八犬伝
★★★☆
製作:2024年 日本 上映時間:149分 監督:曽利文彦
役所広司が滝沢馬琴、内野聖陽が葛飾北斎を演じる“実話パート”と、『里見八犬伝』の八剣士たちが戦いを繰り広げる“虚構パート”を巧みに交錯させながら物語は進んでゆく。
通常、この種の作品では冒頭と終盤のみが実話パートという構成が多いが、本作はあえて両者を頻繁に往復させるという新たな試みに挑んでいる。その意欲は大いに評価したいものの、結果として双方がやや中途半端に感じられ、どちらかに焦点を絞ったほうが物語としての密度が増したのではないかと思われる。
また、実話パートに役所広司、内野聖陽、磯村勇斗、寺島しのぶ、黒木華といった実力派が集中したことも、全体のバランスを崩す一因となったのかもしれない。
とはいえ、息を呑むほどの映像美や、役所広司と内野聖陽による渋味のきいた掛け合いには確かな魅力があり、新たな趣向による『里見八犬伝』として一見の価値は十分にある。
なお、第48回日本アカデミー賞では、内野聖陽が最優秀助演男優賞、土屋太鳳が最優秀助演女優賞、板垣李光人が新人俳優賞にそれぞれノミネートされている。
評:蔵研人
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