穂足のチカラ
★★★★
著者:梶尾真治
父は安月給のダメ社員、母は深刻なパチンコ依存症、そしてシングルマザーの娘に登校拒否の息子、さらには痴呆寸前の祖父。全く冴えない海野家で唯一の救いは三歳児の孫である穂足くんだけなのだ。その穂足はなんと予知能力を持っているらしい。だがその予知に家族が従わなかったため、彼は事故に巻き込まれて意識不明になってしまうのである。
さあ大変、ダメ人間揃いの海野家の中で唯一希望の星だった孫が意識不明のまま入院してしまうのだ。ところがその日を境に家族全員に超能力のようなものが芽生え始めるのだった。それから一人一人が超人化して、いままでのダメ人間から素晴らしい人間に急成長してゆく下りが面白い。いや面白いというより、スカッとして溜飲が下がるのである。
さてその先、穂足はどうなるのだろうか。それは読んでのお楽しみだが、話はだんだん大きくなり、海野家の成長物語から人類全員を救う物語へと進展してゆくのだ。SFというよりは御伽噺といった流れになってゆくのである。読む人によってはバカバカしく感じるかもしれない。だがいずれにせよ穂足ちゃんが愛らしいことだけは、誰にでも納得できるだろう。
評:蔵研人
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