任侠中仙道
★★★
製作:1960年 日本 上映時間:91分 監督:松田定次
片岡千恵蔵扮する清水の次郎長と、市川右太衛門の国定忠治が手を取り合って、悪代官と悪博徒一味を退治する勧善懲悪時代劇である。余りにもご都合主義で単純な脚本だが、東映恒例の正月オールスター映画であり、ストーリーより超豪華な俳優総出演が見所の作品なのだ。
先にあげた千恵蔵、右太衛門のほか、中村錦之助、大川橋蔵、東千代之介、里見浩太朗、若山富三郎、大友柳太朗、黒川弥太郎、山形勲、進藤英太郎、大河内傳次郎、月形龍之介、などなどいつでも主役を張れる大物俳優たちがズラリと並んでいるのだ。…ということで日本中が沸きに沸き、当時の配収は3億5091万円を達成し1959年度の邦画配収ランキング第1位となったという。
それにしてもまさに大東映時代の超豪華な時代劇である。撮影場所と時代劇俳優が、湯水のようにふんだんに溢れていた良き時代でもあった。もうこうした大時代劇は現代では絶対に創れないだろう。
また「パシャッ」「カキーン」といった派手な擬音や、首や腕がふっ飛ぶなどの残酷描写は皆無の殺陣だが、よく観ているとそれなりにスピード感もあり完成度の高さが感じられた。さすが誰も彼もが時代劇俳優たちである。
さらに月形・山形・進藤などの、板についた悪役振りも実に懐かしく見せてもらった。彼らは実生活でも悪人なのだと、当時子供心に信じていたくらいの嫌われ役者で、こんな俳優も今では余り見当たらない。まあ映像技術や脚本が現代では通用しないものの、たまにはこうした安心できる東映時代劇に浸って心を癒すのも良いかもしれない。
評:蔵研人
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