阪急電車片道15分の奇跡
★★★★
製作:2011年 日本 上映時間:119分 監督:三宅喜重
始点から終点まで片道15分のローカル線、阪急今津線の電車内を舞台にした群像ドラマで、原作は有川浩の小説である。
僅か15分の短い区間だが、意外と利用者は多いようだ。本作ではこの沿線を利用する人々の人間模様とエピソードにスポットを当て、それぞれが持つ苦悩を乗り越え、前向きに生きてゆこうと決心する姿を描いて行く。
婚約中に後輩に彼氏を寝取られてしまう女の話、イケメンの彼氏のDVに耐え、家政婦のようにこき使われている女の話、方言のせいでコンプレックスに怯えて友人のできない大学生の男女の話、高級志向のママ友と嫌々付き合っている主婦の話、一流大学を第一志望に受験勉強しているのに、担任から難しいと言われてヤケになり、彼氏に処女を捧げようとする女子高生の話などなど、興味深い話が紡がれてゆく。
それにしてもこれらを演じたのは、中谷美紀、戸田恵梨香、谷村美月、南果歩、有村架純、芦田愛菜、宮本信子がズラリとならぶ。実に贅沢な女優たちではないか。一見中谷美紀が主人公のようだが、真の主人公は何と言っても宮本信子御大であろう。多少おせっかいかもしれないが、人生の機微を感じさせる見事なおばあちゃんでした。またストーリー的には、中谷美紀の話が一番充実していたのではないだろうか。
またあの昔ながらのえんじ色の阪急電車が走る映像にはぐっとこみあげるものがあるよね。いずれにせよ、久々にめくり逢えた秀作であった。
評:蔵研人
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