ゴジラ FINAL WARS
★★★
製作:2004年 日本 上映時間:125分 監督:北村龍平
ゴジラ映画の始まりは、1954年製作の『ゴジラ』である。すでに伝説と化した初代ゴジラだが、実は私が生まれて初めて観た映画でもあった。幼稚園児の頃、祖母に連れられて、当時まだ明大前駅前にあった「正栄館」で観たのだが、その衝撃はあまりに強烈で、七十年以上経った今でも、映像のほとんどが脳裏の底にこびりついている。
幼児だったこともあるが、それ以上に、それまで触れたことのない“高度な特撮”に翻弄されたのだろう。祖母から「中に人間が入っている」と聞かされたときも、私は何十人もの大人が肩車をして怪獣の中に入っているのだと本気で信じていた。
モノクロ映像が生む荒隠しの効果や、恐怖を煽る陰影も見事で、前半はゴジラ登場までの不穏な空気づくりに徹し、全身が姿を現すのは後半に入ってからという構成も巧みだった。さらに、当時問題となっていた米露の水爆実験への批判的メッセージが込められていた点も、単なる怪獣映画とは一線を画していた。
初代の大ヒットを受け、ゴジラ映画はシリーズ化され、2026年1月1日現在で30作が公開されている。アニメ版やハリウッド版を含めれば、実に38作に及ぶ。
ただし、初代を除けば、第29作『シン・ゴジラ』が登場するまで、長らく“ゲスト怪獣との対決”がシリーズの中心であった。そして、その怪獣対決路線の総決算が、本作・第28作『ゴジラ FINAL WARS』である。
上映時間は2時間を超え、登場怪獣もミニラ、モスラ成虫、アンギラス、ラドン、マンダ、エビラ、カマキラス、クモンガ、ヘドラ、ガイガン、キングシーサー、ジラ、モンスターX(のちのカイザーギドラ)と、まさに総進撃の大盤振る舞いだ。
しかし、ミニラやマンダ、エビラ、カマキラス、クモンガ、ヘドラ、ガイガン、キングシーサーといった、かつて子ども向けシリーズで登場した怪獣たちは、大人の鑑賞にはやや耐えがたい造形のままである点が惜しい。また、宇宙人や地球防衛軍、特殊部隊M機関の描写もスケールが小さく、『仮面ライダー』の一編を観ているような印象すら受けた。
この作品が“ゴジラシリーズ最終作”を名乗った時期の作品であることを思えば、もう少し大人の目にも耐えうる重厚さが欲しかった。
評:蔵研人
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