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2026年5月22日 (金)

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★★★
製作:2021年 スペイン 上映時間:94分 監督:ガルダー・ガステル=ウルティア

 舞台は、およそ三百階層にも及ぶ「垂直自主管理センター(通称 VSC)」と呼ばれる刑務所施設の内部のみで完結する。会話のある登場人物も十名に満たず、閉ざされた空間で物語が進行する点は、どこかスリラー映画『キューブ』を思わせる。

 本作の特徴は、各部屋の中央にぽっかりと開いた四角い穴である。そこを上下する台座には豪華な料理が所狭しと並べられ、囚人たちは台座が止まるわずかな時間にむさぼるように食事を奪い合う。
 残された食べ物は下層へと運ばれていくが、階層が下がるほど残飯は減り、最下層に至っては何ひとつ残らない。結果として、下層の囚人は生き延びるために同房者を殺し、その肉を口にせざるを得ないという、凄惨な展開が待ち受けている。

 上層ほど豊かで、下層ほど飢えるという構造から、本作がヒエラルキー社会への批判や、理想主義への皮肉を意図していることは推測できる。しかし、あまりにも多くの謎が放置され、ドラマ性も希薄なため、次第に緊張感が薄れてしまう。観客に残された期待は「謎の解明」だけだったが、その答えも提示されないまま物語は幕を閉じる。

 着想そのものは魅力的であるにもかかわらず、核心が明かされないことで作品の力が削がれてしまった印象だ。さらに、終始不潔さを強調する映像表現が続くため、観客を置き去りにするような不快感も残る。残念かつ惜しい作品と言えるだろう。

評:蔵研人

 

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