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2024年5月の記事

2024年5月31日 (金)

シン・ウルトラマン

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★★★
製作:2022年 日本 上映時間:112分 監督:樋口真嗣

 オープニングはウルトラマンというよりは、まさに「ウルトラQ」の世界だった。映像のほうは昭和時代にTVで放映されていた頃と比較すれば格段に進化しているが、『シン・ゴジラ』や『ゴジラ-1』に比べればかなり見劣りするし、ストーリーやスケールに至っては笑ってしまうレベルかもしれない。

 ただキャスト的には、斎藤工、長澤まさみ、西島秀俊、山本耕史、竹野内豊などを配しているので、決して安っぽい映画ではないと言えるだろう。まあ観て損する訳でもないので、怪獣好きなら一度くらい観てもバチは当たらないはずである。ただシリーズ化されても、続編は見る気がしないけどね……。
 
 
評:蔵研人

 

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2024年5月25日 (土)

君が落とした青空

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★★★
製作:2022年 日本 上映時間:93分 監督:Yuki Saito

 原作は2010年に公開された櫻いいよのケータイ小説で、その後スターツ出版文庫として新装版が出版されている。
 基本的には学園ラブストーリーなのだが、事故に遭った恋人を救うためタイムループの中で何度もチャレンジする女子高生を描いて行く、というラブファンタジー系のような作品であった。

 高校生の実結と修弥は映画の趣味が一致し、付き合い始めて2年目になる。そして毎月1日には、必ず一緒に映画を観るというデートを重ねていた。ところが映画館のロビーで突然修弥に電話があり、彼は理由も言わずに急用ができたからと、デートを中断して実結を残したまま去ってしまう。
 その後、傷心の実結が帰路の途中、修弥からメールを受信して指定された時計台がある場所へ向かう。だがそこでトラックに轢かれそうになった実結をかばった修弥が撥ねられてしまう。その時時計台の針は午後7時を指していた。

 するといつの間にか実結は、自宅のベッドの中にいて、午前7時の目覚まし時計が鳴っているではないか。あれは夢だったのか、と考えたのだが、その後のあらゆる展開が夢と同じなのである。そして次の日も……。結局のところ実結は、毎日同じ1日を繰り返しているようなのだ。なぜそうなったのかは分からないのだが、彼女はなんとか修弥が事故に遭遇しないように努力する。だが結局事態はいつも好転せず、彼はどうしても事故から逃れられない。

 最近になってこうしたタイムループ系の映画が数多く製作されているが、なんといってもその元祖は米国映画の『恋はデジャヴ』である。本作も序盤はそのセオリー通りの繰り返しパターンが描かれていたのだが、結論的にはタイムトラベルではなく、夢落ちという掟破りの手法だったのは非常に残念だ。だからどんでん返しもなければ、タイムパラドックスも生じない。それに主人公を含めたキャスト陣もいま一つな感があり、余りのめり込めなかったな……。

評:蔵研人

 

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2024年5月21日 (火)

めぐる未来

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★★★
 
 毎週木曜の深夜に放映している日テレのテレビドラマである。
 主人公の襷 未来は、感情に大きな起伏があると過去に戻る「リフレイン」を発症してしまう。それで少年の頃から人となるべく拘わらず、感情を抑えて生きていた。
 だが運命的に出逢って結婚した明るく無邪気な妻・めぐるが何者かに殺害されてしまう。それで彼は禁を破って、まだめぐるが生きている過去に戻って彼女を救出する。ところがその後も彼女は何度も襲われることになり、その都度彼は過去に戻ることになる。だがリフレインを起こすたびに、だんだん彼の体力が消耗してきて、命の危険が生じてしまうのだった。

 それにしても誰にも恨まれる理由がないめぐるが何故殺害されなくてはならないのか、犯人は一体何者なのだろうか……。そんな興味だけでどんどん引っ張られて、とうとう最終回の10話まで観る羽目になってしまったのだが、ストーリー的にはそれほど面白いわけではなく、主役の萩原利久のボサーッとした学芸会並みの演技にもホトホト疲れ果ててしまった。
 どうしてテレビドラマには、引っ張るだけで内容の薄っぺらなものが多いのだろうか。これは日本だけではなく世界的な傾向のような気がするのは僕だけであろうか。

 最後にこの手のドラマに付きものの疑問なのだが、主人公が気を失って過去に戻ること自体は良いとしても、それまで暮らしていた人生はその後どうなってしまうのだろうか。結局は過去に戻るたびに、パラレルワールドが発生しているのであろう。ただそれならば、なぜもともとそのパラレルワールドにいた自分と遭遇しないのだろうか。などと余計なことを考えてしまうのである。
 

評:蔵研人

 

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2024年5月17日 (金)

Aではない君と

A

著者:薬丸 岳

 本書は少年犯罪の加害者家族を描いたミステリー小説である。また本書は週刊現代に連載されたものを第1章、第2章として修正し、そこに第3章を加筆して単行本化されたという。そして第37回吉川英治文学新人賞を受賞し、さらにテレビドラマも放映され2019年日本民間放送連盟賞テレビドラマ部門優秀賞などを受賞している。

 近ごろは子を持たない大人は少なくないが、全ての人には必ず親がいる。だから親子問題はいつの時代も避けては通れぬ命題なのだろう。そして少年少女たちが、グレたり悩んだり、ひきこもったり犯罪に手を染めたりする陰には、親との関係性が絡んでいることが多いようだ。だから親たちの責任も重大であり、会社や世間に顔向けができなくなることも必然なのかもしれない。

 ある日突然、エリート社員・吉永圭一の職場に警察が訪れ、離婚した妻と同居している14歳の息子・翼を親友の死体遺棄で逮捕したと告げられる。もちろん殺人の容疑も否めないというのだ。そしてこの日を境にして吉永の生活は奈落の底へと突き落とされてしまう。
 会社への言い訳、恋人との別れ、被害者の親への謝罪、弁護士費用や賠償責任問題、マスコミたちの追跡などなど、さらには心を閉ざして全く口をきいてくれない息子。とてもじゃないが親のほうがノイローゼで死にたくなってしまうほどの苦悩に塗れてしまうのだ。

 本書のテーマは少年犯罪であるが、犯罪者の少年は終始沈黙し続けているだけであり、本当に殺人を犯したのか、またその動機は一体何だったのかが全く分からないまま中盤まで読み進めなくてはならない。作中の吉永も辛い思いの連続だが、読んでいるほうも辛くて堪らなくなってしまう。
 だが後半になってやっと翼が口を開き始めると、俄然物語は一気に熱くなってくる。そして最終章では、裁判が終わってから4年後の吉永たちの在り方が描かれるのだが、その第3章があとで加筆されたとは思えないほどの完成度を誇っていたのには驚いた。

 本書は「ミステリーの動機探し」に分類されるかもしれないが、動機そのものはなんとなく想像できる範囲かもしれない。だがその真価は、その先にある「心を殺すことと肉体を殺すことの優劣」あるいは「犯罪者の親としての苦悩と被害者の親の苦悩の重さ」などなのだろうか。

評:蔵研人

 

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2024年5月14日 (火)

デンジャラス・ラン

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★★★
製作:2012年 米国 上映時間:115分 監督:ダニエル・エスピノーサ

 デンゼル・ワシントン&ライアン・レイノルズのダブル主演で元CIAエージェントの逃亡劇を描くアクション映画である。舞台が南アフリカということもあり、映像が薄暗くて毒々しいのでかなり観難いのが最大のウィークポイントだ。またテンポが速くアクションも忙しいため、ストーリーも解り辛く不親切なのが気に入らない。

 デンゼル・ワシントン主演の映画は外れがなかったのだが、今回ばかりは時間を無駄に消費した感があったのが非常に残念であった。またアクション映画とは言え、人の命が安っぽく扱われているところも感心しないね。
 さらにラストバトルの展開もあっけなかったのだが、終わるようで終わらなかった最終段階での締め具合だけは納得できるものであった。

 
評:蔵研人

 

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2024年5月10日 (金)

護られなかった者たちへ

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★★★☆
製作:2021年 日本 上映時間:134分 監督:瀬々敬久

 東日本大震災を背景にし、その9年後の被災者たちの生き方を描いたヒューマンミステリーである。主な配役は阿部寛、佐藤健、清原果耶、倍賞美津子だが、永山瑛太、緒方直人、林遣都、吉岡秀隆などが脇を固める贅沢なキャスティングなのだ。

 被災者たちの苦悩にはじまり、連続殺人事件の犯人探しと生活保護の実態をテーマにした重くて暗い作品であるが、いつも明るい阿部ちゃんとイケメン佐藤健が、見事に暗くのしかかってくる役をこなしていた。さすが役者だねと、拍手してあげたい。

 俳優さんたちも頑張っていたし、十分に見応えのある作品なのだが、時間が前後し過ぎたのが少し分かり辛くしてしまったかな。また復讐殺人するくらい大切な人ならば、自分が養ってあげればいいのにね。それと終盤になって犯人が何となく分かってしまったが、現実的に考えてあの犯行を、あの犯人1人では絶対に遂行できるはずがない。
 だからその部分だけはどうひっくり返しても納得できなかった。例え映画と言えども、そのあたりがかなり苦しいよね。生活保護の問題については、私にもいろいろ意見があるのだが、それは別の機会に譲りたいと思う。

評:蔵研人

 

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2024年5月 7日 (火)

永遠の1/2

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著者:佐藤正午

 小説界の奇才・佐藤正午のデビュー作である。著者があとがきで「どんな小説家にも、一つだけ、アマチュアとして書いた小説がある。ないと始まらない」、「その小説が人目に触れ、本になるとデビュー作と呼ばれ、書いた人は小説家と呼ばれるようになる」と語った通り、素人っぽい文体、素人っぽいストーリー展開であることは否めない。ただやはりその中には、佐藤正午の佐藤正午たる所以のような臭いが充満していることも確かである。

 ストーリーはあるようなないような、もしかすると「私小説に自分に瓜二つの男の話を無理矢理ブレンド」したのではないだろうか。だから大部分は競輪と野球の話に塗れているのであろう。また色白で足の長い年上の女も、実際に別れた女なのかもしれないね。
 序盤に巧みに伏線を練り込み、後半は予想もつかないあっと驚く展開に落とし込むのが佐藤正午流なのだが、本作はとくに大きな変化もないまま終了してしまった。なんだか佐藤正午らしくなくて、かなり物足りなかったのだが、途中で投げ出しもせず500頁にも亘る長文に耐えられたのだから、やはりただ者ではないのだろう。

評:蔵研人

 

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2024年5月 4日 (土)

グリーン・デスティニー

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★★★☆
製作:2000年 米国・中国 上映時間:120分 監督:アン・リー

 中国・香港・台湾・アメリカ合衆国の合作による武俠映画で、中華圏で各映画賞を総なめしたほか、第73回アカデミー賞でも10部門でノミネートされている名作である。
 絵巻物のような超美麗な映像と殺陣の凄まじさは筆舌に尽くしがたいほど素晴らしい。ただ今となっては当時好評だったワイヤーアクションが、嘘臭くてチンケに見えてしまうところに時代の流れの速さを感じてしまった。
 
 またストーリーがいまひとつ物足りなく、そもそも何を主張したかったのかもはっきりしない。さらにラストの残念な展開にも、モヤモヤ感だけが残るだけで全く共感できなかった。この批判的な感覚も時代の推移なのだろうか……。ただユー・シューリン姉さん役のミシェル・ヨーだけは、とても魅力的でピタリと役柄にはまっていたよね。


評:蔵研人

 

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2024年5月 1日 (水)

Miss.ガンズ

Miss

★★★
製作:2022年 米国 上映時間:92分 監督:グレゴリー・ランバーソン

 コンビニ強盗と間違えられて銃を向けられ、思わずその警官を射殺してしまう女警官メーガンが主人公のガンアクション映画である。そのショックでメーガンは職を辞するのだが、相棒だったジェレミーに誘われ、その友人たちとキャンプに出掛けるのだが……。
 ところがキャンプ地で、なんと地元保安官が麻薬密売人を勝手に処刑しているではないか。それを目撃してしまったためメーガンたちは、その保安官たちや怪しげな地元住民たちに追われることになってしまうのだった。

 結局メーガン以外の者は全員殺されてしまうのだが、今度はメーガンの復讐劇が始まるのである。はじめは拳銃1丁だけだった装備が、敵から奪い取った自動小銃・マシンガンなど、だんだん大型化してゆくところが面白いのだ。そして敵の弾は全く当たらないが、彼女のほうは百発百中とまではいかないものの、確実に敵を倒してゆくのである。

 登場人物たちはド素人の高齢者やチンケな奴らばかり、またほとんどが森の中でのロケであり、まさに低予算映画の見本のような作品ではないか。もちろんストーリーも無いに等しく、ただドンパチだけを目的としたチープな作品である。と言いながらもハラハラしながら最後まで観たのだから、それなりに面白かったのかもしれないね。ただ「まだまだあるぞ」と言わんばかりのホラーテイストなラストは不要な気がする。

評:蔵研人

 

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