マーメイド・イン・パリ
★★★
製作:2020年 フランス 上映時間:102分 監督:マチアス・マルジウ
本作はセーヌ川に浮かぶ老舗バー『フラワーバーガー』のオーナーの息子であり、パフォーマーでもあるガスパールと人魚・ルラのラブストーリーである。その二人(一人と一匹?)の関係は、ガスパールが、仕事帰りにセーヌ川の畔で傷ついた人魚を見つけ、治療のために奔走した後に自宅に連れ込むところから始まる。
人魚に出逢った男たちは、その美しい歌声に魅了され、心臓が締め付けられて命を奪われてしまう。ところがなぜかガスパールだけは、その歌声を聞いても何の異常も起こさないのだ。それは彼が恋に破れ続けていて、恋する感情をなくしてしまったからのようであった。そんな二人であったが、いつしか恋に落ちてゆくのだった。果たしてガスパールは無事でいられるのだろうか。
それにしても、半魚人との恋を描き、2017年のアカデミー賞を総なめした『シェイプ・オブ・ウォーター』となんとなく似ているではないか。少なくともポスターは、そっくりそのままパクッた感がある。ただ当然だが、映画の完成度は全く及ばない。
また個人的な趣味の問題かもしれないが、タトゥーだらけで髭面の主人公には誠実さが感じられないし、人魚役の女優にもいまひとつ魅力を見いだせなかった。また終盤になって、主人公たちがいきなり病院に拘束されていたのはなぜだろうか。どうも編集途上でその経緯部分が、カットされてしまったような感がある。従って夫を人魚に殺された女医ミレナの描かれ方も、かなり中途半端になってしまったようだ。
本作を簡単にまとめると、映像や音楽は素晴らしく、パリの夜景が良く似合うお洒落なフランス映画。ただ脚本とキャストにやや難があり、感情移入ができないし、カタルシスも得られない残念な作品とも言えるだろう。
評:蔵研人
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