カテゴリー「アニメ・コミック」の記事

2024年3月15日 (金)

隊務スリップ 全6巻

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★★★☆
著者:新田たつお

 あの108巻に亘る大長編マンガ『静かなるドン』の新田たつおが、2014年から2016年にビックコミック誌に連載した作品である。
 舞台は日本国憲法第9条が撤廃された近未来の日本が舞台なのだが、自衛隊は軍隊に昇格しあたかも昔の軍国主義が復活したように描かれているではないか。これは当時、安倍晋三が「憲法を改正して自衛隊を国防軍に」という発言をしたためだと言われている。

 それにしても新田たつおの作品は、シリアスなストーリーにギャグを織り交ぜ、主人公は一見弱々しく見えるが実はかなり強いというお決まりパターンなのだろうか。だがその奇妙な味わいが堪らないという読者も多いようだ。
 本書の主人公・青乃盾も、熱海の饅頭屋に勤務し、「人類最弱」とあだ名される虚弱体質の持ち主なのだが、何かの拍子に目覚めると神的な超能力を発動するのである。

 近未来、東京は核テロに見舞われてしまう。そしてそれをきっかけに、日本では再び軍が台頭する。日本国軍はアフリカに派兵したが、現地でテロ国家相手に苦戦を強いられていた。そんな中、精鋭の職業軍人の犠牲を避けたい軍の意向と、余剰人員を軍に押し付けたい財界の意向とが一致し、政府は密かに徴兵制の復活を企んでいた。

 主人公以外の主な登場人物は、悪知恵の塊のような饅頭屋の主人・五代目饅頭屋宗兵衛、頭脳明晰で切れ味抜群の龍騎玄一郎大佐、謎のテロリスト九条直道などだが、そのほか首相や米国大統領、政財界の黒幕たちなどが続々登場する。
 そしてだんだんスケールが大きくなるのだが、序盤の戦闘訓練所での話が一番面白かった。そしてあれよあれよという間に終盤に突入し、無理やり終わってしまうのだ。著者が息切れしたのか、あるいは不評で打ち切られたのかどちらかであろう。それほど余りにも端折り過ぎで、あっけない結末だったのである。
 それにして何が隊務(タイム)スリップなのだろうか、と思っていたのだがオーラスになってやっとその意味が分かった。

評:蔵研人

 

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2024年1月21日 (日)

すばらしきかな人生

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★★★★
原作:北原雅紀 作画:若狭星

 『素晴らしき哉、人生!』は1946年に製作された米国の名作映画であるが、本作はその名作映画のオマージュ版コミックといったところだろうか。
 もしもあの時に戻ることができたら、今の自分はこんな不幸にはならないはずだ……。と誰もが一度は考えたことがあるだろう。それを実現してくれるのが、バ-『ボレロ』のマスター・坂巻友郎である。
 ただしその代償は10年の寿命と引き換えだというのだ。仏のような顔付をしているマスターだが、果たして彼は天使か悪魔か死神なのだろうか……。

 本作はこのマスター・坂巻友郎が、藤子不二雄Aの『笑ゥせぇるすまん』のような狂言回しを務めるオムニバス方式を採用している。第一巻には『あの日に帰りたい』ほか9作が収められており全3巻の構成になっているのだ。全ての話がなかなか良くできているのだが、どうしても似たような話になり、オチが読めてしまうところが弱点かもしれないが、読み応え十分なことは間違いないので安心して欲しい。

 いずれにせよ、絵は綺麗だし、原作ものなので一つ一つの話は分かり易くしっかりしているし、全三巻という手ごろな構成なので誰にでも楽しめるだろう。ましてやタイムトラベルファンは必読かもしれないね。

評:蔵研人

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2024年1月 4日 (木)

時間島

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原作:椙元孝思 作画:松枝尚嗣

 本作の舞台になっている『時間島』と呼ばれる『矢郷島』は、三重県の無人島という設定になっている。なんだか本当に存在するのかとグーグルマップで調べたら、似たような形をしている『大築海島』が見つかった。
 ただしその大築海島は、昔からずっと無人島であり、かつての鉱山や廃墟などは全く存在しない。むしろ鉱山や集団ビルの廃墟なら、先ごろ世界遺産に登録された長崎県の『軍艦島』そのものであろう。まあ実在の島を舞台にはし難いので、島の形は『大築海島』で廃墟は『軍艦島』をモデルにしたのであろう。

 本作のオープニングは、この時間島にある地底湖に落ちると、一瞬にして5年間が跳び去り、戻ったときはまるで「浦島太郎現象」を引き起こすという話から始まる。それで断然ボルテージがアップするのだが、残念ながらこの地底湖に絡むのは、主人公の佐倉準がそこに公用のケータイを落としてしまうという絡みだけなのだ。
 その後落としたケータイから佐倉が持っている私用のケータイにメールが着信し、そのメールには謎のミイラ男からの動画が添付されていた。そして彼は5年後の未来からメールを発信しているのだと言い、まもなく大地震が起こり、全員が殺されてしまうと警告するのだった。

 タイムトラベル絡みと言えばこのあたりの展開だけで、あとは殺しの犯人探しとミイラ男の正体に興味が集中するのだが、いまひとつ殺人の理由が納得できない。さらにミイラ男の正体と最後のどんでん返しにも、それほど説得力がなかったのが残念である。決して駄作ではないのだが、ストーリー展開にもう少し味付けが欲しかったね。まあ一巻完結なのでやむを得ないのかもしれない。

 
評:蔵研人

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2023年11月23日 (木)

時の行者 全三巻

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作者:横山光輝

 戦国時代末期から江戸時代中期にかけて、10年ごとに変らない風貌で現れる謎の少年。この少年は未来からのタイムトラベラーで、その目的はなかなか明かされないのだが、ラスト間近になってやっと明確にされる。
 少年は高熱線銃やバリヤー発生装置を身に着けているため刀や鉄砲などが通じず、昔の人々にはまるで超能力を駆使する行者に見えてしまう。ただ反撃を行う際には、一時的にバリアーを解除しなくてはならないし、長時間バリアーを張っていると窒息するという弱点がある。そのため二度不覚を取ってしまい、捕まって拷問にかけられてしまう。

 主な登場人物は、織田信長、豊臣秀吉、石田三成、後藤又兵衛、徳川家康、本多正純、徳川忠長、天草四郎、由井正雪、堀田正信、徳川吉宗、天英院、徳川吉通、大岡越前、紀伊国屋文左衛門、徳川宗春、徳川家重など錚々たる歴史上の人物が多い。また関ヶ原の戦い、大坂の役、宇都宮釣り天井事件、島原の乱、生類憐みの令、享保の改革、天一坊事件、宝暦の一揆などなど歴史上の重大事件を扱っているので、歴史入門書としても役に立つかもしれない。
 ただタイムトラベルものとしては、タイムパラドックスも発生せず、タイムトラベル手法についても今一つはっきりしないため、時間系のSFとしては少々物足りなさを感じてしまうだろう。まあ忍者を未来人に置き換えた『伊賀の影丸』だと思って読めば、かなりのめり込めるかもしれないね。

評:蔵研人

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2021年7月12日 (月)

漂流教室

著者:楳図かずお

 大地震の発生により、突如小学校ごと、砂漠化して文明が荒廃した未来へ跳ばされた少年少女たちのサバイバルマンガである。
 砂漠化して水も植物も存在しない世界。そしてミイラ、巨大な虫、怪物化した新人類などが登場して、少年達に襲いかかる。さらには大雨と洪水、地割れなどの天災や疫病との遭遇と、苦難の連続で休む暇がない。

 だが何と言っても一番怖いのは、パニック状態に陥った人間であろう。まず大人と子供達との争いにはじまり、女番長の反乱、仲間同士の確執などなど、次から次へと全く手が付けられない。
 それにしても主人公であり、皆をまとめるリーダーになるのが、普段勉強の出来ない学校嫌いの少年・高松翔と言う設定が面白い。また身障者の女の子を通して、未来と現在の通信を行うという発想もユニークである。そして予想を裏切られたラストの大逆転は、実に切なくて感動的ではないか。

 本作は1972年から1974年に『週刊少年サンデー』で連載されたマンガであり、青少年向けであり、かつすでに50年近く経過しているため、やや陳腐化している感もあった。だがタイムスリップした少年達のサバイバル生活と、彼等は現代に戻れるのだろうか、という興味と疑問に惹かれて、きっと誰もが夢中で頁をめくってしまうはずである。

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2021年7月 2日 (金)

ルート225

原作:藤野 千夜 漫画:志村 貴子

 『ルート225』は、藤野千夜が芥川賞受賞後に書き下ろした長編小説であるが、その後多部未華子主演で映画化され、さらに志村貴子が描く漫画にもなっている。私は何れも読んだり観たりしているのだが、何と言ってもかなり昔のことで、ほとんどあらすじを忘れてしまった。
 覚えていたのは弟を探しに行った姉が、やっと公園で弟を見つけるのだが、なかなか家に帰ることが出来ない。…と言うような出だしの部分と、映画での多部ちゃんがまさにぴったしカンカンだったということだけであった。このたびたまたま本棚の隅っこでこの漫画版を見つけ、漫画ならすぐに読めるだろうと考え再読することにしたのだ。

 まずタイトル 『ルート225』の意味は、単純に数学の√225=15で、ヒロインの年齢ということになる。また同時に弟が見つかった公園に面した国道、つまりパラレルワールドの入口を指すのだろうか…。
 さて15歳と言えばまさに反抗期である。今まで仲の良かった友達になんとなくちぐはぐ感を覚えたり、ことに両親に対してはかなり煩わしい存在に思えてくる年令であろう。だからと言ってまだ生活力がないため、渋々親の言うことにも従っている。

 そんなヒロインの心理状況がパラレルワールドを産み出してしまったのだろうか。だがやはり異世界には馴染めず、弟と二人で必死に元の世界に戻ろうとする。またあんなに鬱陶しかった両親にも逢いたくなる。そしてそんなもう一つの自分の心にも気付いて行く。パラレルワールド自体については、なぜこの世界に迷い込んだのかとか、なぜ自分たちと両親だけが存在しないのかとか、いろいろ突っ込見所が多い。だが本作をSFではなく純文学として捉えれば、その辺りをあまり突っ込んでも意味がないだろう。ただラストがいまひとつ解り辛いので、もう一度小説を読んで確認してみたいと思う。

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2021年6月20日 (日)

アレックス・タイムトラベル

★★★
著者:清原なつの

 タイトルの『アレックス・タイムトラベル』シリーズは、長編の少ない著者が初めて挑んだ連作長編マンガであり、『真珠とり』と並ぶ著者の代表的なSFマンガ である。本書には次の5篇が収録されている。
 「未来より愛をこめて」、「秘密の園から」、「ロゼ」、「ローズガーデンの午後」、「思い出のトロピカル・パラダイス」。これらの主なテーマは管理社会からの脱出、青いバラの秘密、時間を超えた逃避行、避けられない核戦争、タイムパラドックスなどで、正統派SFマンガと言ってもよいだろう。

 そのほか短編として以下の4編も収められている。
「流水子さんに花束を」    驚異の記憶力を身につけてしまったら
「聖バレンタインの幽霊」   亡くなった彼氏と瓜二つの男が現れたら
「カメを待ちながら」       戦死した恋人を待ち続けていたら
「飛行少年モッ君の場合」  目覚めると背中に天使の翼が生えていたら

 どの作品も愛がテーマの少女漫画タッチなので、SFマンガとしては今一つ物足りない。まあ「SF初心者の女性向き」といった趣きであろうか・・・。
 
評:蔵研人

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2020年3月 6日 (金)

時の添乗員

★★★☆
作者:岡崎二郎

 一話完結型のショートストーリーなので、毎回登場するのは狂言回しを務める『時の添乗員』だけである。2000年から約1年間にわたりビッグコミック増刊号で掲載されている。その後コミックスとして発売されたのだが、「第1巻」の表記があるものの、なぜか第2巻以降は発売されていないのが残念である。

 内容はつぎの短編で構成されている。
第1話/あの日への旅立ち 初恋の人を訪ねて
第2話/消えた証拠     犯人の正体を捜して
第3話/交換日記      日記の隠し場所は
第4話/藤子像        裸婦像の真実は
第5話/結婚指輪      消えた指輪を探して
第6話/恩人         本当の恩人とは
第7話/赤富士の赤     父親の優しさとは
第8話/時を旅する者    時の添乗員の正体は

 どのお話も『時の添乗員』が300万円で、「行ってみたい、戻ってみたい過去」に、タイムマシンで連れて行ってくれるという展開なのだが、その全てが心温まる優しさに溢れている。時の添乗員はどこで「雇い人」と遭遇したのか。そして彼にタイムマシンを与えた「雇い人」とはいったい何者なのか。謎が解かれないままで終わっているのは、良いのか悪いのか・・・。

 全般的に柔らかいタッチの絵が、ストーリーの優しさに共鳴していて、ほんわりとした雰囲気を醸し出している。ただ登場人物のどの顔も同じような絵柄なのは、ちょっぴり残念かもしれない。また今更絶対に無理な注文だと思うが、第2巻以降の発売を期待したいものである。

評:蔵研人

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2018年11月25日 (日)

地球の放課後(全6巻)

著者:吉富昭仁

 奇妙なタイトルだが、なんとなくそそられるタイトルでもある。日常系終末ストーリーというジャンルだというのだが、タイムトラベルの要素も含んだSFマンガとも言えるだろう。
 突如『ファントム』と呼ばれる謎の生命体が現れて、人類のほとんどが消滅してしまう。ところが何故だか分からないまま、数学に長けた4人の少年少女だけが残される。

 従ってこの物語の登場人物は、この4人だけに絞られるということになる。そして彼等の日常生活を淡々と描いてゆく。そして退屈しのぎのように、たまにファントムが現れるだけといった流れである。
 だが回を重ねるごとに、過去の回想やタイムトラベルなどが絡んできて、少しずつ登場人物も増えてくる。そして新たなる謎を提供しながらも、かつての謎を解明するという手法を使って話を膨らませてゆくのである。

 残された4人とは、高校生の正史のほかは、やはり高校生の八重子、早苗と小学生の杏南というハーレム状態。と言っても、このマンガはある意味健康的であり、水着や入浴シーンは頻繁に描かれるものの、セックスシーンは皆無である。そのあたりの展開については、もの足りない人もいるかもしれないが、安心する人もいるだろう。

 著者の吉富昭仁は、挿絵画家としてデビューしている。従って清楚で丁寧で美しい筆力を感じるのだが、逆に言えば癖がなく特徴のない画風と言えるかもしれない。だから女の子の顔が皆同じように感じてしまうのであろうか。
 まあそこいらは好き嫌いの分かれるところかもしれないが、私自身は極端に個性化された画風よりはまだ見やすいので良しとしたい。著者の代表作は本作ではなく『EAT-MAN』、『RAY』などの横文字タイトルらしいのだが、私自身は本作以外は読んだことがないので、機会があったら他の作品も読んでみたいと思う。

 さて謎の生物ファントムは宇宙人なのか、はたまた妖怪なのか、なぜ4人だけは切り刻まれなかったのか。その疑問は第6巻で全て解明されるのだが、「コティヤール予想」とか「シュバルツシルト面」という理論は全く理解できなかった。もう少し丁寧な解説をして欲しかったかな・・・。

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2016年2月12日 (金)

ジパング

著者:かわぐちかいじ

 2002年に第26回講談社漫画賞一般部門を受賞した戦記マンガである。と言っても、単なる戦記物ではなく、自衛隊のイージス艦が隊員を乗せたまま、第二次世界大戦の真最中である1942年にタイムスリップしてしまうところから始まるのだ。
 レーダーやミサイルという現代兵器を搭載しているイージス艦にしてみれば、当時の米軍戦艦や戦闘機など物の数ではない。ところが自衛隊員たちには、自衛のため以外の戦闘はしてはいけなという戒律が沁み込んでいるため、積極的な攻撃は全く出来ないのであった。

 また自衛隊員に救助され、歴史のからくりを覗いてしまった帝国海軍の草加拓海少佐は、原爆による日本の敗戦を知ってしまう。だが彼は歴史をねじ曲げても大日本帝国を守り、新しいジパングを目指すことを決意する。そして米国より先に原爆を創り上げ、それを戦艦大和に乗せて米国軍へ向かうのであった。
 だがそれを阻止するのは米軍ではなく、未来から来た自衛隊員という皮肉。その結果として歴史は大きく捻じ曲げられることはなかったのだが、それと引き換えのように、たった一人の隊員だけを残し、全ての自衛隊員は死亡して、歴史から抹殺されることになってしまうのである。

 なかなか興味深いストーリーであり、歴史上の人物も数多く登場するので大いに勉強になるのも嬉しい。従って全43巻という大長編にも拘らず、あっという間に読破してしまった。
 だが何となく物足りない。自衛隊員が余りにも保守的過ぎて、ほとんど米軍を攻撃しないどころか、歴史を守るために逆に米軍を守るという結果になるのが歯がゆいのだ。

 どうせマンガなのだからと言っては失礼だが、この際歴史なんぞどうでもいいじゃないの。いずれにせよタイムスリップしたこと自体が荒唐無稽なのだから、米軍を完璧に叩き潰し日本軍を勝利に導いてくれたほうが溜飲が下がるというものだ。
 そして変貌してしまった未来、つまり歴史に存在しない『ジパング』の姿を紹介し、パラドックスで捻じりながら締めくくって欲しかった、という気分で一杯なのである。まあ43巻の大作なので仕方がないものの、ちょっと真面目過ぎたのか、或は気取り過ぎたのではないだろうか。

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