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2023年1月 3日 (火)

キネマの神様

★★★☆
製作:2021年 日本 上映時間:125分 監督:山田洋次
 
 松竹100周年記念映画で、原田マハの同名小説を映画化した作品である。本来主役は志村けんが務める予定だったのだが、ご承知の通り新型コロナウィルスに感染し死亡してしまった。そこでかつて志村と同じ事務所で年齢の近い沢田研二が、急遽代役を引き受けたという曰く 付きの作品でもある。
 
 老いても酒と賭け事に溺れるダメ老人・ゴウを演じたのが沢田研二。そして映画監督を目指し颯爽とした若き日のゴウを演じたのが菅田将暉。この主人公ゴウと妻の淑子、さらに親友の映写技師テラシンとの三角関係を織り込みながら、ストーリーは時代を超えてパラレルに紡がれてゆく。
 本作は古き良き時代の映画への思いと、友情と恋愛の捻れを心地良く描いた良作と言える。まさに松竹100周年記念映画にふさわしい作品だと言ってもよいだろう。
 
 ただ余りにも「志村けん追悼にこだわり過ぎた感」が臭くてたまらなかった。ジュリーが志村と似たような演技をしたことはともかく、カラオケで『東村山音頭』まで歌うことはなかったと思う。せめてジュリーの持ち歌を歌ったほうが笑えたのではないだろうか。
 あと予算の関係なのか、せっかく山崎貴がVFX監修となっているのに、撮影所と飲み屋のセットシーンが多く、『三丁目の夕日』のような昭和の風景が余り描かれていなかったところが残念である。
 
 ただ妻・淑子役の宮本信子と若き日の淑子を演じた永野芽郁が、微妙にシンクロしていて好感が持てた。そして小林稔侍のテラシンだ、さすが「この役は俺にしかできないぞ」というようなオーラが漂っていた。だけど一番良かったのは、引きこもりだが優しい孫・勇太をさりげなく演じた前田旺志郎かもしれない。とにかくゴウじいちゃんと、孫の勇太のほっこりした空気感には感動したよな……。
 
 
評:蔵研人

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