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2023年12月 6日 (水)

龍は眠る

著者:宮部みゆき

 古い本であるが、久々に宮部みゆきの本を読んだ。やはり読み易いし、細部にわたって調査が行き届いており、筆運びも達者なのでどんどん引き込まれてゆくのだ。本書はミステリー風味を漂わせているのだが、実は超能力者二人の苦悩を描いた社会ドラマと言ってもよいかもしれない。逆に言えば、派手な超能力合戦を期待すると裏切られることになるだろう。超能力と言っても、テレパシーとか予知とかいった類なのだが、一人のほうだけはテレポートもできるらしい。

 従って真の主人公は超能力青少年の二人なのだが、それにしては登場時間が短い。その代わり高坂昭吾というちょっぴり偏屈だが真面目で心優しい雑誌記者が、狂言回しとしてあたかも主人公のように立ち振る舞っているのである。彼が偏屈になったのは「子種がない」ということが原因らしい。だがその割には意外に女性にもてるところが羨ましいね。

 ストーリーは台風の夜に車を走らせていた高坂が、路上でパンクした自転車を引きずっている少年を、車に乗せて助けるところから始まる。少年は超能力者で近くのマンホールに子供が落ちたこと、さらにはマンホールの蓋を開けっ放しにした二人の男がいたことも知っていた。
 その二人の男は、悪気があって蓋を開けたのではなかったが、少年に責められてノイローゼになる。そしてこれを苦にした一人が自殺してしまうのだ。このあたりから摩訶不思議な手紙が、高坂のもとに届くようになるのである。
 
 一体謎の手紙は誰が書いたのか、さらにはこの手紙と関連したかのような拉致事件が勃発するのだが……。と著者はなかなか手綱を緩めず、少しづつ難問を振り撒いて行く。もうこうなったら、最後まで一気読みするしかなかろう。さすが宮部みゆきだね。ただ途中で犯人が想像できてしまったことと、その動機がいま一つ手垢がつき過ぎていたことだけが、ちょっぴり残念であった。

 この古い本を読んだ直後、奇しくも本作をTVドラマとして再放映していたので、さっそく録画して鑑賞してみた。前半はほぼ原作通りであったが、後半はやや端折って脚本を書いたようで、少し話の辻褄が合わなかった。唯一良かったのは聾唖者の女性だけだったかな。


評:蔵研人

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