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2022年10月の記事

2022年10月29日 (土)

君のいた永遠

★★★☆
製作:1999年 香港 上映時間:115分 監督:シルヴィア・チャン
 
 舞台は香港と日本、高校時代に出会った3人の男女の20年間にわたる男女の揺れる心を描いたラブストーリーである。
 17歳の高校生シューヤウは親友チャンリーとコンサートに行き、そこで19歳のミュージシャン志望の青年ホークァンと出会い恋におちる。ふたりは熱烈に愛し合うが、クリスマスの夜に一緒にいたところを彼女の母親に見つかり、引き離されることになるのだった。
 
 またシューヤウは、親友チャンリーから思いがけない愛の告白を聞き、動揺し彼女を叩いて逃げ帰ってしまう。そしてホークァンは日本へ旅立ち、ふたりは離れ離れになり、そのまま別れてしまうのである。
 
 それから7年後のことである。ファッションメーカーのバイヤーになっているシューヤウは、東京で旅行代理店に勤めていたホークァンと偶然再会する。恋が再燃したふたりは初めて結ばれるが、彼は妻ある身であった……。
 さらにまた15年の歳月が流れ、ホークァンは妻と別れ、ショーヤウとの結婚のために香港を訪れる。だが彼女には辞められない仕事があるし、過去の悲しみを繰り返したくない思いも湧き、彼の求婚を断るのである。
 
 …とここまでの展開は、よくあるラブストーリーなのだが、果たして二人は結ばれるのだろうか。まさに興味はその一点に集約される。ところが実は最後にどんでん返しが待っていたのである。とは言え、なんとなく途中でそんな気がしたのだが……。
 若い頃のショーヤウを演じたジジ・リョンはとても綺麗で背が高いね。ホークァンを演じた180㎝の金城武とそれほど変わらないもの。一方の金城武は19歳の役柄にはかなり無理があったし、演技力不足なのかどうもノリが良くなかったね。いずれにせよロマンチックで悪い映画ではないのだが、おじさんにはいまひとつ感情移入ができない作品だったかもしれない。やはり女性監督の経験をもとにした女性向きの映画だからなのだろうか……。
 
 
評:蔵研人
 

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2022年10月23日 (日)

翔んで埼玉

★★★
製作:2018年 日本 上映時間:107分 監督:武内英樹
 
 魔夜峰央のベストセラーコミックを原作にしたまさかの映画化作品である。キャストは高校の生徒会長に二階堂ふみ、美貌の転校生にGACKT、そして伊勢谷友介、ブラザートム、麻生久美子、加藤諒、中尾彬、竹中直人、京本政樹などが脇を固めている。
 
 東京都民からひどい迫害を受け、ひっそりと暮らしている埼玉県民というバカげた設定は笑えるし、序盤の学園ドラマもなかなか面白いのだが、観ているうちにだんだん退屈感が募ってくるのだ。それは敵対していた二階堂ふみとGACKTが、すぐにラブラブな関係になってしまったこと。また中盤以降になると暴力的な展開に終始し過ぎたことが原因かもしれない。
 ネットの評価が高く、予告編もバカ面白かったので期待して観たのだが、自分にはいまひとつ面白さが実感できなかった。う~ん残念だ。
 
 
評:蔵研人
 

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2022年10月19日 (水)

13時間前の未来

著者:リチャード・ドイッチ
 
 何者かに最愛の妻を殺害され、そのうえ犯人容疑で警察に拘留されてしまうニック。無実を叫ぶものの、凶器に使われた拳銃にはニックの指紋が付着していたのである。そんなとき、混乱するニックの前に謎の初老の男が現れ「きみには12時間ある」言い残し、古い懐中時計を置いて去ってゆくのだった。
 なんとこの懐中時計は、一種のタイムマシンであり、1時間前の世界に戻って1時間経過すると、又2時間前へ戻る仕組みになっているのである。その度に、事件の真相に迫ってゆくのだが、協力してくれた友人などが殺されたり、妻が別の形で死んだりして、なかなか上手くゆかないのだ。
 
 過去に戻って何度もやり直すタイムループ作品は、小説では『リプレイ』、映画では『恋はデジャヴ』などに代表され、その他にも多くの作品が発表されている。だが本作は単純に同じ過去をやり直すのではなく、1時間前へさらに1時間前へと13時間前まで、1時間ずつ過去に向かってやり直してゆくところが実にユニークなのである。
 
 いずれにせよスピード感に溢れ、細かい捻りや趣向も随所にちりばめられており、息をつかせぬ連続ドラマを観ているかのようだった。またタイムトラベルあり、謎解きあり、アクションあり、恋愛ありの贅沢三昧な物語なのである。だから映画化される予定だったのだが、残念ながら今のところ製作された軌跡はないようだ。多分映画化するには長過ぎるので見送られたのかもしれない。しかし連続TVドラマならばピッタリカンカンなので、いずれはその方向で検討されることだろう。
 
 ただコアなSFファンの評価はいまひとつなのだが、そもそもタイムトラベル自体が荒唐無稽なのだから、余りむきになってタイムパラドックスや時間論を戦わせる必要はないと考えたい。なかなか馴染めない海外小説が多い中で、これほどスタートからスラスラと読み続けられた小説は珍しい。エンタメは面白ければよいので、クドクドとあら捜しをせず素直に楽しもうではないか。と言いながらも、ダンス刑事のしぶとさと悪知恵にはムカムカ・イライラが募ったね。
 
 さて著者のリチャード・ドイッチの本業は不動産投資関連の仕事で、執筆活動は夜の9時から午前3時までを当てているとのことである。彼はトライアスロン、スキー、スキューバダイビング、スカイダイビングなどをこなし、さらにギターとピアノの腕前を駆使して作曲まで手がけるスーパーマン振りを発揮しているらしい。
 
評:蔵研人
 

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2022年10月12日 (水)

ロスト・バケーション

★★★☆
製作:2016年 米国 上映時間:86分 監督:ジャウマ・コレット=セラ
 
 亡母が教えてくれた秘密のビーチ。医学生のナンシーは休暇を利用して、人いないそのビーチを訪れるのだった。序盤はスタイル抜群のナンシー(ブレイク・ライブリー)の肢体と、美しい風景にサーフィンをブレンドしたノンフィクション風の展開が約20分間続く。それがだんだん退屈になり始めた頃、突如巨大なサメが現れてナンシーに襲いかかってくるのである。
 
 誰もいない海、大腿部はサメの歯型がつき、血が流れ続けているではないか、しかもかろうじて泳ぎ逃げた小さな岩礁は、数時間後の満潮で水没してしまうのだ。こんな状況でもしあなたが人食いザメに襲われたら……という実話っぽいストーリーだが、終盤になって急にアクション色が濃くなり、現実離れしてゆく。
 とにかく怖い、痛い、ドキドキする映画なのだ。そして舞台のほとんどが海の上であり、登場人物はたった6名だが、大半のシーンはナンシーとサメとカモメだけとう超少人数映画である。こうした映画では心理描写と俳優の演技力が必須となるが、本作ではその条件は見事にクリアしている。
 
 それにしても、サメが余りにもしつこ過ぎるよね。丸一日も同じ場所を徘徊し続けるかなあ……。また男性たちが異常に弱いし、最後はナンシーがまるで『エイリアン』のリプリーになってしまったのには笑ってしまった。まあ緊張感が漂っていたし、面白かったから細かいことは棚上げしておこうか。
 
 
評:蔵研人
 

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2022年10月 8日 (土)

メカニック

★★★☆
製作:2011年 米国 上映時間:93分 監督:サイモン・ウェスト
 
 どんな相手でも依頼があれば必ず遂行する完璧な仕事ぶりから『メカニック』と呼ばれる凄腕の殺し屋・アーサー・ビショップ(ジェイソン・ステイサム)。ところがある日、組織からとんでもない暗殺指令が下るのであった。それは友人であり恩人でもあるハリー・マッケンナを抹殺せよとの暗殺命令だった。アーサーは戸惑いつつも任務を遂行するのだが、なんと殺したハリーの息子スティーブを助手に迎え、殺しのテクニックをたたき込んでいくのである。
 
 とにかく渋い、渋すぎるほど渋いジェイソン・ステイサムの殺し屋アクションに、つい前のめりになってしまった。ただその割には終盤のカーチェイスあたりから、急にド派手シーンの連続になってしまったのが、ちょっぴりルール違反かもしれないね。それにしてもあれだけ大暴れして、どうして警察に捕まらないのだろうか(苦笑)……。
 
 本作は1972年にチャールズ・ブロンソン主演の同名映画のリメイク版だと言う。道理で主役のアーサーが渋いはずである。そのオリジナル版は観ていないので比較はできない。だがジェイソン・ステイサムが『アドレナリン』のようなおバカ系アクションだけではなく、落ち着いた大人系アクションもこなせることが分かったのは新発見であった。
 
評:蔵研人
 

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2022年10月 4日 (火)

AVA/エヴァ

★★★
製作:2020年 米国 上映時間:97分 監督:テイト・テイラー
 
 凄腕の女暗殺者エヴァは、任務をこなしながらも常に「なぜ標的たちは殺されるのだろうか」と自問自答を繰り返していた。そしていつも標的を殺害する直前に、なぜ自分が殺されるのか心当たりはあるか質問するのだ。このことを知った組織は、エヴァは組織にとってリスクが多過ぎると判断し、エヴァを始末しようとする。
 
 ただ本作はそれだけの単純なアクション映画ではなかった。もちろんエヴァの暗殺任務とそれを命じている組織との奇妙な戦いが中心となっていることは否めない。だがそれと並行しながら、エヴァと家族との葛藤をジワジワと絡めているのである。まあストーリー構成としてはなかなか興味深いのだが、アクションにしても家族との関係にしても、どちらつかずで中途半端な創りとなっていてすっきりしないのだ。
 
 また主役のエヴァを演じたジェシカ・チャステインの演技力は相変わらず評価できるものの、このような激しいアクションものを彼女に演じさせる理由が見当たらない。さらにコリン・ファレルに悪役は似合わないし、総じてキャスト全体に違和感があると感じたのは私だけであろうか。
 
作:蔵研人
 

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