月の立つ林で
★★★★
著者:青山美智子
長編小説かと思ったら、二章から主人公が変わったので短編集なのかと早とちりしてしまった。実はそのどちらでもなくどちらでも通じるといった連作短編集なのである。
一章から五章までの五作が描かれているのだが、全ての作品に絡んでくるのが、ポッドキャスト「ツキない話」でタケトリ・オキナが語る月にまつわる話なのだ。このオキナの存在も面白いのだが、彼が語る月にまつわる豆知識もなかなか興味深かった。
さらにそれぞれの主人公は年齢・性別・職業がかなり異なっているのだが、それぞれが何らかの関わりを持っている。そして気が付くと今まで脇役だった人が、いつの間にか主役になっているのだ。それらをさりげなく全ての話に繋げてあるのだから「絶妙の筆使いじゃないか!」とおもわず手を叩きたくなってしまうだろう。
また全ての登場人物が訳ありで、その心情を知ったときには思わずホロリと温かい涙が頬を伝ってしまうのである。なかなか気づき難い身近な人のありがたみと優しさを再認識できる一冊なのだ。さらに何と言っても謎の「タケトリ・オキナ」の正体を知ったときには、またまた今度は熱い涙が溢れてしまうのだった……。
評:蔵研人
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