ヘッド・オブ・ステイト
★★★☆
製作:2025年 米国 上映時間:116分 監督:イリヤ・ナイシュラー
犬猿の仲にある米国大統領と英国首相が、世界を揺るがす陰謀を阻止するため、互いの確執を捨てて手を結ぶ——本作は、そんな設定を軸にしたコメディタッチのアクション映画である。
NATOの会合に向かうため、二人が搭乗したエアーフォース・ワンが、正体不明の敵の襲撃を受けて墜落する。二人だけは、辛くも残された二つのパラシュートで脱出したものの、降り立ったのはロシア国境に近いベラルーシであった。
その後、執拗に襲いかかる刺客たちとの戦いを通じて、二人は次第に奇妙な連帯感を育んでいく。しかし、すでに機密文書は敵の手に落ち、NATOの結束は崩壊の危機に瀕していた。果たして彼らは無事に帰還し、迫りくる瓦解を食い止めることができるのだろうか。
物語の骨格は以上の通りで、まるで『ジョン・ウィック』シリーズを思わせるように、敵が次から次へと押し寄せる。スピード感とテンポの良さは評価できる一方、その執拗さと刺客たちの“ほとんど不死身”とも言える描写には、やや苛立ちを覚える場面もある。ただ、コメディ仕立てであるがゆえに、その過剰さもどこか許せてしまうのかもしれない。
元アクション俳優という設定の米国大統領は、明らかにアーノルド・シュワルツェネッガーを想起させる造形であり、それが本作をより愉快に味わえるスパイスとなっていることは否めない。
評:蔵研人
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