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2026年9月28日 (月)

Mr.ノボカイン

Mr

★★★☆
製作:2025年 米国 上映時間:110分 監督:ダン・バーク

 生まれつき痛みを感じない──先天性無痛無汗症(CIPA)を抱えるネイサン・ケインは、銀行の副支店長として静かに働くごく平凡でおとなしい男である。そんな彼が、部下のシェリーという女性に恋をした瞬間から、人生は思わぬ方向へ転がり始める。翌日、浮き立つ気分で出勤したネイサンを待っていたのは、サンタクロース姿の強盗団による突然の襲撃だった。

 なんと支店長は金庫を開けなかったため射殺され、シェリーは人質に取られてしまう。やむなくネイサンが金庫を開けると、強盗団は金とシェリーを奪って逃走。ネイサンは彼女を救うため、半ば衝動的に追跡を開始し、ドタバタの大奮闘が幕を開ける。

 強盗団は屈強な男たち三人組で、とてもじゃないが、ひ弱なネイサンが太刀打ちできる相手ではない。だが恋に突き動かされた彼は、警察の忠告すら聞き入れず、ただひたすらシェリーを取り戻すために突き進む。そして彼の唯一の武器は、“痛みを感じない身体”だった。
 もっとも、痛みを感じないからといって骨折しないわけでも、死なないわけでもない。そんな危うさを抱えたまま、彼がどう戦うのか──そこが本作の最大の見どころとなる。

 ネイサンを演じるのは、TVドラマ『ザ・ボーイズ』でヒューイ役を務め、一躍注目を浴びたジャック・クエイド。ひ弱で誠実、どこか憎めない男を実に自然に演じている。しかも彼の両親がデニス・クエイドとメグ・ライアンという事実には、思わず驚かされる。

 作品はアクションコメディーでありながら、確かなラブコメの温度も宿している。110分があっという間に過ぎ去る、ジェットコースターのような娯楽作であった。


評:蔵研人

 

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