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2025年2月の記事

2025年2月27日 (木)

アクアマン

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★★★☆
製作:2018年 米国 上映時間:143分 監督:ジェームズ・ワン

 本作はDCコミックのヒーロー・アクアマンの誕生秘話を描いたアクション大作だ。またアクアマンとは、海底人たちの王女と人間の父の間に生まれたアーサー・カリーというハーフの超人である。そしてあらゆる艱難辛苦を乗り越えて、ハーフながらも海底の王になるまでの話が詰め込まれている。

 実写と言いながらも、ほとんどが海底の世界での物語なので、CGのオンパレードと言っても良いだろう。CGそのものは決して悪くはないのだが、余りにもゴチャゴチャと賑々しいところが難点かもしれない。あと海賊の黒人が強過ぎるのと、ラストにまた登場するなど、しつこ過ぎるのが鼻についてしまったな。こいつは今後、スーパーマンに対するレックス・ルーサーの役割になるのだろうか。余り趣味じゃないので、できればご遠慮願いたいのだが……。
 
 アクアマンの強さについては、本作ではほぼ超人扱いだったが、『ジャスティス・リーグ』を見た限りでは、スーパーマンには全く相手にされなかったね。だから彼の強さ度については、スーパーマン>ワンダーウーマン>アクアマンといったところではなかろうか。まあ全般的にはテンポが良く、久々にニコール・キッドマンも観たし、面白いシーンがてんこ盛りだったので満足している。

評:蔵研人

 

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2025年2月24日 (月)

クスノキの番人

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★★★★☆
著者:東野圭吾

 奇妙なタイトルだが、ある意味そのものズバリのタイトルなのだ。つまり主人公直井玲斗がまかされた仕事が、柳澤家に代々伝わる大クスノキの番人だったたのである。
 このクスノキは柳澤家が保有する月郷神社の奥に太古から鎮座しており、どんな願い事でも叶うというパワースポットとして地元では人気があるらしい。ただそれは表向きのご利益であり、実はこのクスノキにはとほうもなく摩訶不思議な能力があったのである。
 その能力を十分に発揮できるのは、満月と新月の夜中であり、クスノキの内側にある洞窟の中で蠟燭を炊きながら念じるという、なんとなく「丑の時参り」のようなイメージがわいてくるではないか。前半ではそこで何を念じているのか、そしてその効能などについては一切知らされない。それが中盤以降になって少しずつ分かってくるのでそれまでは辛抱してほしい。

 本作を一言でまとめれば、「クスノキの中で何を念じているのか、そしてその効能はいったい何なのか」といった謎解き風の妙味がブレンドされた心が熱くなる新感覚のファンタジーといったところであろうか。
 また柳澤家の当主である柳澤千舟と直井玲斗は、伯母と甥の関係であるが、玲斗が生まれた時と15年前の小学生時代の二度しか会っていない。もちろん玲斗は千舟のことなど覚えているはずもない。ではなぜいまさら二人がめぐり逢い、玲斗に大切なクスノキの番人役を任せたのであろうか。それはかなり複雑なので、ここで記すのはやめておこう。

 千舟はかつて大手不動産企業の柳澤グループの中心として活躍していたが、現在は年老いて第一線から身を引き、ヤナッツ・クコーポレーション顧問として鎮座している。だがその肩書も従弟たちに剥奪されようとしていたのである。それでも彼女はいつも凛とした佇まいを崩さず、玲斗に厳しく接するのであった。
 本作の内容はこのヤナッツ・クコーポレーションと千舟との関わり合い、クスノキに祈念する工務店主・佐治寿明とその家族の話、同じく祈念する和菓子メーカーの跡取り息子・大場壮貴と父親との話などが中心となっている。

 もちろん玲斗の出自や、彼がクスノキの番人になって少しずつ成長してゆく過程も見どころなのだが、なんといってもクスノキに預けられた「千舟の本心」には誰もが感動してしまうことだろう。もしかすると、本当の主人公は玲斗が番人になる前にクスノキの番人であった千舟だったのかもしれない。
それにしても実に後味の良い小説であり、どの話も見事な着地で収まっている。さすが東野圭吾、と言うより老いて益々進化しているではないか。これからもクスノキシリーズが創れそうだなと思ったら、なんとすでに『クスノキの女神』という続編が出版されているではないか。いずれドラマ化や映画化も間違いないであろう。

評:蔵研人

 

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2025年2月20日 (木)

エイリアン インフィニティ

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★★
製作:2006年 米国 上映時間:89分 監督:ドリュ-・マックスウェル

 異次元から出現したエイリアンと特殊部隊との闘いを描いたSFアクション作品。敵は魔術師ストランドと彼が操るエイリアン集団である。しかし、エイリアンたちに銃は効かない。そんな不死身のエイリアンたちを倒すにはストランドが持つ魔術書が必要だった。

 エイリアンの造形はそこそこ見れるのだが、CGであることが見え見えで人との合成映像はほとんどない。舞台は古ぼけた校舎だけで、キャストも少人数でストーリーは殆どない状態。とにかくC級レベルの低予算な映画である。

  観るだけ時間の無駄であることがすぐに分かり、何度も途中で止めようかと思ったが、結局「エイリアン」というタイトルだけに引きずられて最後まで観てしまった。いつもながら「エイリアンオタク」な自分が情けないぜ、トホホホホ……。

評:蔵研人

 

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2025年2月16日 (日)

川のほとりに立つ者は

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著者:寺地はるな

 本作は2023年の本屋大賞にノミネートさた中編小説である。著者は1977年佐賀県の出身で、代表作には本作のほか『水を縫う』、『今日のハチミツ、あしたの私』、『大人は泣かないと思っていた』、『夜が暗いとはかぎらない』などがある。

 カフェ『クロシェット』で女性店長を務めている29歳の原田清瀬が主人公である。店の従業員にはトラブルメーカーの品川さんという年上の女性や青木君という大学生のアルバイトたちがいて、店長の仕事は彼等を管理しながら通常の仕事もこなし、かつ何か問題があった場合には、自ら対処しなくてはならない。だからと言って給料が多い訳でもなく、かなり辛くて割に合わない仕事だと感じている。

 そんなある日、恋人の松木圭太が親友の岩井樹と歩道橋上で喧嘩をした挙句、階段から転げ落ちて大怪我を負い、意識が戻らないままなのだと病院から連絡を受ける。物語はここから本格的に始まるのだが、当事者は二人とも意識不明のままなので、なぜ親友同士が殴り合いなどしたのかは、不明のまま物語は過去の二人の関係を解説してゆく。ただここの部分が多少くどくて退屈感を誘われてしまった。ただ岩井樹こと「いっちゃん」が、多少頭は弱いがいかに好人物で、松木が尊敬しているのかがよく分かったことだけは間違いない。

 主な登場人物は、原田清瀬、清瀬の親友篠ちゃん、品川さん、松木圭太、岩井樹、樹の恋人菅井天音の6人である。ただ話の中心は樹と天音の奇妙な関係で紡がれており、清瀬のラブストーリーという訳ではない。そして多分テーマは「心のすれ違い」とは何かということなのだろう。そこには、見え難い障害、不運な家庭環境など切実な感情の交錯が染み込んでいるかのようである。
 なんとなく他人と関わることの難しさを、改めて考えさせられる作品かもしれない。ただ岩井樹の「異常とも思える人の好さ」は、余りにも切な過ぎるし、かつ現実離れ感が拭えない。またラストはハッピーエンドでホッとしたものの、あっさりし過ぎた締めくくりに物足りなさを感じたのは決して私だけではないはずである。

評:蔵研人

 

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2025年2月11日 (火)

キャラクター

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★★★★
製作:2021年 日本 上映時間:125分 監督:永井聡

 お人好しな漫画家・山城圭吾は、サスペンスマンガが好きで抜群の筆力を持っているのだが、悪人キャラを描くことができない。それでなかなか独立できず、著名漫画家のアシスタント生活が続いていた。
 そんなある日、偶然4人家族殺人事件の現場で犯人の顔を目撃してしまう。その後、そのときの犯人の顔をそのまま描いたサスペンスマンガ『34』が大ヒットし、一躍超人気漫画家に躍り出てしまうのだった。そんな中で、奇妙にも山城が描く『34』を模倣した殺人事件が次々と巻き起こるのだ。

 とにかく家族惨殺シーンは、反吐が出るほど気持ちが悪いので、子供には観せられない要注意作品である。主人公の山城には菅田将暉、狂気の殺人鬼には「SEKAI NO OWARI」のボーカルFukaseが扮している。それにしてもFukaseは本作が俳優デビューとは思えないほどの存在感がほとばしっていた。また刑事役の小栗旬の芸達者ぶりと、親近感は半端じゃなかったのに、終盤には実に残念な展開となってしまったよね。
 
 ボサーッとした菅田将暉の演技もなかなかであったが、この山城という男は本当にお人好しなのだろうか。そもそも犯人を目撃したことを隠していたのもおかしいが、誤逮捕の際も黙認していたのは解せない。さらに自分の家族を犠牲にするという危険極まりない行動にもついて行けない感があった。
 またラストシーンも意味深長で、何かが起こりそうなままのエンディングが中途半端ではないか。ましてや共犯者が未だ逮捕されていないし、エンドロールの最後に刃物が鳴るような「シャリン」という音が二回鳴ったのも気になってしょうがないね。いずれにせよ、余り後味の良くない映画であることは間違いないだろう。


評:蔵研人

 

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2025年2月 6日 (木)

白鳥とコウモリ

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★★★☆
著者:東野圭吾

 変わったタイトルタイトルだが、光と影や昼と夜と同じ意味で、正反対の立場を指す明確な比喩である。具体的には被害者家族と加害者家族である白石美令と倉木和真のことを暗示している。そしてその正反対の立場である二人が、なんと協力して真犯人を探し出すという稀な展開に興味をそそられてしまうのである。

 本作のテーマのひとつは加害者家族の苦しみではあるが、文脈の端々まで真実よりも裁判を有利に進めること以外は、全く無関心な検事や弁護士に対する嫌味と皮肉で塗り潰されているようだ。まあそんなものかな、と思いながらも知らず知らずに腹を立てている自分に気が付き、白鳥とコウモリが一緒に空を飛んでも納得してしまうのかもしれない。

 500頁を超える長編ではあるが、真犯人は誰かということよりも、なぜ罪を被る必要があったのかという謎のほうが知りたくなってしまう。それで後半はあっという間に読破してしまったが、ラストは余りにもあっけないし、真犯人の動機にもかなり無理がある気がしたのは私だけではないだろう。それにしてもドラマ向きの展開が多いので、いずれ映画化されるかもしれないね。

評:蔵研人

 

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2025年2月 2日 (日)

キングスマン ファースト・エージェント

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★★★★
製作:2021年 米国 上映時間:131分 監督:マシュー・ボーン

 キングスマンとは、高級老舗テーラーのことなのだが、実はそれは表向きの顔であって、その正体はどこの国にも属さない最強のスパイ組織であった。原作はマーベルのコミックであるが、実写映画化され既にシリーズ4作が上映されている。
 本作はシリーズ3作目にあたるが、先に上映された『キングスマン』(2014年)、『キングスマン:ゴールデン・サークル』(2017年)の前日譚で、第一次世界大戦前夜の時代を舞台に、英国ロンドン・サヴィル・ロウの高級テーラーに本部を置く独立スパイ機関「キングスマン」の誕生の秘話を描いている。

 キングスマンといえば軽快なタッチで描かれたエンタメアクション映画であるが、本作は舞台が第一次大戦下ということもあり、歴史的背景を踏まえた戦争シーンが多く、真面目で重い雰囲気を漂わせていた。だが悪人たちは個性派ぞろいで、マンガチックでドキドキハラハラアクションを十分に堪能させてくれた。
 またキングスマン陣営では、全く弱点のないメイドのポリーが、一番カッコ良かったと感じたのは果たして私だけであろうか。それにしても、「戦争ほど無意味でバカバカしい行為はないよね」と、改めて感じさせてくれた作品であった。

 
評:蔵研人

 

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