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2024年3月 1日 (金)

竜の柩

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著者:高橋克彦

 竜とは何か?西洋ではドラゴンと呼ばれ羽を有し火を吐く怪獣だが、東洋では龍とか辰と呼ばれ聖なる存在とされている。もちろんどちらも空想上の生物なのだが、本書では竜を一族に例えたり、ロケットに例えたりしながらその真相に迫ってゆく。
 まず古代文明が栄えたと言われる日本の津軽地方に始まり、信濃、出雲を転々と訪れ、ついにインド、パキスタン、トルコへの壮大な旅が始まるのである。とにかくスケールの大きな物語で、550頁を超す分厚い新書版の二段書き、という大長編に収まっているのだ。しかも本作は前編であり、ストーリーはさらに後編である『新・竜の柩』へと繋がって行くのである。

 本書はストーリーよりも、『古事記』『日本書紀』や風土記に残る寓話や、『ノアの箱舟』などの神話が、ぐるぐると絡みついてくる。とにかく竜の伝説にまつわる蘊蓄の数々が、「もうたくさんだ」と疲れるほど網羅されるのだ。荒唐無稽なのだが、無理やりこじつけてまるで真実のように創りあげているところが凄い!凄すぎるとしか言いようがない。著者の驚くべきパワーには頭が下がる思いだ。
 ただ本書を読破するのに、私自身もかなりのパワーと時間を消費してしまった感がある。従って続編『新・竜の柩』も所持しているのだが、当分は休息時間が必要かもしれないな……。

評:蔵研人

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