

★★★☆
製作:2020年 英国 上映時間:118分 監督:フランシス・リー
実在の考古学者であるメアリー・アニングの一面を描いたラブストーリーである。彼女が産まれたのは1799年、イギリス南部海岸ドーセット州のライム・レジスという小さな村であった。父親は家具職人だったが、ライム・リージス村沿岸の崖で化石を採集し、それを観光客に売ることで生計を立てていた。
彼は子供達にも化石採集のノウハウを教えていたが、ことにメアリーは強い興味を示して、幼い頃から化石採集に積極的であったという。1810年にその父親が亡くなると、アニング家の収入が途絶えたため、メアリーと兄のジョセフで化石を採集し、生計を支えなければならなくなったのである。
父親の死から1年後の1811年、メアリーは世界で初めてイクチオサウルスの全身化石を見つけたという。彼女はこの時わずか12歳であり、その後も2体のイクチオサウルスの化石を発見し、なんと1828年には、なんとプレシオサウルスの骨格化石も発見している。こうして彼女は一挙に有名人となり、初期の古生物学に大きく貢献し歴史にその名を刻むことになるのだった。
メアリーは生涯を通じて化石の発掘と研究に没頭し、生涯独身を貫き通したが、残念ながら乳がんのため47歳の若さでこの世を去ってしまった。本作でのメアリーは、考古学者という趣よりも、実家にて老いて病弱な母親の面倒を見ながら、観光客相手のお土産化石店を営む気難しい中年女性として描かれている。そして療養のために訪れた「裕福な客の妻」との同性愛に溺れてゆく姿を追いかけてゆく。
メアリー演じたケイト・ウィンスレッドは相変わらずの演技達者だし、相手役のシャーロットを演じたシアーシャ・ローナンは、とてもチャーミングで好感を持てた。ただこの同性愛話は監督フランシス・リーの創作らしい。もちろん地質学者でもあるシャーロットと交流があったのは事実らしいが、同性愛関係の描写については、アニングの親族からクレームもあがったという。
いずれにせよ、本作は「何を言いたかったのか」が良く分からないまま「ザ・エンド」となり、なにやらモヤモヤ感が残る作品であった。そしてメアリーとその母親が、常に発している暗い拒否反応は一体何を意味していたのかの説明も欲しかったね。決してつまらない映画ではないのだが、かなり判りづらい映画であることは否めないだろう。
評:蔵研人
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