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2022年12月の記事

2022年12月30日 (金)

デイ・アフター・トゥモロー2021

★★
製作:2020年 米国 上映時間:90分 監督:マクシミリアン・エルフェルト
 
 タイトルに騙されてしまった。あの2004年 に製作された『 デイ・アフター・トゥモロー 』(原題: The Day After Tomorrow )とは全く別物の三流映画だった。この紛らわしいタイトルは邦題で、原題は『APOCALYPSE OF ICE』(氷の黙示録)である。
 
 2021年、新型ウィルスの感染爆発により世界はロックダウン。さらに北極で異常な気象変動が発生し、巨大寒波が凄まじい勢いで成長していたのだ。その寒波は全世界を襲い、人類は壊滅の危機を迎える。この寒波から逃れるには赤道直下のエクアドルに向かうしかない。そしてパナマでウイルス治療薬を開発した科学者のジルたちは、この治療薬を守るため安全地帯エクアドルを目指すのだが、途中凍り付いた山道で事故に遭遇してしまう。果たして彼女たちは無事エクアドルに辿り着けるのだろうか……。
 
 こう書くとまさに「大スペクタクルパニック映画」のようだが、製作費が貧弱なためかキャストは無名俳優ばかりで僅か数人しか登場しないし、CGもチンケだし撮影場所も普通の山道とか車の中ばかりなのだ。よくこんな低予算でパニック映画を創る気になったのだろうか。呆れてものも言えない。それに男たちが余りにもだらしなく、足手まといになるばかりなのだ。いまだかつてこんな酷いパニック映画は観たことがない。
 だがよく調べてみると、ほかにも『デイ・アフター・トゥモロー2020』、『デイ・アフター・トゥモロー2018』、『デイ・アフター・トゥモロー2017』と紛い物が続々と出てきたのには驚いてしまった。(苦笑)
 
 
評:蔵研人

 

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2022年12月25日 (日)

トレマーズ4

★★★
 
製作:2003年 米国 上映時間:101分 監督:S・S・ウィルソン
 
 監督が前作とは代わり、第一作で脚本・第二作で監督を手掛けたS・S・ウィルソンとなり、ストーリーも三作までの前日談となっている。さらにそれも西部劇仕立てとなっているのだ。
 
 その影響なのか、前作のようなドタバタ場面は少なく、芋虫怪物の造形も前作よりはマシな状態だったし、ほのぼのとした人情味あふれる良作に仕上がっているではないか。また主人公は前作同様マイケル・グロスが務めているが、前作とは打って変わって優しい知識人を演じているのだ。さすが腐っても俳優だなあと感心してしまった。
 
 
評:蔵研人

 

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2022年12月21日 (水)

トレマーズ3

★★☆
 
製作:2001年 米国 上映時間:104分 監督:ブレント・マドック
 
  芋虫の大親分のような地底怪物グラボイズがウロチョロするネバダ州のとある小さな村でのお話。主人公は第一作から登場している偏執的なプレッパーでガンマニアのバート・ガンマー(マイケル・グロス)、グラボイズ・サファリというインチキ体験ツアーを開催しているジャック・ソーヤー(ショーン・クリスチャン)、グラボイズを町の名物にして専門ショップを開きたいと考えている小売店を営む中華系の女ジョディ・チャン(スーザン・チャン)の三人である。
 
 シリーズ三作目の本作は、今までと監督が代わったせいか恐怖感の全くないドタバタコメディーといった感があった。それにグラボイズも進化して、空を飛ぶアスブラスターという怪獣になり襲い掛かってくるのである。それはそれでどちらでも良いのだが、B級映画にしても余りにもチンケなCGにげんなりしてしまう。それにキャストもどんどん質が落ちて、前回まで脇役だったバートが主人公なのだから呆れてしまう。
 だがこのシリーズは1990年の第一作から本作を通り過ぎて、2020年の『トレマーズ地獄島』まで8作にも及んでいるのだ。一体何が面白くてこれだけ延々とシリーズ化されているのか理解に苦しんでしまうよな……。
 
 
評:蔵研人

 

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2022年12月16日 (金)

穂足のチカラ

★★★★
著者:梶尾真治
 
 父は安月給のダメ社員、母は深刻なパチンコ依存症、そしてシングルマザーの娘に登校拒否の息子、さらには痴呆寸前の祖父。全く冴えない海野家で唯一の救いは三歳児の孫である穂足くんだけなのだ。その穂足はなんと予知能力を持っているらしい。だがその予知に家族が従わなかったため、彼は事故に巻き込まれて意識不明になってしまうのである。
 
 さあ大変、ダメ人間揃いの海野家の中で唯一希望の星だった孫が意識不明のまま入院してしまうのだ。ところがその日を境に家族全員に超能力のようなものが芽生え始めるのだった。それから一人一人が超人化して、いままでのダメ人間から素晴らしい人間に急成長してゆく下りが面白い。いや面白いというより、スカッとして溜飲が下がるのである。
 
 さてその先、穂足はどうなるのだろうか。それは読んでのお楽しみだが、話はだんだん大きくなり、海野家の成長物語から人類全員を救う物語へと進展してゆくのだ。SFというよりは御伽噺といった流れになってゆくのである。読む人によってはバカバカしく感じるかもしれない。だがいずれにせよ穂足ちゃんが愛らしいことだけは、誰にでも納得できるだろう。
 
評:蔵研人

 

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2022年12月10日 (土)

御法度

★★★
製作:1999年 日本 上映時間:100分 監督:大島渚
 
 時代背景は1865年ころの京都で、あの池田屋事変のあとの新選組に入隊してきた美少年を巡る怪しいお話である。その美少年・加納惣三郎を演じたのは、当時中学生だった松田龍平なのだ。彼は『御法度』の主役を捜していた大島渚監督に見初められて直接に出演要請される。
 だが俳優にあまり興味のなかった龍平は、高校受験を理由に一度は断ったのだが、「受験が終わった後なら出来るか?」と聞かれ断る理由が無くなってしまい、結局は父・松田優作と同じ俳優の道に進むこととなるのである。
 
 本作ではまだ素人だったため、当然ながらぎこちない演技が目立った龍平だが、彼の凄まじいばかりの色気と妖気と美貌には誰もが圧倒されてしまうだろう。それもあってか、彼は日本アカデミー賞新人俳優賞をはじめ、数々の映画賞を総なめにしたのである。
 それにしても、中学生に男同士の絡みをさせた大島監督の慧眼と執心ぶりも凄いよね。それに加えて美しい映像と坂本龍一の音楽、そしてたけしの渋い演技をブレンドした大島流の最後の作品となってしまったのだ。ただテーマが同性愛なので、好き嫌いがはっきりする作品かもしれない。
 
 主な出演者は、土方歳三にビートたけし、加納の愛人田代彪蔵に浅野忠信、さらに武田真治、崔洋一、坂上二郎、伊武雅刀などが脇を固めている。また本作の4年後に『座頭市』を演じたビートたけしだが、このころからなかなか鋭い殺陣がこなせたんだね。まさに土方歳三はぴったしカンカンだったかも……。
 
評:蔵研人

 

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2022年12月 6日 (火)

時空大戦

著者:草薙圭一郎
 
 2004年4月6日のことである。突然猛烈な磁気嵐の襲来に遭遇し、北海道が丸ごと時空を超えて1945年にタイムスリップしてしまう。なんと1945年4月と言えば終戦間際で、米軍による戦艦大和の撃沈や、沖縄の占領が目の前に迫っている状況ではないか。そんな異常事態に戸惑う北海道駐屯の自衛隊だったが、悲惨な敗北や原爆の投下を防ぐため、壊滅寸前の帝国陸海軍を支援することを決定するのである。
 
 現代兵器と半世紀前の兵器の威力の差は歴然としている。だがいかに圧倒的な威力の差があろうとも、自衛隊のミサイルは100発100中で旧米軍の弾丸はほとんどかすりもしないのは行き過ぎではないだろうか。とは言いつつも実に気分爽快なのだ。戦艦大和は撃沈されず、沖縄に上陸した米軍も叩き出し、なんとマリアナ諸島やフィリピンまで奪回してしまうのである。
 さらには歴史上の人物たちも多数登場してくるし、ある意味では太平洋戦争に至った歴史的背景も描かれていてかなり勉強をさせてもらった気がする。そして最後のマッカーサーの謀反と原爆反撃には、誰もがドキドキさせられてしまうだろう。
 
 そんなわけで遅読者の私にしては、600ページを超える長編にも拘らず、あっという間に読破してしまったのだ。さてこの歴史を覆してしまった戦争の行く末はどうなるのか、そして自衛隊たちは現代に戻ることができるのだろうか。それは本作を読んでのお楽しみとしておこう。
 
評:蔵研人

 

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2022年12月 1日 (木)

竜とそばかすの姫

★★★☆
製作:2021年 日本 上映時間:121分 監督:細田守
 
 なんとなくタイトルからは、ディズニーの『アナ雪』を連想してしまうのだが、中身は日本の女子高生が体験する『マトリックス』や『アバター』という感触のSFチックなアニメであった。また竜との出会いは、『美女と野獣』を連想させられるのだが……。
 
 そばかすの目立つ女子高生のすずは、幼いころに母親を亡くして以来、父とは必要最低限の言葉しか交わさず、大好きだった歌も歌えなくなっていた。そんなある日、親友からインターネット上の仮想世界<U>に誘われる。そこでアバター<As>を「ベル」と名付けたすずは、仮想世界の中で、歌うことを思い出していく。そしてベルの歌は瞬く間に世界中で大人気になるのであった。ところがある日、<U>の世界で行われたコンサートで、突然「竜」のアバターがコンサートに表れて滅茶苦茶にしてしまう。そんなこともあり、世界中の憎しみを受けてしまう竜だが、ベルだけは彼に親しみを感じるのだった。
 
 こんな流れのストーリーの中に、音楽とちょっぴり甘酸っぱい恋心、さらにDVや引きこもりという社会問題までブレンドさせた新感覚的意欲作なのである。そのチャレンジ精神は大いに讃えたい。だが残念ながら、それぞれの世界観やテーマがすっきりと絡み合わず、中途半端さばかりが渦巻いて感情移入できないのだ。そのうえラストの無理やり取って付けたような展開も如何なものだろうか。大人たちはほとんど何もせず、子供のすずだけが深夜に遥かかなたの武蔵小杉まで、見ず知らずの少年を捜し歩くという理解不能な行動。そのくせすずのできることは、死んだ母親同様の自己犠牲だけなのだ。それにしても、一体すず以外の登場人物は、何の意味を持つのだろうか……。
 
評:蔵研人
 

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