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2023年5月の記事

2023年5月29日 (月)

ジュマンジ/ネクスト・レベル

★★★☆
製作:2019年 米国 上映時間:123分 監督:ジェイク・カスダン

 ジュマンジシリーズ三作目の作品である。主な登場人物は前作同様であるが、主役のスペンサーたち4人組は、当然だが高校生から大学生になっている。さらに4人組に加えてスペンサーの祖父とその友人もジュマンジの中に吸い込まれてしまうのだ。またジュマンジの世界ではキャラクターが入れ替わったり、能力が向上しているし、砂漠や氷山などのステージも追加されている。つまり作品自体が全般的にパワーアップしているのである。

 なかなか楽しい作品であるが、いつも同じパターンだと飽きられてしまうに違いない。従って次回作をどのように創るかを注目したいところだ。つまりに次回作こそ、そこで打ち止めになるのか、それともまだまだ続編に繋がるかの分かれ道になるのである。

 
評:蔵研人

 

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2023年5月24日 (水)

神の一手

★★★☆
製作:2014年 韓国 上映時間:129分 監督:チョ・ボムグ

 プロの囲碁棋士テソク(チョン・ウソン)は、ヤクザのボスであるサルス(イ・ボムス)の陰謀によって兄を殺されてしまう。さらに兄殺しの冤罪で刑務所に服役することになってしまう。そして獄中で囲碁と喧嘩の技術を鍛え上げてゆく。やがて数年後に刑務所を釈放されたテソクは、サルスに復讐するために仲間を集めて動き始めるのだった。
 
 囲碁がテーマになっている割には、詳しい碁盤の状況は全く語られないため、囲碁を全く知らない人でも心配はいらない。ただ囲碁の映画かと思って本作を観た人には物足りないだろう。タイトルの「神の一手」がどんな手なのかも全く不明だし、囲碁映画と言うよりは格闘映画といった趣きなのだ。
 そして刑務所に入る前はあんなにひ弱だったテソクが、どうして刑務所で鍛えたぐらいで、武器を持った10人以上の猛者を簡単に蹴散らかせるほど武芸の超人になったのかも納得できない。またラストで死んだはずの仲間たちが、全員生きていたのもよく分からない。さらには刑務所の独房で囲碁対戦した隣房の棋士の所在も不明のままである。(もっとも、この人物はスピンオフ作品『鬼手』で描かれるらしい)

 なにせこのように突っ込みどころ満載の作品なのだ。ただ盲目の棋士や片腕の棋士などの仲間たち、そして一番の見所である「冷凍庫対決」などは、なかなか面白いので退屈しない映画であることも間違いないだろう。

 
評:蔵研人

 

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2023年5月20日 (土)

パーム・スプリングス

★★★☆
製作:2021年 米国 上映時間:90分 監督:マックス・バーバコウ

 タイトルの「パーム・スプリングス」とは、カリフォルニア州にある砂漠と山に囲まれたリゾート都市である。本作はそのパーム・スプリングスで行われる結婚式が舞台となっている。

 妹の結婚式だというのに、姉のサラだけは1人だけ浮かない面持ちであった。そこにお調子者で少し変わった男・ナイルズが登場。二人はいいムードになり、もう少しでSEXというときに突然弓を放つ男が現れる。それで謎の洞窟に逃げ込むと急に目覚め、毎日結婚式の朝に戻る「タイムループ」に閉じ込められてしまうのであった。一方のナイルズは、かなり以前からループにハマっており、今日までに数えきれないほど結婚式の日を繰り返していたのである。

 毎日同じ一日を繰り返すというタイム・ループもので、ファンタジーラブコメと言えば、1993年に公開された『恋はデジャ・ブ』を思い出す。ただ『恋はデジャ・ブ』のほうは、ループするのが主人公を演じたビル・マーレイ一人だったのに対し、本作ではなんと三人がループしているのだ。また少しおバカで下品な感があった。それにループを利用して、前回の失敗を回避するようなシーンが少なかったのが物足りない。

 それにしてもタイム・ループってどうして起こるのだろうか。それにループしている人は何度もやり直せるけど、ループしていない人たちの人生はどうなってしまうのだろうか。結局はいくつものパラレルワールドが存在することになるわけだが、なんだか理解不能だね。
 またループしている間は死なないし年を取らないし、金も恋人も自由自在のスーパーマンなのだから、現実に戻りたくないと考えたくなる。ただもしループが永遠に続くとしたら、やはり退屈になってしまうのだろうね。でももしそのループ周期が1日ではなく、『リプレイ』のように10年以上だとしたらどうかな……。

評:蔵研人

 

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2023年5月16日 (火)

ReLIFE リライフ

★★★☆
製作:2017年 日本 上映時間:119分 監督:古澤健

 またまた邦画の常とう手段であるマンガの実写映画化作品である。従ってかなりいい加減で荒唐無稽なストーリーなのだ。ただアニメ化されたくらいだから、そこそこ面白いということにしておこう。
 せっかく大学院を卒業したものの、新卒入社した会社を3カ月で自主退職してしまった海崎新太27歳。その後何度も再就職の面接を受けるのだが、前社を3カ月で退職したことが祟り、どこの会社でも不合格となってしまう。

 それでなんとかコンビニのバイトで生活の糧を凌いでいる海崎だったが、ある日「リライフ研究所」所員を名乗る謎の男が現れる。そして男は海崎に、薬で見た目だけ若返り、1年間高校生活を送るという実験をしないかと言う。
 余りにも胡散臭くて気が進まない海崎だったが、生活の保障が得られると聞いて、半ばヤケクソ気味に被験者になることを承諾。こうして27歳の男が、10歳年下の女子高校生との恋に頭を悩ませ、青春を謳歌する高校生活がスタートするのだった。

 それにしても、本作はタイムトラベルもののようで、実はそうではないみたいだ。つまり主人公が10年前にタイムスリップするのではなく、外見だけが10歳若くなり、そのまま現在の高校へ通うというだけではないか。従ってタイムトラベルものではなく、学園恋愛ものだと考えて観賞したほうが良いだろう。
 またこの実験が終わると、体験したことは全て主人公の記憶から消去されてしまう。さらに主人公と接触した人々の記憶の中からも、主人公の存在自体が喪失してしまうのである。
 どうもこの設定には無理があり過ぎる。主人公の記憶だけなら、薬や手術などで切り取ることが可能だが、クラスメイトや先生など、主人公と接した人すべての記憶を操作することは不可能ではないか。いくら原作がマンガだからと言っても、このあたりの矛盾はしっかりとフォローしておくべきだろう。

 またラストのどんでん返しは、ほぼ予想通りだったものの、清々しい気分になれるハッピーエンドで納得できるかもしれない。また主演の中川大志はじめ、クラスメイトの6人もそれぞれ個性的で、それなりに青春の匂いを漂わせていたので違和感もなかった。
 ということで、高校生はもちろん「青春時代をもう一度体験したい」と願っているおじさん、おばさんたちが観ても、そこそこ楽しめる映画に仕上がっていたことだけは間違いないと断言したい。


評:蔵研人

 

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2023年5月11日 (木)

HELLO WORLD

★★★☆

製作:2019年 日本 上映時間:98分 監督:伊藤智彦

 『時をかける少女』や『サマーウォーズ』で助監督を務め、『ソードアート・オンライン』を手掛けた伊藤智彦監督によるSF系アニメである。前半は学園ロマンなのだが、後半になって「狐面」が登場すると、急遽ガチガチのSFに変貌してしまう。どちらかと言えば前半のほうが楽しく、後半は理解不能のハラハラドキドキ展開に終始すると言ってもよいだろう。

 2027年の京都。人見知りで引っ込み思案な男子高校生の堅書直実は、クラスメイトに馴染めず本だけが友達だった。だがクラスで、一行瑠璃という不愛想な少女と一緒に図書委員に選ばる。そして彼女と一緒に図書委員の仕事をしているうちに、だんだん彼女との距離が縮まってくるのだった。このあたりはまさに学園ロマンなのだ。

 そんな折にナオミという青年と出会う。ここらからだんだんSFの臭いが漂ってくる。さてそのナオミこそ、10年後の世界からやってきた未来の自分であった。彼は未来で瑠璃と結ばれるが、彼女を事故で失ってしまったのだという。直美はナオミと協力して、事故に遭った瑠璃の運命を変えようとするのだが……。このあと暫くすると、謎の狐面が登場し、学園ロマンは難解なSFものに衣替えしてしまうのだ。そして京都駅での大アクションシーンへと繋がってゆき、なんとSFパニックアニメへと昇華してゆくのである。

 本作は世界をデーターが集合した仮想空間とみなし、その不都合なデーターを書き換えよう試みるストーリーなのだが、斬新なようで斬新でもなく、分かり易いようで分かり難いのだ。ぶっちゃけあの『マトリックス』と『エヴァンゲリオン』と『インセプション』をごちゃまぜにした作品だと言えばどうだろうか。壮大なテーマを含んだストーリーとも言えるが、観客置いてけぼりの独りよがりの脚本とも言えそうである。

評:蔵研人

 

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2023年5月 7日 (日)

デイ・トリッパー

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★★★
著者:梶尾真治

 デイ・トリッパーとは幻覚剤「AMT」の通称であり、ビートルズの楽曲でもある。また日帰り旅行者という意味もあるが、この言葉には「ちょっとだけ(クスリで) トリップする人」という意味も隠されている。
 本作では過去に跳ぶための遡時誘導機の名称であり、このマシンを所有している女性が経営するカフェの名前でもある。また過去に跳ぶ前に精神を安定させるために飲む薬のことを暗示しているのかもしれない。

 主人公の香菜子が最愛の夫である大介を亡くして失望していると、もう一度大介に逢ってみないかという女性が現れる。香菜子はもう一度夫に逢いたい一心から、半信半疑でその女性の経営するカフェ『デイ・トリッパー』を訪れ、遡時誘導機に搭乗して夫が生きている時代へタイムスリップするのである。ただここでいうタイムスリップとは、心だけが過去の自分の中に跳んでゆくという方式なのであった。

 心だけが過去に跳ぶという仕組みは目新しいかもしれないが、70歳になっても相変わらず青春しているところが梶尾真治の素晴らしいところだろう。ただストーリーとしてはありきたりでいま一つの感があった。まあこの年だからしょうがないか…。

評:蔵研人

 

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2023年5月 3日 (水)

アンモナイトの目覚め

★★★☆
製作:2020年 英国 上映時間:118分 監督:フランシス・リー

 実在の考古学者であるメアリー・アニングの一面を描いたラブストーリーである。彼女が産まれたのは1799年、イギリス南部海岸ドーセット州のライム・レジスという小さな村であった。父親は家具職人だったが、ライム・リージス村沿岸の崖で化石を採集し、それを観光客に売ることで生計を立てていた。
 彼は子供達にも化石採集のノウハウを教えていたが、ことにメアリーは強い興味を示して、幼い頃から化石採集に積極的であったという。1810年にその父親が亡くなると、アニング家の収入が途絶えたため、メアリーと兄のジョセフで化石を採集し、生計を支えなければならなくなったのである。

 父親の死から1年後の1811年、メアリーは世界で初めてイクチオサウルスの全身化石を見つけたという。彼女はこの時わずか12歳であり、その後も2体のイクチオサウルスの化石を発見し、なんと1828年には、なんとプレシオサウルスの骨格化石も発見している。こうして彼女は一挙に有名人となり、初期の古生物学に大きく貢献し歴史にその名を刻むことになるのだった。

 メアリーは生涯を通じて化石の発掘と研究に没頭し、生涯独身を貫き通したが、残念ながら乳がんのため47歳の若さでこの世を去ってしまった。本作でのメアリーは、考古学者という趣よりも、実家にて老いて病弱な母親の面倒を見ながら、観光客相手のお土産化石店を営む気難しい中年女性として描かれている。そして療養のために訪れた「裕福な客の妻」との同性愛に溺れてゆく姿を追いかけてゆく。

 メアリー演じたケイト・ウィンスレッドは相変わらずの演技達者だし、相手役のシャーロットを演じたシアーシャ・ローナンは、とてもチャーミングで好感を持てた。ただこの同性愛話は監督フランシス・リーの創作らしい。もちろん地質学者でもあるシャーロットと交流があったのは事実らしいが、同性愛関係の描写については、アニングの親族からクレームもあがったという。
 いずれにせよ、本作は「何を言いたかったのか」が良く分からないまま「ザ・エンド」となり、なにやらモヤモヤ感が残る作品であった。そしてメアリーとその母親が、常に発している暗い拒否反応は一体何を意味していたのかの説明も欲しかったね。決してつまらない映画ではないのだが、かなり判りづらい映画であることは否めないだろう。


評:蔵研人

 

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