社交ダンスが終わった夜に
著者:レイ・ブラッドベリ
本書は現代米国文学界の大御所レイ・ブラッドベリが、2002年に上梓した短編集である。そしてこの短編集の中には、深夜の路面電車に乗り合わせた男女の会話を描き、ふわりとした余韻を漂わせたタイトル作をはじめとして全25作が収録されている。
全編を通して言えることは、SF抒情詩人と評されている著者らしい「メタファーを多用したファンタジックな作品」で溢れ返っているということであった。従ってストーリーを追うというより、詩の音律を味わう気分で読まないと期待外れになるかもしれない。またSFと言っても、宇宙や未来や科学を描いたものはなく、どちらかというと日常的な事象を、メタファーによって塗り固めたという感がある。またそこがこの作家の好き嫌いの分岐点にもなるだろう。
どちらかと言えば、私的には余り馴染まない作品が多く、最後まで読み通すのは難行であった。ただそんな中で『時の撚糸』など、タイムトラベル系の作品が2、3作混在していたのは嬉しかったかな。まあ好き嫌いは別として、全般的に「お洒落な短編集」と言えば良いのだろうか……。
評:蔵研人
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