大相撲の不思議
著者:内館牧子
本書は、単なる相撲入門書でも大相撲観戦記でもない。もっとユニークな蘊蓄系エッセイと言えばよいのだろうか。
著者は作家・脚本家であり、10年にわたって横綱審議委員を務めた内館牧子氏。いわば“超スー女”である彼女は、若い頃には床山を志して相撲協会に自らを売り込んだり、委員就任後には東北大学大学院に進学し、「神事としての相撲」を研究テーマに宗教学を専攻。その徹底した姿勢は、もはや“相撲研究家”と言って差し支えないレベルなのだ。
さらに、女性でありながら土俵の女人禁制を否定せず、あえて伝統を受け入れる姿勢からも、真の好角家であることがうかがえる。東北大学相撲部の“現役院生監督”という異色の肩書も、彼女の相撲への愛情と献身を象徴している。
本書では、土俵の生業などを通じて相撲がいかにして“神事”であるかを語るところから始まり、懸賞金や番付の格差、まわしや髷の起源、さらには相撲茶屋、四股名、手形、天皇賜盃の由来までを、平易な語り口でわかりやすく解説しているところが嬉しい。
また200頁ほどの手軽なボリュームに、大きめの文字と南伸坊による味わい深い挿絵が添えられ、読書の心地良さや満足感を高めてくれる。読んでいるうちに自然と、相撲の歴史やしきたり等についての知識が身につき、今後の観戦の視点や楽しみ方が確実に変わると感じることだろう。
そして何より嬉しいのは、このシリーズがすでに第三巻まで刊行されていること。相撲を深く知りたい人にも、ちょっと興味があるという人にもおすすめしたい一冊である。
評:蔵研人
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