グラディエーター
★★★★
製作:2000年 米国 上映時間:155分 監督:リドリー・スコット
さすがリドリー・スコット監督、久し振りにとんでもない迫力映像と、胸を打たれるスペクタクル作品に出会った。それもまだCG技術が完璧でなかった2000年に製作されているのだから驚きだ。
特筆すべきは、その映像の迫力である。古代コロッセオの全景や観客席の拡張、猛獣が襲いかかる場面などにはデジタル合成やCGが用いられているものの、本作の核はあくまで実写にある。重厚なセット、ロケーション撮影、エキストラやスタントの積み重ねが生む現実感は、公開から長い年月を経た今なお色褪せることがない。むしろ、その物質的な重量感こそが、現代の映像作品には稀有な説得力を与えていると言えるだろう。
主人公マキシマスを演じたラッセル・クロウもまた見事である。決して誇張された体躯に頼ることなく、内に秘めた激情と哀切を滲ませる演技によって、将軍としての威厳と一人の人間としての苦悩を体現した。その存在感は揺るぎなく、彼以外の配役は想像し難い。
近年、このような大規模な歴史スペクタクル、とりわけヨーロッパ的時代劇が減少していることは、いささか寂しい限りである。本作は、ベン・ハーや十戒、スパルタカスなどと並び、ハリウッド史における歴史大作の系譜に連なる一作として記憶されるべき完成度を備えている。事実、第73回アカデミー賞において作品賞を受賞したことも、その価値を裏付けていると言えよう。
評:蔵研人
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