« キャッシュトラック | トップページ | ジュラシック・ワールド 炎の王国 »

2023年3月 1日 (水)

男と女の観覧車

★★★☆
製作:2017年 米国 上映時間:101分 監督:ウッディ・アレン
 
 主役は元女優だが、今は落ちぶれてコニーアイランドの遊園地内にあるレストランで、嫌々ウエイトレスをしている中年女ジニーである。彼女は年配男のハンプティと再婚し、連れ子のリッチーと三人で観覧車の見える安い部屋で暮らしていた。
 しかしもともとが派手好きな彼女は、ハンプティとの平凡で地味な毎日に失望し、海岸で監視員のアルバイトをしながら劇作家を目指している若い男ミッキーと不倫してしまうのである。そしてミッキーとの甘い未来を夢見ていた。ところがそこに突然、ギャングと駆け落ちし音信不通になっていたハンプティの娘キャロライナが出現し、全てが大きく狂い出してゆくのだった。
 
 ほとんど全編が、主人公ジニーのイライラと怒りと葛藤の連続なので、観ているほうもだんだん憂鬱になってくる。ということは逆に言えば、それほどジニーを演じているケイト・ウィンスレットの演技力が卓越しているということの証なのであろう。
 本作には会話劇的なシーンが多く、ジニーが濃いメイクの鋭い眼差しで、振られた彼氏に大見えを切る痛々しいシーン等は、まるで舞台劇を観ているかのようである。また息子は放火癖があり言うことを聞かない、旦那は年配でさえない、仕事は面白くない、不倫相手とは上手くいかない、これではまるでないない尽くしの暗くて悲しくて救いようのない映画ではないかと、誰もが錯覚してしまうはずだ。ただもう少し深読みすれば、実はウッディ・アレン監督が仕掛けた「自己中人間たちへの皮肉で塗りつぶされた映画」なのだと気づくことだろう。
「結局人生なんて、どうあがいても思うようにはならず、夢は大きく膨らんでも、まるで観覧車のようにいつの間にか元に戻ってしまうのさ……」
 
 
評:蔵研人

 

下記のバナーをクリックしてもらえば嬉しいです(^^♪↓↓↓

人気blogランキングへ

人気ブログランキングへ

↓ブログ村もついでにクリックお願いします(^^♪

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ

| |

« キャッシュトラック | トップページ | ジュラシック・ワールド 炎の王国 »

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« キャッシュトラック | トップページ | ジュラシック・ワールド 炎の王国 »