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2026年5月24日 (日)

スリザー

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★★★
製作:2006年 米国 上映時間:96分 監督:ジェームズ・ガン

 “スリザー(slither)”とは、湿った闇の底を這いずるように進む動作を指す。その語感は、本作に登場する茶褐色のナメクジ状クリーチャーの気味悪さを、すでに一語で言い当てている。
 『エイリアン』のチェストバスターを思わせる形状だが、ここではそれが孤独な一匹ではなく、無数の群れとなって押し寄せる。蠢く影が地を覆い尽くすさまは、まるで悪夢が現実へ侵食してくる瞬間を目撃しているかのようだ。

 この異形の生命体は宇宙の彼方から落下し、『寄生獣』のように人間の脳へと潜り込み、やがて醜悪な巨躯へと変貌する。その過程は、ドロドロ、ブクブク、ゲロゲロ、グチャグチャと、擬音語すら追いつかないほどの腐臭を帯びた変容劇である。
 エイリアンほどの不死性は持たないものの、圧倒的な数と、ただ存在するだけで人の本能を逆撫でする“生理的な嫌悪”が、観客の心をじわじわと侵食していく。変身前の姿はゾンビと大差なく、既視感の中に漂う不潔さが、なおさら不快感を増幅させる。

 B級グロ映画としての枠組みは確かに備えているが、その趣味の悪さは一線を越えている。物語の薄さはこの種の作品では織り込み済みとしても、クリーチャーの造形が不気味さと不潔さだけに依存し、しかもどこか古びた印象を拭えない点は惜しい。
 もしそこに一滴でも独自の美意識や造形的な詩情が注がれていたなら、この“気持ち悪さ”は単なる嫌悪を超え、異様な魅力へと昇華したかもしれない……。


評:蔵研人

 

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