怪猫からくり天井
★★★☆
製作:1958年 日本 上映時間:72分 監督:深田金之助
舞台は鍋島藩で、いわゆる化け猫怪談時代劇である。子供の頃に何度か似たような映画を観ている。そして眼の不自由な囲碁打ちが、殿さまに手打ちになると言う設定や、化け猫が行燈の油を舐めるシーンもよく覚えているので、もしかすると大昔に本作を観ているのかもしれない。
子供の頃は化け猫映画が怖くてトイレに行けなくなったものだが、今になって観てみると単純でばかばかしくて全く怖くないのだ。なんと言っても化け猫のキャラが歌舞伎調で笑ってしまう。もし現代のCG技術を駆使しすれば化け猫キャラを、エイリアンのようにおどろおどろしく作れるかもしれないが、まあ64年前の作品なので仕方ないよね。
ただ化け猫映画と言っても、化け猫が飼い主を殺された恨みを晴らすため、殿さまに復讐しておしまいという話ではないのだ。つまり本当に悪い奴は殿さまではなく、殿さまの悪行を後押して失脚させ、お家乗っ取りを謀っている悪家老なのだった。この悪家老に当代一の悪役だった三島雅夫が悪人臭を漂わせ、それを阻止しようとする重臣役・月形龍之介の渋み走った演技にしびれてしまうのだ。なんと化け猫映画というよりは、化け猫をダシに使った「東映本格時代劇」という趣であった。いずれにせよ私のような老人には、郷愁を呼び起こされる懐かしい映画と言えるだろう。
作:蔵研人
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