« 2023年3月 | トップページ | 2023年5月 »

2023年4月の記事

2023年4月28日 (金)

夏ノ日、君ノ声

★★☆
製作:2015年 日本 上映時間:94分 監督:神村友征

 登場人物を演じたのは、全員知らない俳優ばかりだ。初々しくてそれなりに頑張っているのだが、残念ながら、やはり低予算のB級映画という感覚は否めない。主人公の哲夫と幼馴染のユカに関しては、高校時代と大人時代では異なるキャストが演じているのだが、それにしても全く別の人物にしか見えず、過去と現在が絡み合わないのだ。
 
 本作の構成は、出だしとラストは大人時代なのだが、それ以外はずっと高校時代のラブストーリーで紡がれている。ただし哲夫の恋愛相手は、幼馴染のユカではなく、病院で知り合った難病を患う舞子という少女なのであった。結局のところ、新鮮味のないよくある「難病ラブストーリー」なのだ。
 そもそも難病ものは食傷気味であるが、それに加えて演出はいまひとつだし、脚本のレベルも中・高生向き程度なので心に響いてくるものが無い。救われたのは唯一映像の美しさだけかもしれないね。

 
評:蔵研人

 

下記のバナーをクリックしてもらえば嬉しいです(^^♪↓↓↓

人気blogランキングへ

人気ブログランキングへ

↓ブログ村もついでにクリックお願いします(^^♪

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ

| | | コメント (0)

2023年4月21日 (金)

いちごの唄

★★★☆
製作:2019年 日本 上映時間:114分 監督:菅原伸太郎
 
 ちょっぴり知恵遅れだが、心優しい笹沢コウタは、高校時代に唯一の親友である伸二を事故で失っていた。それから10年後に、コウタはなんと高円寺で高校時代に憧れの君だった千日(チカ)と再会する。それも伸二が亡くなった七夕の日に……。それはまるで神のめぐり合わせとしか考えられない偶然であった。
 千日は連絡先を教えてくれないものの、1年後の七夕の日に同じ場所で逢うことを約束してくれる。こうして1年に一度しか会えない遠距離、いや「遠時間デイト」が何回か続くのであった。
 
 配給元はメジャーな映画会社ではないが、宮本信子、和久井映見、光石研などの一流俳優が脇を固めているので、しっかりした作品に仕上がっている。序盤こそ、コウタ役の古舘佑太郎のわざとらしい演技や短パン姿にやや辟易したが、じつはそれがキーポイントなのだと分かってからは、だんだん共感できるようになった。また単なる恋愛物語ではなく、作品全体を包むような優しさに心が和んでしまった。さらに曖昧なラストもそれなりに味があったね。
 最近はマンガの実写化とアニメに頼りっきりの邦画だが、製作費は少なくともこんな映画なら創れるだろう。といった見本のような映画であった。
 
 
評:蔵研人
 

下記のバナーをクリックしてもらえば嬉しいです(^^♪↓↓↓

人気blogランキングへ

人気ブログランキングへ

↓ブログ村もついでにクリックお願いします(^^♪

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ

| | | コメント (0)

2023年4月14日 (金)

レイニーデイ・イン・ニューヨーク

★★★☆
製作:2019年 米国 上映時間:92分 監督:ウディ・アレン
 
 ペンシルバニア州ヤードレー大学新聞部の美人記者アシュレーは、ニューヨークで有名な映画監督にインタビューするチャンスを得る。それでニューヨーク育ちのボーイフレンド・ギャツビーと一緒にニューヨークに旅立ち、そこでロマンチックな週末を過ごす予定だった。
 
 当初は1時間の予定だったインタビューだったのだが、有名監督や脚本家さらには人気男優たちと会って話すたびに1時間が3時間となり、さらには丸一日に延長されてしまう。スター達と間近に接したアシュレーはそれで良かったものの、何度もすっぽかされて彼女が何処で何をしているかも分からないギャッビーのほうは、だんだんイライラが募ってくるのだった。
 
 よくある行き違いだらけのラブコメなのだが、アシュレーの余りにも自分勝手な行動には、観ているほうにもギャッビーのイライラが伝染してしまいそうなのだ。ただアシュレー役のエルファニングが余りにも可愛過ぎるので、観客の男性たちは何となく許してしまいそうだよね。一方ギャツビーの元カノの妹のほうは、スタイルは良いけど顔と声がおばちゃん風でいまいちだったな。
 いずれにせよ久々に「映画館で観る洋画」といった、お洒落な雰囲気が漂う映画を観た感がある。そしてラストのビリッとした締め方も、なかなか味わい深かったね。
 
 
評:蔵研人
 

下記のバナーをクリックしてもらえば嬉しいです(^^♪↓↓↓

人気blogランキングへ

人気ブログランキングへ

↓ブログ村もついでにクリックお願いします(^^♪

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ

| | | コメント (0)

2023年4月10日 (月)

タイムスリップ明治維新

著者:鯨統一郎
 
 著者のタイムスリップシリーズは、『タイムスリップ森鴎外』に始まり、本書の『タイムスリップ明治維新』以下、『タイムスリップ釈迦如来』、『タイムスリップ水戸黄門』、『タイムスリップ戦国時代』、『タイムスリップ忠臣蔵』、『タイムスリップ紫式部』、『タイムスリップ聖徳太子』、『タイムスリップ竜馬と五十六』、『タイムスリップ信長vs三国志』の10編が数えられる。その中でも著者自身が1、2を争う出来だと豪語しているのが本作なのである。
 
 初回作の『タイムスリップ森鴎外』では、森鴎外が現代の渋谷にタイムスリップし、高校生の麓うららたちと知り合い、助けられながら過去に戻って行くという話だった。ところが今回は、現代人の麓うららが明治維新にタイムスリップし、そこで7年間も過ごすことになるのである。そして薩摩藩士の中村半次郎に処女を捧げ、そのあと桂小五郎、岩倉具視ともセックスすることになるのだ。
 
 前作の『タイムスリップ森鴎外』ほどではないが、やはりかなりハチャメチャでご都合主義な展開ではあったが、相変わらず読み易いのであっという間に読破してしまった。かなり軽過ぎるかもしれないが、寝転びながら楽しんで歴史の概要を掴みたい人には受けるかもしれないね。
 
評:蔵研人

 

下記のバナーをクリックしてもらえば嬉しいです(^^♪↓↓↓

人気blogランキングへ

人気ブログランキングへ

↓ブログ村もついでにクリックお願いします(^^♪

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ

| | | コメント (0)

2023年4月 6日 (木)

タイムスリップ森鴎外

著者:鯨統一郎
 
 大正時代の文豪・森鴎外が何者かに命を狙われ、崖から墜落して意識を失ってしまう。だが気が付くとそこは…な、なんと現代の渋谷道玄坂下だったのである。
 そしてチンピラと揉みあいになっているときに、超ミニスカートの女子高校生うららと七海に助けられるのだ。これを機に鴎外は彼女たちとその仲間四人と親しくなり、なんとか現代で生活できるようになる。
 大正人にも拘らず飲み込みが早く適応能力抜群の鴎外は、和服を脱ぎユニクロの服を着て、髪を金髪に染めサングラスをかけて、ウォークマンを聞きながら渋谷の街を闊歩する。さらにはケータイで女子高生にメールをし、カラオケボックスで熱唱し、な・な・なんと、渋谷の街頭でラップまで披露するのである。だが安穏とした日々は長く続かず、さらに彼の命を狙って追いかけてくる刺客が二人現れるのだった。
 
 と……なにせ奇想天外ハチャメチャな展開のタイムスリップ小説なのだ。だが読み易い文章でテンポ良く話が弾むので、遅読の私でもあっという間に読了してしまった。ただ犯人捜しの部分はかなりこじつけ感が漂いくどさも残ったかな。
 いずれにせよ森鴎外に抱いていた「堅いイメージ」がぶっ飛んでしまうことだけは間違いないだろう。ちなみに著者である鯨統一郎は覆面作家と言われているのだが、「タイムスリップシリーズ」10作以外にもかなりの数のシリーズものを手掛けているし、全般的にもの凄い著作量をこなしているではないか。もしかすると「鯨統一郎」とは個人名ではなく、数名で構成する小説プロダクション名なのかもしれないね。
 
評:蔵研人

 

下記のバナーをクリックしてもらえば嬉しいです(^^♪↓↓↓

人気blogランキングへ

人気ブログランキングへ

↓ブログ村もついでにクリックお願いします(^^♪

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ

| | | コメント (0)

« 2023年3月 | トップページ | 2023年5月 »