滅茶苦茶
著者:染井為人
まさにタイトル通り、滅茶苦茶な構成と展開が印象的な一作である。
物語の主人公は三人————マッチングアプリでロマンス詐欺に騙されるキャリアウーマンの今井美世子、不良と遊ぶようになる高校二年生の二宮礼央、そしてラブホテルの経営不振に悩む中年男・戸村茂一。それぞれがまったく接点のない生活を送っており、彼らの物語は平行に語られていく。つまり、三つの異なる視点によるパラレルストーリーの形式を取っているのだ。
ただし、三人には共通点がある。いずれも真面目な人物であるにもかかわらず、ある日を境に人生の歯車が狂い始め、もがきながら深みへと沈んでいく————。その過程はまるで、負けが込んだ博打に熱を上げて際限なく金を注ぎ込むかのようで、読んでいて次第に焦燥感が募ってくる。とはいえ、現実社会にもこのようにして身動きが取れなくなってしまう人々は少なくないのだろう。
まったく無関係に思えた三人のストーリーだったが、なんと終盤で突然交差するのだ。しかも、肝心な時に誰一人としてスマートフォンを所持していないという不自然さを抱えながら、物語はさらなる混沌へと突入する。やがて展開はドタバタ劇の様相を呈し、漫画さながらの追走劇が繰り広げられる。そして、読者の期待をあざ笑うかのように、結末は尻切れトンボのまま幕を引いてしまうのだ。
面白いことだけは保証するが、初めから終わりまで、まさに「滅茶苦茶」————それ以外にこの作品を形容する言葉は見つからない。
評:蔵研人
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