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2024年12月22日 (日)

市子

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★★★
製作:2023年 日本 上映時間:126分 監督:戸田彬弘

 三年間同棲していた長谷川から結婚の申し込みを受け、感動の余り涙を流した市子だったが、なんと翌日になって突然失踪してしまうのだった。そのときラジオからは、某所から死体が発見されたというニュースが流れていた……。たぶんそのニュースが、彼女にとって都合の悪いニュースだったのだろうな、と推測しながらそのあと本作を観ることになる。

 最近になって立て続けに、佐藤正午の『ジャンプ』、辻村深月の『傲慢と善良』など、失踪した女性を追いかけるミステリアスなラブストーリーを読んだばかりなのだが、本作もそんなタイプのラブストーリーなのかと想像していた。ところが延々と失踪する訳でもなく、ラブストーリーと言うよりは、平野啓一郎の『ある男』と似たような、かなり暗くて重いテーマを背負っているではないか。

 市子を演じた杉咲花をはじめとして、全員が必死に演技していた事実は評価したい。ただ警察の捜査が緩い割には恋人たちの追跡が厳しすぎるとか、失踪した後どうやって生活できたのかとか、よくもあれほど簡単に義父を殺せたのだろうかとか、美人でもなく不機嫌な性格なのに、なぜに次から次へと支援してくれる人たちが現れるのだろうか。また義父と妹の死体は、どうやって処分したのだろうか。
 などなどかなり突っ込みどころが多くて、リアリティーに欠けるところが最大の難点だろう。つまり本作のようなヒューマンドラマは、絶対に嘘臭いニオイを漂わせてはならないからである。

 また余りにも時間が行ったり来たりし過ぎて、ストーリーが分かり辛くなっているとこころも感心しない。そしてオープニングとラストシーンが繋がったことにより、市子が何をしたのか大体のことは想像できるのだが、だから何なのだと言いたくなる歯切れの悪い不愉快なエンディングでもあった。

 
評:蔵研人

 

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