夏のダイヤモンド
★★★
著者:高瀬美恵
ダイヤモンドとは野球のグランドのことを指す。したがってタイトルの由来は、『夏の野球場での出来事』と言ってもいいだろう。ということで、本作は小学生の頃に野球チームで活躍した本宮、一条、大滝、久坂の4人のストーリーと言うことになる。もっとも話は大人になってからの彼等と、少年時代の彼等の時代を往復するドタバタSFという構成になっているのだが……。
主役は一人称で語る本宮と親友のイッチこと一条であり、野球がテーマになっているにも拘らず、著者はなんと女性なのである。その影響かどちらかと言えば脇役で登場する二人の女子小学生のほうに、著者のこころが乗り移っているかのようであった。この二人は正反対の性格なのだが、著者のあとがきを読むと、大学になってから急変した著者の性格を反映しているような気がする。まあ女性というものは二面性を持つ生き物であり、年を重ねるにしたがって本性が現れるものなんだね。
タイムトラベル小説なのだが、タイムマシンの自転車が酷すぎるし、時間論やタイムパラドックスもいい加減だ。まあどちらにせよ真剣に読む小説ではないし、ストーリーも浅くて退屈なのだが、読み易さだけは抜群で、あっという間に読破してしまった。とにかくフワフワして軽い作品なので、病院で順番待ちするときに、斜め読みするにはもってこいの小説かもしれないね。
評:蔵研人
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