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2026年5月 6日 (水)

生成AIで世界はこう変わる

Ai

著者:今井翔太

 著者は東京大学大学院工学系研究科技術経営戦略学専攻・松尾研究室に所属し、1994年生まれ。人工知能分野、とりわけ強化学習の研究に従事している研究者であり、本書の執筆者としては専門的知見を備えた適任者といえるだろう。

 本書は、「生成AIとは何か」「生成AIを動かす技術」という基礎的解説から始まり、「生成AIの導入により消える仕事・残る仕事」「生成AIが創るコンテンツの価値」「生成AIと共に歩む未来」といった社会的・経済的論点へと議論を広げていく構成となっている。生成AIをめぐる技術的背景と応用可能性を、比較的平易な言葉で整理した入門書としての性格が強い。

 もっとも、本書は2024年1月の刊行であり、昨今の技術革新速度を思えば、部分的にかなり状況が変化している可能性も否めない。また、生成AIが社会にもたらす影響は、技術論にとどまらず、歴史的・人類学的・倫理的視座をも必要とする大きなテーマである。その広大な問題系を、一人の技術研究者の視点のみで描き切ることには、一定の限界も感じられた。

 とりわけ「消える仕事・残る仕事」や「生成AIと共に歩む未来」に関する議論については、もう一段踏み込み、現実社会の具体的事例との比較や、異なる立場からの見解との対話が示されていれば、より立体的な論考となったのではないかと惜しまれる。

 生成AIという奔流の只中にあって、本書はその現在地を示す一つの標識ではある。しかし読者としては、その標識の先に広がる地平まで、もう少し遠望してみたかった──そうした思いが、読後に静かに残った。


評:蔵研人

 

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