タイムマシンの作り方
著者:矢沢サイエンスオフィス
本書は2001年9月に学研から刊行されたムック『タイムトラベルの謎』に大幅な加筆・改稿を加え、図版を一新して単行本化したものである。
まず『宇宙論的タイムマシンの作り方』として、お馴染みの「ブラックホール」、「円筒型」、「ワームホール」、「宇宙ひも」などを利用したタイムトラベルを紹介している。ただしこれらは理論的には可能なものの、それこそ天文学的な時間と費用と労力を必要としているため現実的ではない。そこで考えられたのが、超光速粒子タキオンを使った「量子論的タイムマシン」や時空のゆがみを利用したワープ航法などである。もちろんこれらもSF的な発想と敬遠されがちだが、なんと米国のNASAやロシア・中国などでは、その実現に向かって真剣に研究しているというのだ。
さて未来へのタイムトラベルについては、比較的簡単に実現可能なのだが、過去へのタイムトラベルは不可能だとされてきた。それは原因があり結果に繋がるという因果律がある限り、様々なタイムパラドックスを生じてしまうからである。だがそれはパラレルワールドの存在を認めることにより解消される。ただしその場合は、別次元の世界へ移動するわけだから、厳密には過去へのタイムトラベルではなく、別次元への移動ということになるらしい。
このようなタッチで、小説・映画などの話も織り込みながら、難解な物理理論を紐解いているのだ。従って肌に馴染み、実に読み易いのだ。だからあっという間に読破してしまった。ことにラストに付録として、タイムトラベルの疑問をまとめて綴った『タイムマシンQ&A』が超・分かり易く面白かったね。
評:蔵研人
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