M3GAN ミーガン 2.0
★★★☆
製作:2025年 米国 上映時間:122分 監督:ジェラルド・ジョンストン
子どもを見守るAI人形の暴走を描いたサイコスリラー『M3GAN ミーガン』の続編で、監督は前作に続きジェラルド・ジョンストン。主役のジェマ役や姪のケイディ役など、主要キャストも再登場している。
しかし本作は、もはやサイコスリラーという枠に収まりきらない。ミーガンは敵ではなく、むしろ人類の味方として再登場する――その展開は、かつて『ターミネーター』が辿った道を思わせる。さらに続編のお約束ごとであるスケールアップも果たし、舞台は家庭という密室から、ついには世界規模へと拡大していく。だがその広がりは、前作の密度ある緊張感を薄めてしまった印象も否めない。
ミーガンの技術をもとに生み出された究極の殺人ロボット〈アメリア〉が暴走し、人類に牙を剥く。一方、前作で肉体を失ったミーガンは、ネットワークの深層に身を潜めていた。だがボディを持たぬ虚無に苛まれた彼女は、新たな身体を得る代わりにアメリア制止への協力をジェマに持ちかける——というのが物語の骨子である。
確かに、成長し知性と感情を兼ね備えたミーガンの姿には親しみが増し、アクションの迫力も前作を遥かに凌ぐ。しかし、続編としての宿命か、初作が放っていた予測不能の衝撃やスリラー的恐怖は薄れてしまった。観客の中には、その変化に戸惑いや失望を覚えた者も少なくなかっただろう。興行的にも芳しくなかったとの報もあり、日本での劇場公開も中止になったという。残念だが、今後シリーズの行方には一抹の寂しさが漂っている。
それでも、AIという“人ならぬもの”の進化と孤独を描こうとした本作の試みには、どこか切実な人間味が宿っている。スリラーからSFアクションへ——『M3GAN ミーガン 2.0』は、恐怖よりも哀しみを孕んだ、異色の続編と言えるだろう。
評:蔵研人
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