FALL フォール
★★★☆
製作:2022年 米国 上映時間:107分 監督:スコット・マン
なんと地上600メートルの超高層鉄塔のてっぺんに取り残された二人の女性の運命を描いたサバイバルスリラーである。岸壁をクライミング中に墜落した夫の影から逃れられずに悲しみに暮れているベッキー。彼女を慰めるために、現在は使用されていない古い鉄塔を制覇しようと提案する親友のハンター。
二人は老朽化して不安定な鉄塔を必死で登りきるのだが、さび付いていた梯子の螺子が外れ、突然老朽化した梯子全体が崩れ落ちてしまう。さあ誰もいない荒野に建つ古い鉄塔の先端に取り残された二人は、これから一体どうなるのであろうか……。とにかくギシギシと壊れそうな梯子を登っているときからハラハラドキドと体によくないのだ。そしてまさに手に汗握るの通り、私の手のひらは脂汗でベトベトになってしまった。
登場人物は殆ど二人で、舞台も鉄塔の上だけである。まさに限られた空間だけで展開される「ソリッドシチュエーション映画」そのものではないか。それにしてもあの鉄塔でのシーンは、どのようにして撮影されたのだろうか。まさか本当に登れるわけはないので、CGやら特撮やらを巧く繋げて編集したのだと思うが、かなり精密に創りあげたものだと感心してしまった。
まさに本作はこの臨場感溢れる特撮が織りなす、ハラハラドキドキな緊張感と、いったい二人はこれからどうなってしまうのか、だけに限定した映画と言っても良いだろう。だからかなり不条理な描写が目立つものの、そのあたりは優しく許容してあげよう。ただ高所恐怖症の方は絶対に観ないほうが身のためである。
さてベッキーの父親役をしていた俳優だが、どこかで見たことがあるのになかなか思い出せない。あとでよく調べてみたら、何とあの長編TVドラマ『ウォーキングデッド』のニーガンではないか!
評:蔵研人
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