デイ・トリッパー
★★★
著者:梶尾真治
デイ・トリッパーとは幻覚剤「AMT」の通称であり、ビートルズの楽曲でもある。また日帰り旅行者という意味もあるが、この言葉には「ちょっとだけ(クスリで) トリップする人」という意味も隠されている。
本作では過去に跳ぶための遡時誘導機の名称であり、このマシンを所有している女性が経営するカフェの名前でもある。また過去に跳ぶ前に精神を安定させるために飲む薬のことを暗示しているのかもしれない。
主人公の香菜子が最愛の夫である大介を亡くして失望していると、もう一度大介に逢ってみないかという女性が現れる。香菜子はもう一度夫に逢いたい一心から、半信半疑でその女性の経営するカフェ『デイ・トリッパー』を訪れ、遡時誘導機に搭乗して夫が生きている時代へタイムスリップするのである。ただここでいうタイムスリップとは、心だけが過去の自分の中に跳んでゆくという方式なのであった。
心だけが過去に跳ぶという仕組みは目新しいかもしれないが、70歳になっても相変わらず青春しているところが梶尾真治の素晴らしいところだろう。ただストーリーとしてはありきたりでいま一つの感があった。まあこの年だからしょうがないか…。
評:蔵研人
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