ザリガニの鳴くところ
★★★★
製作:2022年 米国 上映時間:125分 監督:オリビア・ニューマン
本作は全世界で1500万部を売り上げたディーリア・オーエンズの大ベストセラー小説を映画化したものである。また奇妙なタイトルは、そもそもザリガニが鳴く訳はないのだが、自然の声に耳を傾ければ聞こえてくるような深い場所を指すメタファーとして使われている。またヒロイン・カイアが住んでいる湿地の周辺は、彼女の恋人の父親がザリガニ漁をしているところでもある。
ただ映画評論家たちの間では、「原作小説を再構成して、雰囲気に不自然なところがないドラマを作り上げることができなかった」とかなり厳しい評価が下されたのだが、興行収入的には予想を大きく上回り、公開初週末に1725万ドルを稼ぎ出し、全米週末興行収入ランキング初登場3位となったというから大したものである。
ノースカロライナ州の湿地帯で、将来有望な金持ちの青年が変死体となって発見される。そして検察側が逮捕したのは、なんと「ザリガニが鳴く」と言われる湿地帯で育った無垢で純真な少女カイアだった。彼女は6歳の時に両親に捨てられて以来、学校へも通わずに湿地の自然から生きる術を学び、たった1人で生き抜いてきたのだが、土地の人々からは狼少女とか湿地の娘と疎まれていたのである。だがそんなカイアにも黒人の雑貨屋夫婦や老いた弁護士、そしてザリガニ漁師の父を持つ心優しい青年との出会いもあった。
とにかく大自然の超美麗な映像には度肝を抜かれてしまうだろう。さらに時間を遡って語られるカイアの純な心とその悲しい運命にも惹き込まれてしまうのだ。
不利な状況証拠を突き付けられて検察に責められ続けるカイアだが、果たして彼女は本当に人を殺したのだろうか。それともほかに真犯人がいるのだろうか。あるいは転落による事故死だったのだろうか。だんだんストーリーは核心に迫って行く、そして判決が言い渡されるのだか……。さらにラストには皮肉などんでん返しが待っていた。
それにしても、なぜ米国の映画評論家たちの評価が良くなかったのだろうか。原作を読んでいないほうがよいのだろうか。いずれにせよ、本作のように多重構造を持った作品も珍しい。あるときは湿地で孤独に暮らす逞しい少女のサバイバルものであり、またあるときは事故死か他殺かを巡る法廷ものでもあり、またまたあるときは父親のDVや田舎の人々の偏見を描いたヒューマンものでもあり、さらにまたあるときは少年と少女のラブストーリーとも言えるからである。
評:蔵研人
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