しろがねの葉
著者:千早 茜
石見銀山で生きてゆく女性・ウメの生涯を描いた時代劇である。また時代背景は関ケ原の戦いの前後のようだ。
天才山師・喜兵衛に拾われた少女ウメは、喜兵衛から銀山の知識や未知の鉱脈のありかを授けられる。もともと夜目が利く彼女は、女だてらに坑道で働きはじめ「鬼娘」と呼ばれるようになる。
だが世は徳川の時代となり、銀山も幕府の管理下に置かれてしまう。それを苦にした喜兵衛は次第に生気を失い始める。そして頼りがいのあった保護者を失ったウメは、欲望と死の恐怖が渦巻く男の世界に耐えられなくなり、これまでの生き方を変えざるを得なくなってしまうのだった。
それにしても本作は、銀山という危険な香りのする世界で働く男たちと、それを支える女たちの姿を実に色鮮やかに描き切っているではないか。また銀山内部の様子や薬草などの豊富な知識も散りばめられており、さすが直木賞受賞作品だと感銘を受けてしまうだろう。
時代背景と銀山という舞台を考えれば、当然であり仕方ないのだが、始めから終わりまで重く暗い雰囲気が充満していて、読み終わったらどっと疲れが出てしまった感がある。
評:蔵研人
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