竜とそばかすの姫
★★★☆
製作:2021年 日本 上映時間:121分 監督:細田守
なんとなくタイトルからは、ディズニーの『アナ雪』を連想してしまうのだが、中身は日本の女子高生が体験する『マトリックス』や『アバター』という感触のSFチックなアニメであった。また竜との出会いは、『美女と野獣』を連想させられるのだが……。
そばかすの目立つ女子高生のすずは、幼いころに母親を亡くして以来、父とは必要最低限の言葉しか交わさず、大好きだった歌も歌えなくなっていた。そんなある日、親友からインターネット上の仮想世界<U>に誘われる。そこでアバター<As>を「ベル」と名付けたすずは、仮想世界の中で、歌うことを思い出していく。そしてベルの歌は瞬く間に世界中で大人気になるのであった。ところがある日、<U>の世界で行われたコンサートで、突然「竜」のアバターがコンサートに表れて滅茶苦茶にしてしまう。そんなこともあり、世界中の憎しみを受けてしまう竜だが、ベルだけは彼に親しみを感じるのだった。
こんな流れのストーリーの中に、音楽とちょっぴり甘酸っぱい恋心、さらにDVや引きこもりという社会問題までブレンドさせた新感覚的意欲作なのである。そのチャレンジ精神は大いに讃えたい。だが残念ながら、それぞれの世界観やテーマがすっきりと絡み合わず、中途半端さばかりが渦巻いて感情移入できないのだ。そのうえラストの無理やり取って付けたような展開も如何なものだろうか。大人たちはほとんど何もせず、子供のすずだけが深夜に遥かかなたの武蔵小杉まで、見ず知らずの少年を捜し歩くという理解不能な行動。そのくせすずのできることは、死んだ母親同様の自己犠牲だけなのだ。それにしても、一体すず以外の登場人物は、何の意味を持つのだろうか……。
評:蔵研人
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