MIA ミア
★★☆
製作:2014年 英国 上映時間:108分 監督:ビッキー・ジューソン
オックスフォード大学に通う才媛ミアは、元軍人の父、穏やかな母、そして妹とともに、何気ない幸福に包まれた日々を過ごしていた。だがその平穏は、ある夜、突如として訪れた暴力によって無残に打ち砕かれる。家に押し入った3人の男たちによって両親が惨殺され、ミアは妹を連れて逃走するも、犯人に追われるなかで車にはねられ、意識を失ってしまう。
目を覚ました彼女がいたのは病院。そして、そこには英国の秘密情報機関MI6の影があった。やがて明かされる、母の隠された過去とミア自身の出自――それは、彼女の運命を根底から覆すものであった。復讐の炎を胸に灯したミアは、MI6の傭兵サイモンから戦闘訓練を受け、自ら囮となることを志願し、闇の世界へとその身を投じてゆく。
作品のキャッチコピーは大胆である。「私は戦うために生まれてきた。『ニキータ』『ソルト』『コロンビアーナ』『ハンナ』に次ぐ、復讐の美しき暗殺者、ここに誕生!」――しかし、そこに描かれるアクションの実態は、訓練を受けたエージェントのそれとは程遠く、演じるヒロインの動きには迫力も説得力も欠けている。
また、短期間の訓練だけで“暗殺者”として立ち回る設定にも無理があり、観る者の没入を許さない。物語そのものは一定の整合性を保ってはいるが、全体的にスケール感に乏しく、アクションも低予算を思わせる粗さが目立つ。演出も緊張感を伴わず、感情移入の糸を引くには至らなかった。
結果として、これは“復讐の美しき暗殺者”という売り文句が空回りした感のある一作。企画意図は理解できるが、表現力と実現力の乖離が目立ち、残念ながらB級作品の域を出ることはなかった。
評:蔵研人
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