PLAN 75
★★★☆
製作:2022年 日本 上映時間:112分 監督:早川千絵
75歳以上なら安楽死を選択できる制度が施行された2025年の日本を舞台に、その制度に翻弄される人々を描いた作品であり、我が国ではタブー視されているテーマに挑んだ意欲作とも言えるかもしれない。ただいまひとつ「安楽死」の深みには嵌りきれず、ラストも中途半端なまま終わってしまったのは残念だったが、他人事とは思えず身につまされる話でもあった。
主人公は一人静かに暮らす78歳の老女・角谷ミチで、ホテルの客室清掃員として働いている。そこには同様に働く高齢者が4人いて、仲良く付き合っていたのだが、ある日同僚の一人が業務中に突然倒れて病院へ運ばれる。それに危機感を抱いたホテル側は、その事件を機に4人の老女を解雇してしまうのだった。
解雇されてみると、別の勤務先が見つからず、住居まで立ち退きになったミチは途方に暮れて、安楽死制度であるPLAN 75を申請することになる。
物静かで寂しい老女・角谷ミチを演じたのは、彼女しかいないと言ってもいいほど適役の倍賞千恵子。それにしても彼女はいつももの悲しく寂しそうなのだろうか。さらに現在82歳で撮影時は80歳だった彼女は、すでに皺だらけの本当のおばあちゃんになってしまった。90歳で大暴れしている草笛光子とは実に対照的ではないか。ただ声だけは寅さん映画のさくらの声と変わらなかったのが、アンバランスで摩訶不思議であった。
本作は邦画であるが、正確には日本・フランス・フィリピン・カタールの合作である。監督は本作が長編映画初監督となる早川千絵で、第95回アカデミー賞・外国語映画賞部門 日本代表作品に選ばれている。さらに第75回カンヌ国際映画祭ほか数多くの映画賞を受賞しているようである。
見どころはそれぞれ繋がりは薄いのだが、主役の老女・角谷ミチと、プラン75の職員である青年・岡部ヒロム(磯村勇斗)、フィリピンから出稼ぎにきてPLAN75の火葬場で働いているマリアの三人の視点で構成されていることであろうか。またオープニングで自殺した男性は、岡部ヒロムだったのか、そして安楽死した彼の叔父はミチの前夫だったのだろうかという謎が残った……。
評:蔵研人
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