ファーザー
★★★☆
製作:2020年 英国・仏国 上映時間:97分 監督:フロリアン・ゼレール
あの名優アンソニー・ホプキンスが認知症の父親役を演じ、「羊たちの沈黙」以来、2度目のアカデミー主演男優賞を受賞したヒューマンドラマである。ほとんどが部屋の中での会話劇なので舞台劇のようだと感じたが、やはり原作は2012年に発表された戯曲「Le Pere 父」であった。
81歳を迎えたアンソニーは、少しずつ認知症の症状が勃発し始めていた。だが癖の強い彼はヘルパーとうまくゆかない。そんなおり娘のアンが、ロンドンからパリに移住するので毎日会えなくなると告げる。
ところが急に時間軸がずれたような状況になって、見知らぬ男が家の中で寛いでいるではないか。誰かと尋ねると、男はアンの夫だと言うではないか。だがおかしい、確かアンは5年前に離婚したはずである。そこへアンが戻ってくるのだが、それは全く見ず知らずの女だった。そしてパリには移住する予定はないと言うではないか……。
こんな状況でストーリーはアンソニーの幻想のような、訳の分からない形で紡がれてゆくのである。そしてある程度は予測していたものの、衝撃のラストシーンに繋がってゆく。それにしても難解で同じようなシーンが重なる暗い作品なのだが、なぜか全く退屈しなかった。これはきっとアンソニー・ホプキンスの名演技の賜物なのだろう。
評:蔵研人
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