us アス
★★★☆
製作:2019年 米国 上映時間:116分 監督:ジョーダン・ピール
ある避暑地での出来事である。黒人の一家が夏休みを過ごすため別荘を訪れたところ、自分たちと瓜二つの謎の存在に襲われる。彼らは赤い衣服をまとい、手には大きなハサミを握っていた。
着想そのものは新鮮で、独自の世界観が立ち上がっている。しかし、恐怖そのものは意外と強くは感じられなかった。相手の顔がすぐに判別でき、人間側もそれなりに反撃できるためだろう。
加えて、夫の情けなさが目立ち、最終的に最も頼りになるのが母親という構図は、近年の米国ホラーの定番になりつつあるようだ。さらに、薄暗くて視認しづらい画面づくりもまたホラーの常套手段なのだろうが、「暗くしなくても怖さは創れるはずだ」と言いたくなる。
物語の細部における裏付けはやや希薄で、心理的な深掘りや派手なアクションも控えめである。では何が面白いのかと問われると、即答は難しい。惹かれたのは、得体の知れない四人の影が並び立つ、あのシルエットの不気味さまでだった。
それでも、赤い服の彼らは何者なのか、どこから現れ、何を目的としているのか──その問いだけが観る者を引っ張っていく。結局、その手がかりはオープニングの“ウサギ部屋”に潜んでいた。
そして、ラストのどんでん返しは確かに背筋を冷やす。結局のところ、この映画の肝はその二点に尽きるのかもしれない。
評:蔵研人
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