 ところがある日、男が突然退所することになり、妻と男は泣きながら別れることになる。失意に明け暮れる妻は、なにもする気が起こらなくなり、病状は更に悪化してゆくのだった。たまりかねた夫は、妻が恋している男を施設に戻そうと、男の女房に逢いに行く…。

 初めのうちは、アルツハイマーに悩む夫婦のあり方を描いた、カナダ版『明日の記憶』なのかと思っていた。ところが終盤に近づくにつれ、この作品はヒューマンドラマではなく、ミステリーなのではないかという思いが強くなるのだ。
 そしていきなり、ラストのドンデン返しと皮肉な結末・・・やはり思った通りだった。ネタバレになるので、細かい解説はしないが、ミステリーというより、ある意味ホラーと言ってもよいだろう。
 男にとっては軽い気持ちの浮気も、女にとっては一生涯許せない重大な罪なのだ。世の男性諸君、身に覚えのある人は、くれぐれも用心するように!。
 それにしても、結果としてもて遊ばれた「あの夫妻」には、どう言い訳するんだろう…。この先の成行きも十分に怖いよね。

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2008年6月 7日 (土)

ルイスと未来泥棒 

★★★

 養護施設に捨てられた少年ルイスは、子供ながらに超発明狂で、マイペース人間。だがいつも、ロクでもないものしか発明出来ない。そのために、何度も養子縁組のチャンスを逃しているのだった。

 ある日、「忘れた記憶を呼び戻す」という奇跡的な発明をするのだが、タイムマシンで未来からやってきた山高帽の男に、その発明品を盗まれてしまう。それでルイスは、その泥棒を追いかけて未来へと跳んでゆくのだった。

ルイスと未来泥棒 DVD ルイスと未来泥棒

販売元:ウォルトディズニースタジオホームエンターテイメント
発売日:2008/04/23
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 結局のところ楽しくて良心的な映画だったのだが、中盤までの退屈感は一体何だったのだろうか。前半「お子様ランチ」で、後半「お刺身定食」に、メニュー変更したのが原因かもしれない。
 それにしても、あの大雑把でカクカクした絵も余り好きじゃない。DVDでの鑑賞なので、3D仕様を楽しめなかったことも、かなり影響しているかもしれない…。

 いきなり文句ばかり垂れてしまったが、決して悪い映画ではないので誤解のなきよう。テーマが僕の大好きなタイムトラベルものだったので、期待過剰になり過ぎたのだ。
 かなり『バック・トゥ・ザ・フューチャー2』を意識して作られているが、その結末においては異なっていたし、ディズニーらしい良い味を出していたと思う。
 ただ映画館での一回こっきりの鑑賞では、かなり判り辛いだろう。僕は幸いDVDだったので、何度か繰り返して観ているうちに、ストーリ一の全貌と製作者の狙いを理解することが出来た。

 とどのつまり、お子ちゃまには少し不向きかな。だからといって、大人にも諸手をあげて楽しめる作品とも言い難い。天下のディズニーにしては、珍しく中途半端なアニメを創ってしまったものである。

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2008年6月 1日 (日)

山のあなた 徳市の恋

★★★★

 清水宏監督が昭和13年に発表した『按摩と女』のリメイク版だという。オリジナル版はまだ観ていないが、本作を観ながらもなんとなく眼に浮かぶようであった。
 多分、カラーであることと、俳優の違いを除けば、脚本と演出やカメラワークは、オリジナルそのままなのであろう。ゆったりとした展開に、大自然に囲まれた山奥の温泉郷の佇い。それにしても新禄が眼に痛いほど美しい。カラーである利点を大いに生かし切っていることを考えると、オリジナルを超えているのかもしれない。観ているだけで、とても心が癒される映画である。 

           Scan10362

  徳市を演じた草彅剛は、按摩さんになり切っていた。また子役の「チェッ」と言う捨てゼリフも、昔のわんぱく小僧そのままである。
 だがなんと言っても、謎めいた女性を演じたマイコの色白の肌と、むらさき色の和服がとても印象的であった。彼女がいなければ、きっとこの映画への興味は半減したことだろう。
 山奥の温泉郷で知りあい、ほのかな恋心を寄せ合う男と女。そして按摩の徳市が女に抱くひたむきな恋…。
 そこには現代人のような激しい恋愛は介在しない。告白など全くない彼等の淡い恋は、やがて靄の中に消えてゆく。
 そう昔の恋とは、こんなものだった。年配の方なら、誰もがこうした甘酸っぱく、ほろ苦い想い出を持っているはずだ。そしてそうした想い出ほど、いつまでも心の中に美しいままで残っているものなのである。
 それにしても、まるで過去にタイムスリップしたような、いまどき珍しいほどノスタルジックな匂いのする映画であった。  

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2008年5月24日 (土)

少林少女

★☆

 一体この映画は、いくつの作品をパクっているのだろうか。燃えよドラゴン』、『マトリックス』、『少林サッカー』、『トム・ヤム・クン』、『ドラゴンボール』、『カンフーハッスル』ときりがない。
 まあどのみち荒唐無稽な映画だから、パクリであろうとパロディーであろうと一向にかまわない。だがそれは、もう少し上手に真似たらの話だ。
 とにかく、どうしてこんなに下手糞なんだろうか、不思議でたまらない。アニメのような安っぽいCG。スピード感の全くない、ど素人丸出しの格闘演技。

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 退屈なのは終盤近くまで、ほとんど少林寺挙法での戦いがないことだ。それに江口洋介が柴咲コウに、「お前は戦うな、俺がお前を守る」と言っておきながら、さんざん痛ぶられて結局何もしないとは…。
 そのうえ、柴咲コウが戦うことを決意すると、あっさりとそれを認めてしまう。おいおい偉そうな説教だけたれて、一体お前は何してんだよ。これじゃ殴られ損の恥かき小僧じゃないか。
 それにラストの戦いにも参加しないし、彼の出演自体に意味がないじゃないの。これじゃあ彼のファンでなくとも、消化不良でストレスが溜まっちゃうよな。
 また中村トオルが「これからは力ではなく美だ」と宣言しながら、力ばかりにこだわっている。一体何なのだ、この嘘つきばかりのオンパレードは。酷評ばかりで申し訳ないが、この際行きがけの駄賃にもう少し悪たれを続けよう。
 そもそもが、この作品は何をテイストにしたいのか、そしてストーリーの方向性も全く見えて来ない。描きたいのは、少林寺拳法なのかラクロスなのか…。
 またTVの学園スポコンドラマと、安っぽいヒーローものをゴチャ混ぜにしたようなバランスの悪さ。まるでごはんに牛乳とジャムをブッかけたような無神経ぶりに、飽きれてものも言えない。
 もちろんカンフー映画にシリアスな展開や現実感は不要である。だがそれにしては、中途半端で大人し過ぎるのだ。もっともっとオバカで奇想天外で、思いきりド派手な演出と展開が必要なのじゃい!。
 どうして邦画は、徹底的な超エンタメ作品が創れないのだろうか。デビルマン』しかり、鉄人28号』しかり、あずみ』しかりだ。
 ハリウッドに比べると、製作費不足だからだと言い訳をするなよ、香港映画だってちゃんと出来るんだぜ…。やはり日本人は、妙な真面目さを捨てきれないんだね。もっと大胆に、脳天気になりきらなくてはダメだな。

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2008年5月18日 (日)

最高の人生の見つけ方

★★★★

 どうもこの邦題がしっくりこない。原題通りの『死ぬまでにやりたい事のリスト』のほうがピッタリだと思うのだが…。
 地味で家族思いの自動車整備工カーターと、我がままで孤独な実業家エドワード。この二人は、ともにガンに侵され、余命6ヵ月と宣告される。
 まったく環境も性格も正反対の二人であるが、同室に入院している間に息投合して親友となる。カーター役にモーガン・フリーマン、エドワード役には、ジャック・ニコルソンと、これ以上ピッタリの適役はいないだろう。

     Saiko

 人は誰でも死ぬ。だがいつ死ぬか判らないのが人生だ。ところがこの二人は、既に余命6ヵ月であることを知らされている。
 普通はこれに悲観し、残された僅かな人生をベットの上で無為に過ごすだけであろう。ところがこの二人は、死期を知ったことをポジティブにとらえ、貴重な残り時間を有意義に暮そうと決意するのだ。
 それで二人は、『死ぬまでにやりたい事のリスト』を作成し、実行する。まずは、スカイダイビング、カーレースに挑戦し、チベット、アフリカ、中国などへ冒険の旅に出るのだった。
 しかし、思いつきでいろいろな経験をしてみても、なんとなく侘しさが拭えない。結局二人が辿りつくのは、身近な人々との愛に優るものはないという結論だった…。

 それほど目新しいテーマではないし、際立った発想の転換が練り込まれている訳ではない。だがこの映画が楽しく、かつ感動的だったのは、一にも二にもモーガン・フリーマンとジャック・ニコルソンの共演だったからに違いない。
 ことにモーガン・フリーマンが、実直で誠実で、家族のために人生を捧げてきた男を、まるで自分自身の如く演じていたのが印象的であった。またおじさん同士の友情、という珍しいパターンにも好感を持ったね。
 さて皆さんが余命6ヵ月と告示されたら、一体どんなことやりたいのかな? 僕はまだ一度も行っていない日本全国の有名温泉に行きたい。そしてスケッチブックとノートパソコン持参して、絵手紙を描き、自分史を完成させたいな。

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最高の人生の見つけ方

★★★★

 どうもこの邦題がしっくりこない。原題通りの『死ぬまでにやりたい事のリスト』のほうがピッタリだと思うのだが…。
 地味で家族思いの自動車整備工カーターと、我がままで孤独な実業家エドワード。この二人は、ともにガンに侵され、余命6ヵ月と宣告される。
 まったく環境も性格も正反対の二人であるが、同室に入院している間に息投合して親友となる。カーター役にモーガン・フリーマン、エドワード役には、ジャック・ニコルソンと、これ以上ピッタリの適役はいないだろう。

     Saiko

 人は誰でも死ぬ。だがいつ死ぬか判らないのが人生だ。ところがこの二人は、既に余命6ヵ月であることを知らされている。
 普通はこれに悲観し、残された僅かな人生をベットの上で無為に過ごすだけであろう。ところがこの二人は、死期を知ったことをポジティブにとらえ、貴重な残り時間を有意義に暮そうと決意するのだ。
 それで二人は、『死ぬまでにやりたい事のリスト』を作成し、実行する。まずは、スカイダイビング、カーレースに挑戦し、チベット、アフリカ、中国などへ冒険の旅に出るのだった。
 しかし、思いつきでいろいろな経験をしてみても、なんとなく侘しさが拭えない。結局二人が辿りつくのは、身近な人々との愛に優るものはないという結論だった…。

 それほど目新しいテーマではないし、際立った発想の転換が練り込まれている訳ではない。だがこの映画が楽しく、かつ感動的だったのは、一にも二にもモーガン・フリーマンとジャック・ニコルソンの共演だったからに違いない。
 ことにモーガン・フリーマンが、実直で誠実で、家族のために人生を捧げてきた男を、まるで自分自身の如く演じていたのが印象的であった。またおじさん同士の友情、という珍しいパターンにも好感を持ったね。
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2008年5月14日 (水)

紀元前1万年

★★★

 その昔、恐竜100万年』という映画を観たことがある。はじめ本作は、そのリメイク版なのかと勘違いしてしまった。ところがどちらか言えば、ストーリー構成はメル・ギブソンの『アポカリプト』のほうに似ているんだろうね。

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  あの時代に、なぜ英語を話す白人が存在するのかに始まり、あのラストの妙な復活まで、この映画の挙げ足とりを始めたらキリがない。
 しかし純粋な歴史映画ではなく、超エンタメ映画なのだから、いちいち時代考証や論理性などに、目クジラをたてる必要はなかろう。ただただ面白ければいいじゃないの。

 そんなふうに柔軟に頭の切り替えが出来ない人は、この映画は観ないほうが身のためである。
 それにしてもマンモスの暴走シーンは凄かったし、サーべルタイガーも迫力満点であった。ことCGに関しては文句のつけどころがないだろう。しかし、サーべルタイガーがもう少し登場してもよかったよな。
 神と呼ばれる男との対決のときに、サーべルタイガーを再登場させれば、よりカリスマチックで効果的だったと思うのだが…。あれだけのチョイ役では、ほんの顔見世興行じゃないの。こらっ金返せ!
 結局盛り上がりどころを欠いたまま、いつの間にやら終劇だもの…。まあ面白い映画には違いないが、どちらかと言えば「お子ちゃまランチ」だったのね。

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2008年5月10日 (土)

ボルベール  〈帰郷〉 

★★★★

 『トーク・トゥ・ハー』でその異色な才能を認められた、べドロ・アルモドバル監督の最新作。カンヌ映画祭で最優秀脚本賞と最優秀女優賞を併せて受賞している。

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 ペネロペ・クルス扮するライムンダは、10代のときに火事で両親を失い、 失業中の夫と15歳の一人娘パウラを養うため、毎日休む間もなく働いていた。ところがこの閑人の夫は、忙しいライムンダにセックスを拒まれ、義娘のパウラに手を出そうをする。

 だが驚いたパウラに、包丁で刺されて殺されてしまう。この突発的なトラブルに、ライムンダは夫の死体を隠して娘を守ろうとする。それにしてもライムンダはたくましい。夫の死体を隠した冷蔵庫のあるレストランで、翌日から大車輪で働き始めるのだ。さらにこのレストランは他人の所有物なのに、鍵を預かったライムンダは、さも自分の店のように勝手に使用してしまうのだ。

 あとでこの店の所有者からクレームの電話が届いても、「ごめんなさい、家賃は払いますよ」で済ましている。男顔負けのたいした度胸と行動力である。そしてそのあと、レンタカーを借り、近所の売春婦を無理矢理誘って、死体を捨てるため100キロ以上のドライブに放立つのだ。

 この恐ろしい程に逞しい生きざまは、とても日本人には理解出来ないだろう。やはりラテン系の激しい血と、貧しさの中から発散される生への執着なのだろうか。ペネロペ・クルスは、この逞しいおばさんを演じるため、腰にパットを装着してお尻を大きく見せたという。それでも彼女は美し過ぎるし、スタイルも抜群なのだから困ってしまう。

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著者:ペドロ・アルモドバル
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  その美しさに吸収されたのか、他の女性達の影がやや薄れてしまった。ライムンダの姉ソーレを演じたロラ・ドゥエニャスなんかも、なかなかいい味を出していたのだが、やはり圧倒的な美貌の差は如何ともし難い。

 さてストーリーのほうは、さらに二転・三転してゆく。実は死んだはずのライムンダの母が生きていたのである。そしてさらに母の生存には、ある重大な秘密が隠されていたのだった。

  常人には予測出来ない見事な結末に、思わず息を呑んでしまったが、ここではネタバレは避けておこう。とにかく大傑作には違いないので、DVDを観て自分で確かめて欲しい。

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2008年5月 5日 (月)

つぐない

★★★★

 原作はイギリスの作家イアン・マキューアンの最新作『贖罪 (Atonement)』だという。この原作は未読なので、映画との違いはよく判らないが、かなり練り込まれた奥の深い作品であることは想像できる。
 第二次大戦下のイギリス。まだ上流階級と下層階級の差別が残っていた時代である。よくある話だが、お嬢さまと掃除婦の息子ロビーとの禁じられた恋を描く。

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 このお嬢さまセシリアには、ぴったりカンカンのキーラ・ナイトレイ。また年の離れた妹ブライオニー役にシアーシャ・ローナン。
 宣伝用ポスターでは、断然キーラ・ナイトレイが主役という趣きだが、実は妹のブライオニーが真の主役であり、この告白調の物語を書いた張本人でもある。それにしてもこの少女の天才的な演技と存在感は抜群で、キーラ・ナイトレイは完全に喰われてしまったな。

 オープニングは、カシャカシャというタイプライターの音とともに始まる。これがなんとも格調高い雰囲気を醸し出す。そのタイプライターを打っているのが、想像力が豊富で文学に秀でているブライオニーなのである。
 このブライオニーが姉とロビーの恋に嫉妬し、虚偽証言によってロビーを無実の罪に陥れてしまう。タイトルの『つぐない』には、その反省と後悔の念が込められているのだろう。そしてそのちょっとした誤解と嫉妬のお陰で、ロビーは入隊し戦場に赴くことになってしまうのだ。
 そのために、医学を学ぼうとしていたロビーの運命は大きく翻弄され、セシリアともども怒涛の人生を辿ることになるのだった。そこに戦争というドラマも絡み合ってくる。なかなか重く辛いテーマであり、映画にするには時間が足りない感があった。

 犯した罪のつぐないは、ブライオニーが何10年間も悩み続けたということで拭われたのではないだろうか。僕達も子供の頃に何気なく犯している罪があるはずだ。彼女のように一生悔いに残るような罪ではないと思うが、いまになって時々それを思い出すとぞっとすることがあるよね。でも普段は忘れているのである。ブライオニーだけに非があるとは思えない。誤解を呼ぶようなロビーの態度にも問題がなかっただろうか。
 ラストの締め方は、なかなか難しかったようだ。真実をそのまま書けば余りにも救いようがないし、かといってハッピーエンドでは余りにも軽過ぎる。そこで考えぬいた結果、ああしたエンディングにせざるを得なかったのだろう。
 さすがゴールデングローブ賞・最優秀作品賞は伊達ではない。稀にみる秀逸な作品に仕上がっていることは間違いないのだが、僕はあのエンディングには少し馴染めなかったな・・・。

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2008年5月 4日 (日)

NEXT -ネクスト-

★★★☆

 2分先の世界が見透せる男が、テロの隠し持つ核弾頭を探し出し、アメリカ人、数百万人を救うために大奮闘するという荒唐無稽なお話である。まさしくアメリカンで大味で痛快な設定じゃあないの。

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 ニコラス・ケイジ扮するショボイ奇術師クリスが、実はこのスーパーヒーローなのだが、正体がバレないよう、なるべく派手な行動は謹んでいる。このあたりのくだりは、まさしくスーパーマンのクラークケントだよね。
 ところがなぜか、FBIとテロ一味には、彼が未来を覗ける超能力者だと判っているのだ。映画のテンポを早めるためだと思うが、これがなんとも腑に落ちない設定だよな。
 そんな訳で、結局スーパーヒーローとして超能力を十分に発揮するのは、終盤のほうに後回しとなる。それまでは、FBIとテロ一味につきまとわれての「鬼ごっこ」と落ちつかないのだ。
 ただ、レストランでリズという美女と知り合いになるために、超能力を何度も繰り出すくだりは『恋はデジャ・ブ』のようでとても楽しいよね。だがそのあとすぐにべットインはないだろうな。まあ、とても可愛い彼女だったから不問に付してもいいけどね…。
 ところで、ゴーストライダー』のときにも感じたけれど、もうそろそろニコラス・ケイジに派手なアクションは似合わなくなってしまったね。だって走っているときに、少しヨロヨロしていたじゃないの。ニコラス・ケイジファンのかた、ごめんなさいね。でも僕も彼のファンなのですよ。
 また、自分のことは2分先迄しか見えないのに、どうして彼女がかかわることは、ずっと先の未来まで見えるのだろうか。つまりそれが、「愛の力なのだよ」と言いたいのね。

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