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2024年8月 9日 (金)

パラレル多次元世界

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★★★
製作:2018年 カナダ 上映時間:104分 監督:イサーク・エスバン

 真夜中に犬の世話をするため部屋から出た女性が、マスクをした何者かに殺害される。そして犯人がマスクを外すと、なんとそいつは殺害された女性と同一人物だった。という奇妙なオープニングに心躍らされるのだが、タイトルを知っているので、すぐにパラレルワールドからやってきた自分自身なのだなと気が付いてしまう。
 つまり犯人が住む世界では既に夫が亡くなっているのだが、この世界ではまだ元気に暮らしている。それで犯人はまだ夫が生きているこの世界に引っ越してきたという訳である。もちろんそのために邪魔になる自分自身を消したのだ。
 ただ面白かったのはこのオープニングだけで、この後に続く話は4人の若者たちの話であり、パラレルワールドの入口以外はオープニングの女性とはなんの関連も持たない。

 さてひょんなことから、シェアハウスに住む若者4人が壁の中にある部屋をみつけて侵入すると、誰かが住んでいた痕跡が残っており、部屋の中には大きな鏡が立てかけてあった。そうこの部屋を使っていたのが、オープニングの犯人であり、そこにある鏡こそパラレルワールドへの入口だったのである。
 さらにこの鏡からは一つだけではなく、いくつものパラレルワールドに繋がっており、戻ってくるときだけは同じ場所に戻る仕組みになっていた。さらに別世界では時間が180倍に膨張しているため、別世界での15分間がこちらではたった5秒であることにも解明される。

 さらにパラレルワールドには自分と同一人物が住んでいて、世の中の仕組みも似ているのだが、モナ・リザの髪がショートカットだったり、進化した発明品が登場していたりと、微妙に異なっているのであった。彼等はそれを利用してアプリや新製品、絵画などをパクったりして金儲けに翻弄することになる。
 ただこんなことを続けていてもいいことばかり起こるはずがなく、4人の友情にもひび割れ現象が起こってくる。そんな中である日、大変な事件が起こってしまうのであった……。

 パラレルワールドそのものは、私好みの興味深いテーマではあるのだが、なんだかすっきりしない。本作がそこそこ面白かったのは認めるが、タイムトラベルやパラレルワールドを利用して金儲けをしたり、自分と入れ替わったりする話は新鮮味がないし、後半に大きなどんでん返しが仕込まれている訳でもなく、もう一捻りが欲しかったね。またしいて言えば本作の真のテーマは、「パラレルワールドを利用したひとの欲望と罪深さ」だったのだろうか……。
 
評:蔵研人

 

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