« 2025年3月 | トップページ | 2025年5月 »

2025年4月の記事

2025年4月28日 (月)

ATOM

Atom

★★★☆
製作:2009年 香港、米国 上映時間:95分 ジャンル:アニメ

 原題は『Astro Boy』だが、まさしく米国版の鉄腕アトムであった。本作ではアトム誕生からロボットの人権(ロボット権?)が認められるまでを描いている。アトムの誕生は、原作通り天才天馬博士が息子のトビーを事故で亡くし、息子そっくりのロボットを創ることになる。そして人間ではないロボットに愛想をつかされて捨てられるという展開である。

 お馴染みの登場人物であるアトム・天馬博士・お茶の水博士・ヒゲオヤジなどの造形が、若干原作と異なっているものの、それも米国版として観ればさしたる違和感は湧かないはずである。また原作にはない天馬博士とアトムの和解シーンには、ジーンと込みあげるものもありなかなか出来の良いアニメだと感じた。さらに本作のアトムは、スーパーマンやアイアンマンの撮影手法を取り込んでいて迫力満点でカッコ良かったな。
 エンドロールでは中国人のクリエーターたちのネームがズラリと並ぶ、ハリウッド作品と言うより中国製のアニメだったんだね……。

評:蔵研人

 

下記のバナーをクリックしてもらえば嬉しいです(^^♪↓↓↓

人気blogランキングへ

人気ブログランキングへ

↓ブログ村もついでにクリックお願いします(^^♪

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ

| | | コメント (0)

2025年4月24日 (木)

マンガで読むタイムマシンの話

Photo_20250424145101

★★
画:秋鹿さくら

 過去に物理学者の都筑卓司がブルーバックスで著した『タイムマシンの話』をマンガ化したものである。そのご本家都筑卓司氏の『タイムマシンの話』はかなり昔に読んだことがあるのだが、かなり難解だったのでマンガ版なら分かり易いだろうと思って買ってみた。

 ところが残念ながら肝心のタイムトラベル理論の部分になると、マンガと言うよりは図説のオンパレードとなり、ご本家の原作本の図をそのまま転用しているだけに終始しているのだ。また余計なマンガストーリーが組み込まれているばかりか、ページ数もかなり省エネ化しているため、大幅に省略された内容に成り下がっていた。

 これでは逆に、ご本家の原作本のほうが分かり易いではないか。もっとも難しいものを易しく解説するということは、それなりに難しい作業であり、十分な知識を有している必要がある。それを銀杏社構成とされているものの、物理学素人の漫画家に委ねること自体に無理があったのかもしれないね。読者に易しく分かり易く説明するという使命より、マンガなら売れるだろうという安易な発想が残念であった。

評:蔵研人

 

下記のバナーをクリックしてもらえば嬉しいです(^^♪↓↓↓

人気blogランキングへ

人気ブログランキングへ

↓ブログ村もついでにクリックお願いします(^^♪

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ

| | | コメント (0)

2025年4月18日 (金)

決算!忠臣蔵

Photo_20250418144501

★★★☆
製作:2019年/日本/上映時間:125分/監督:中村義洋

 あの有名な『忠臣蔵』を、まさかの「経費」という切り口から描いた異色の時代劇コメディ。これまで何度も映像化されてきた忠臣蔵だが、本作はコメディの装いの中に、歴史や人間の本質に対する皮肉や風刺を織り交ぜた、非常にユニークなアプローチが印象的だった。
 最近の時代劇は「超高速!参勤交代」以降、シリアス路線よりもコミカルな演出が主流になりつつあり、殺陣シーンなども控えめな傾向にある。本作もその流れにある一作だが、事実に沿って描かれているし、単なるおふざけで終わらない仕掛けも随所に見られる。

 特に、討ち入りまでにかかった経費を現代の金額に換算してリアルタイムで表示する手法は斬新で、赤穂浪士たちの行動に現実味を持たせている。また、討ち入りの決断に至るプロセスも、忠義や正義に燃えるというより「金と体裁と面子」に振り回される姿が滑稽かつ人間的で、むしろ“あり得たかもしれない真実”を想像させるほどだった。
 とはいえ、終盤の盛り上がりにはやや物足りなさが残った。討ち入りそのものの描写やその後の処遇がばっさりと省略されているため、クライマックスの高揚感やカタルシスに欠けていたのは否めない。あくまで「収支決算」にこだわった構成ゆえとはいえ、忠臣蔵という素材の持つ「ドラマ」をもう少し引き出してもらいたかったね。

 またキャスト面では、ダブル主演の堤真一と岡村隆史が役どころにしっかりとハマっており安定感はあったものの、妻夫木聡や石原さとみなど豪華俳優陣の個性が活かしきれていなかったのは少々もったいない感があった。
 とはいえ、当時の金銭感覚や経済事情、そして武士の生活実態に目を向けさせてくれたという点では非常に興味深く、学びのある作品だったことは間違いない。さらに赤穂浪士=英雄という固定観念に一石を投じる、時代劇としての「新解釈」に拍手を送ってもいいだろう。


評:蔵研人

 

下記のバナーをクリックしてもらえば嬉しいです(^^♪↓↓↓

人気blogランキングへ

人気ブログランキングへ

↓ブログ村もついでにクリックお願いします(^^♪

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ

| | | コメント (0)

2025年4月 9日 (水)

メモリー・ラボへようこそ

Photo_20250409105401

著者:梶尾真治

 本書はタイトルの『メモリー・ラボへようこそ』と『おもいでが融ける前に』の二本立ての構成になっている。どちらの作品も平凡社の『月刊百科』という雑誌に2008年から2009年にかけて掲載されたもので、後者は前者の第二ストーリーであり、著者得意の甘く切ない恋愛ファンタジー作品である。
 
 『メモリー・ラボへようこそ』は、結婚もせず仕事一途に生きてきた主人公・和郎が、定年退職したあとになってそれまでの味気ない人生を振り返り、しょぼくれて屋台で飲んでいる。すると帰りがけに屋台の主人から、奇妙なチラシを手渡されるのだった。そこにはこう記載されていた「あなたの必要なおもいでが揃っています。メモリー・ラボへ」と……。

 そこではコピーした他人の記憶を人工的に移植する、という摩訶不思議な研究と提供が行われていたのだった。それにしても、なぜそんな重大な研究を、古ぼけた雑居ビルの一室で行い、1回8万円という微妙な金額で提供しているのだろうか、もしかすると詐欺なのではないだろうか。ファンタジーというより、『笑うセールスマン』的な漫画チックな展開である。

 他人の記憶を植え付けられた和郎は、その記憶に登場する女性が気になり始め、その記憶に振り回され続けることになる。いったいこの結末はどうなるのだろうか、またその記憶の彼女とは何者なのだろうか。そうこうしているうちに、終盤にアッと驚くどんでん返しが巻き起こり、100頁程度の本作はあっという間に終了してしまった。その締めくくりは実に見事なのだが、「もう少し引き延ばしてくれてもよいのになあ」と感じてしまうはずである。

 さて二作目の『おもいでが融ける前に』では、当然一作目のような驚きはないものの、ストーリー的には第一作を凌ぐ面白さがあった。こちらは笙子という女性が主人公であり、母親が教えてくれない謎の父親を捜すというお話で、ラストに連発するどんでん返しが用意されている。
 いずれにせよ二作とも、いつもながらカジシンさんオリジナルの甘く切ないラブファンタジー仕立てでとても読みやすかったね。

評:蔵研人

 

下記のバナーをクリックしてもらえば嬉しいです(^^♪↓↓↓

人気blogランキングへ

人気ブログランキングへ

↓ブログ村もついでにクリックお願いします(^^♪

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ

| | | コメント (0)

2025年4月 4日 (金)

CUBE 一度入ったら、最後

Cube

★★★☆
製作:2021年 日本 上映時間:108分 監督:清水康彦

 目を覚ますと、そこは立方体の箱のような部屋だった。部屋の中には前後左右に一つづつ扉がついている。その扉の向こうは何もない部屋とトラップの仕掛けられている部屋がある。うっかりトラップ部屋に入ってしまうと、炎・レーザー・刃物・弓矢・毒ガスなどの集中砲火を浴びて生きては戻れない。
 オープニングで体に四角い穴を開けられ死亡した最初の男を演じた柄本時生を除くと、菅田将暉・杏・岡田将生・田代輝・斎藤工・吉田鋼太郎の6人が主な登場人物である。多少の回想シーンはあるものの、舞台もほぼキューブの中だけなので、この6人だけの舞台劇のような映画なのだ。

 すでにタイトルで気付いていると思うが、ここまで話せば1997年に製作されたカナダ映画『CUBE』のパクリじゃないのと勘づくだろう。だがパクリではなく、『CUBE』のヴィンチェンゾ・ナタリ監督が協力をした公認リメイク作品なのである。
 またオリジナルと共通しているのは、閉じ込められた男女が6人。それぞれが面識もなければ職業、年齢、性別など何の繋がりもない。ただ目を覚ますとその部屋にいた。そして部屋には死と隣り合わせの危険なトラップが仕掛けられており、簡単に外へは出られない状況。とそれだけが共通点であり、その他の展開やラストシーンは全く別物なのでオリジナルを観ていても全く気にならないだろう。

 この謎の立方体から逃れるヒントは、部屋を繋ぐ扉に刻まれた暗号のような数字なのだが、数学に弱い私にはチンプンカンプンであった。こうしたパニックものの定石通り、仲間割れが始まったり、トラップの犠牲になったりで、少しづつ仲間が死んでゆく。
 主役は理系のエンジニアで前述した暗号を解いて行く菅田将暉なのだが、ヒロインであるはずの杏の存在感がかなり希薄であった。ただこの疑問はラストシーンで理解できるのだが、登場キャラの人間模様が希薄で、閉じ込められた理由やキューブに関する謎も不明のままエンディングとなってしまう。そこそこ面白い割には、かなり評価が低い理由は、たぶんそのあたりにあったのかもしれないね。


評:蔵研人

 

下記のバナーをクリックしてもらえば嬉しいです(^^♪↓↓↓

人気blogランキングへ

人気ブログランキングへ

↓ブログ村もついでにクリックお願いします(^^♪

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ

| | | コメント (0)

« 2025年3月 | トップページ | 2025年5月 »