いまこそ人生で大切なことは映画から学ぼう
著者:蓑宮武夫
著者の蓑宮氏はソニーで初期トランジスタ開発などを手掛け、老後は地元小田原の街中に映画館を復活させようと、小田原シネマ(株)を設立し精力的に活動してきたが、残念ながら2023年10月に出張先のメキシコで体調を崩して急逝している。
さて本書の内容は小田原での街おこしミニシアター『小田原シネマ館』設立までの経緯にはじまり、著者の選んだ不朽の名作12作、人生と仕事に役立つ17作、英国映画協会が選んだ史上最高の映画8作などが紹介されている。さらに小田原以外の街中映画館で地域が元気になったいくつかの事例と、映画『二宮金次郎』で妻役を演じた田中美里との特別対談などが収められている。
この本の中で何回も登場する著者の持論である「映画は映画館で観ることを前提に製作されている、従ってDVDで見る映画はテレビで見る花火と同じく全くの別物である」という思想には共鳴してしまった。つまり映画館では大画面や大音響だけではなく、途中で抜け出せない暗闇の中での孤独と拘束感に襲われながらも、周囲の観客たちと感情を共有することができるのである。
ところで著者が推薦する映画たちは、いわゆる名作が多く当然納得せざるを得ないのだが、かなり古い作品や真面目な作品ばかりが並んでいるところがやや物足りない。もし私が選ぶとしたら『バック・トゥ・ザ・フューチャー』、『エイリアン』、『ターミネーター』、『マトリックス』は絶対に外せないけどね……。
評:蔵研人
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