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2023年11月 4日 (土)

セブン

★★★☆
著者:乾くるみ

 著者は女のような名前だが、れっきとした59歳のおじさんである。また別名の市川尚吾名義では評論活動を行っている。1998年に『Jの神話』で第4回メフィスト賞を受賞し、34歳で作家デビューしているが、主な著作には本書のほか『イニシエーション・ラブ』、『スリープ』、『リピート』などのファンタジック系のミステリー作品が多い。なお本書は、2014年に単行本として角川春樹事務所より刊行されたものである。

 本書はそのタイトル通り「7」という数字絡みの作品が7作収録されている。
1.ラッキーセブン
2.小諸-新鶴343キロの殺意
3.TLP49
4.一男去って……
5.殺人テレパス七対子
6.木曜の女
7.ユニーク・ゲーム

 7作全てが楽しめたのだが、特に面白かったのは『ラッキーセブン』と『ユニーク・ゲーム』である。前者はA~7までの7枚のトランプを使ったカード対戦を7人の女子高生で争い、負けたほうは首を切られるという恐ろしいゲームであり、後者は捕虜になった7人の多国籍兵に課せられた0~7の数字絡みの生き残りゲームである。
 どちらも似たような数字を使ったシンプルなゲームなのだが、その勝利方法の思考過程がくどいほど綿密に解説されている。一体この著者の頭の中には、どれほど複雑な歯車が絡み合っているのだろうかと唸ってしまうことだろう。ことにミステリーファン、SFファンにはのめり込める一冊である。

評:蔵研人

 

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