耳をすませば
★★★★
製作:1995年 日本 上映時間:111分 監督:近藤喜文
宮崎駿脚本のスタジオジブリ作品である。30年近く前に製作されたアニメ作品だが、全く違和感がなくストーリーに入り込めた。またヒロイン月島雫が恋心を抱く天沢聖司の声優が若かりし日の高橋一生だったというのにも驚いた。また父親役の声優だけが棒読みで浮いている感があったが、それもそのはず声優素人でジャーナリストの立花隆だというのだ。なぜ彼を起用したのかは不明だが、私にはせっかくの良い話に水を差されたような気がする。
読書好きな女子中学生の少女・月島雫は、図書館で借りる本の貸し出しカードのほとんどに「天沢聖司」という名前があるのを見つける。それで顔も知らない天沢聖司の存在が気になってしかたがない。そんなある日、雫は電車の隣座席に座っていた奇妙な猫に導かれ、「地球屋」という不思議な雑貨店に迷い込む。そしてその店主である老人の孫が天沢聖司であることを知ることになる。それがきっかけで2人は徐々に距離を縮めてゆく。
と言った学園ラブストーリーなのだが、単なる惚れた腫れたではなく、バイオリン職人を目指す聖司に後れを取るまいとして、必死に小説家を目指す雫の心情が見事に描かれている。そしてバロンという名の猫の人形にまつわる祖父の思い出話にも惹かれてしまうだろう。
また頻繁に車が走り回る道路状況や、夕闇に輝く電車や飛行機、新聞配達の少年の姿、朝日が昇る景色などなど、さりげなく描かれた風景がヒロインの心情とリンクしているようで、なかなかきめ細かい演出力を感じてしまった。さらにテーマ曲のカントリーロードによって、ほっこり感としんみり感にふんわりと包まれてしまいそうなのだ。
評:蔵研人
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