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2026年6月 1日 (月)

The Tick /ティック 〜運命のスーパーヒーロー〜

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★★★☆
2017年製作の米国TVドラマ

 あまりにも暴力的かつエログロテスクな描写で話題をさらった『ザ・ボーイズ』の後味を和らげるべく、私はこのコミカルタッチのスーパーヒーロー・ドラマを手に取った。

 主人公は、青虫のような外見をした謎多きヒーロー、ティックと、ヘタレで神経質な青年アーサー。でこぼこコンビの掛け合いが物語を軽やかに牽引していく。

 1話約25分。シーズン1が12話、シーズン2が10話という構成は、長大化しがちな米国ドラマの中では実に手頃で、物語を追いやすい。シーズン1では、アーサーの父を死に追いやった宿敵テラーの再登場を軸に物語が展開する。
 続くシーズン2では、ロブスター女キュールズとその子供たちをめぐる騒動が描かれるが、物語は大きな余韻を残したまま幕を閉じてしまう。

 ティックとは何者なのか。スーパーマンもどきのヒーロー、スーペリアンのうつ病は癒えるのか。裏切り者ミス・リントの行く末は……。数々の謎と伏線は解かれぬまま宙吊りにされてしまった。

 本来はシーズン3へと続く構想があったものの、視聴率の低迷により打ち切りとなったという。米国ドラマ界では珍しい話ではないとはいえ、物語がようやく広がりを見せ始めた矢先の終幕は、やはり惜しまれてならない。

 荒唐無稽でありながらどこか人間臭い。過度な暴力や皮肉に頼らず、ユーモアと温かみでヒーロー像を描こうとした本作は、未完であるがゆえに、なおさら静かな余韻を残している。 

評:蔵研人

 

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