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2022年7月の記事

2022年7月29日 (金)

ソード・オブ・レジェンド 古剣奇譚

★★★
製作:2018年 中国 上映時間:105分 監督:レニー・ハーリン
 
 中国製の人気ゲームを映画化したものらしい。主人公のユエ・ウーイーは、失踪した師匠を探す旅に出るのだった。そして手掛かりの指輪を手に入れるのだが、この指輪を巡って「指輪争奪戦」が始まる。はじめはメインキャラ同士が戦っているのだが、共通の敵が現れて共闘しているうちに、いつの間にか仲間になってしまう。
 
 この辺りまではアクションも素晴らしく、なんとか先に期待を持つ展開だったのだが、そのあとだんだんストーリーが雑になり、登場人物も限られてくるので急にテンションが下がってゆく。また忍者・妖怪・ロボットなどなどが無意味に登場するのだが、その真意が掴めずなかなか物語に入り込めない。さらに敵ボスだと思っていた者が悪人ではなく、実は鬼のような不気味な妖怪がラスボスだったというその場凌ぎ的な急展開。
 
 どうしようもなくつまらない訳ではないのだが、もう少し丁寧に脚本を練って欲しかったね。まあゲームの実写化なんてこんなものなのかな。

 

評:蔵研人
 

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2022年7月25日 (月)

ラヴレター

★★★★
著者:岩井俊二
 
 岩井俊二と言えばその昔、若手有望監督として廃れていた日本映画界に新風を吹き注目されたものだが、来年はいつの間にか還暦を迎えるらしい。私も彼のピュアな映画が大好きで彼のほとんどの作品は観たつもりである。ただ近年上映された類似作品『ラストレター』は覚えているのだが、本作を映画化した『Love Letter』は観たのか観ていないのかよく覚えていないのだ。
 
 映画ではまだ若かりし頃の中山美穂が二役を演じて話題になったり、日本アカデミー優秀作品賞に輝いているし、なんと韓国でも大ヒットを飛ばしたようである。だからという訳ではないが、小説との比較のためにも、既に観ていたとしても改めてこの映画を観てみたい気がする。
 それにしても映画監督は脚本を手掛けることが多いので、小説を書いてもおかしくはないのだが、本作はなかなか出来の良い小説だと感じた。それもそのはず岩井俊二は、学生時代から小説家を目指していたのだと言うではないか。
 
 ラヴレターというタイトルであるが、手紙の交換は藤井樹と渡辺博子という二人の女性の間で行われる。もっとも最初に渡辺博子が雪山で遭難したフィアンセに宛てて書いたつもりの手紙が、同姓同名の女性に届いてしまったという偶然から始まるのだが…。
 もしかすると天国のフィアンセからの手紙なのかもしれないと、夢のような微かな希望にすがる博子の純なこころが痛ましく悲しい。ただ誰もがその瑞々しさと切なさの中に、青春時代のノスタルジーを感じとるはずである。
 
評:蔵研人
 

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2022年7月19日 (火)

アトリエの春、昼下がりの裸婦

★★★☆
製作:2014年 韓国 上映時間:102分 監督:チョ・グニョン
 
 原題は『春』というような意味のようだが、どうも邦題の「アトリエの春」にぶら下がっているサブタイトル「昼下がりの裸婦」がいやらしくて余り感心しないね。確かにデッサンのモデルとして全裸になるシーンが多いし、ヘアーもはっきり映っているが、助平な映画ではなく純粋な文学作品なのだ。それに愛はあるが、セックス描写は殆どないので、くれぐれも変な期待をしないこと。
 
 圧倒的に超美麗な映像には、思わずうっとりしてしまうが、まるでその自然描写が少ないセリフをカバーしているかのようであった。またなんとなく納得してしまう衝撃のラストも必見である。それにモデル役の女性も美しいが、何と言っても献身的で上品な妻を演じた、竹内結子似の女優さんに惹かれてしまった。
 
 ざっとあらすじを記しておこう。
 時代背景は1969年、全身の麻痺が進む難病を抱えた彫刻家ジュングは湖畔のアトリエで療養していたが、もはや生きる希望を失っていた。それを見かねた妻は、創作意欲を取り戻させようと、貧しい村娘のミンギョンを連れてくる。
 アトリエでミンギョンをモデルに創作を再開したジュングは活力を取り戻す。またミンギョンも辛く貧しい家庭生活から解放され、本来の明るさを取り戻しつつあった。そしてふたりは男女関係を超えた深い絆で結ばれていく。だがミンギョンには小さな子供二人と博打三昧のDV夫がいた…。
 韓国映画であるが、どちらかと言えばフランス映画のような創り方であった。
 
 
作:蔵研人
 

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2022年7月15日 (金)

ザ・ヴォイド 変異世界

★★
製作:2018年 米国 上映時間:90分 監督:ジェレミー・ギレスピー
 
 保安官ダニエルが夜道で血まみれになっている男を助けて病院に運び込むところから始まる。舞台はこの田舎町の病院の中だけ、登場人物も限られ脚本もほぼデタラメなB級ホラー作品である。
 またホラーと言っても全く怖くもなく、ただ気味が悪くて胸糞が悪くなるだけ。そして画面も薄暗くてよく見えないまま、ぐちゃぐちゃで不潔な怪物が襲いかかってくるだけという代物であった。
 それにしても、先が読めなくてなんとなくワクワクしたのは序盤だけで、あとはどうでもよいシーンを意味もなくゆっくりしつこく映しているだけの駄作のような気がする。ただラストシーンだけは妙に気にかかったね。
 
評:蔵研人
 

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2022年7月11日 (月)

オーディション

★★★☆
 
製作:2000年 日本 上映時間:115分 監督:三池崇史
 
 青山重治は7年前に妻と死別したが、現在は独立して起業し高校生の息子と二人暮らし。ある日その息子に再婚を勧められたのをきっかけに、真剣に再婚を考え始める。その話を悪友の吉川にすると、芸能関係の仕事をしている吉川は、「映画のオーディションで結婚相手を探そう」と提案する。
 いたずら半分の架空オーデションであったが、なんと大量の履歴書が届く。その中から30人に絞ってオーデション審査をしたのだが、妙に青山の心を惹きつける女性がいた。長いストレートヘアーを胸まで垂らした、清楚で色白な山崎麻美という24歳の美女であった…。
 
 その後青山は年甲斐ものなく麻美に夢中になり、何度か逢瀬を重ねてゆく。そして「どうも引っかかるので、やめたほうが良い」と言う吉川の牽制を振り切って、麻美を旅行に誘ってしまうのであった。そしてその夜、当然のように二人は結ばれるのだが、ここからストーリーは急展開してしまうのである。
 
 サイコホラーなのだが、なんと原作は芥川賞作家の村上龍なのだ。さらに三池崇史監督のもと、キャストは主演の石橋凌をはじめ、國村隼、石橋蓮司、大杉漣、光石研、松田美由紀と錚々たるメンバーが集まっているではないか。つまりこの作品は、そこいらにあるB級ホラー映画じゃないよ、と自負しているようだ。
 そう言えば旅行に行くまでは丁寧に創っていたのだが、そこからが訳の分からないストーリーに突入し、気分の悪くなるような拷問から、あっという間に収束してしまったのが残念である。まあいずれにせよ中年男が、理由もなく若い美女に好かれるはずがない。世の中そんなに甘くないよ、という教訓映画だったのだろうか。
 
 
評:蔵研人
 

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2022年7月 6日 (水)

アルティメット

★★★☆
製作:2004年 フランス 上映時間:85分 監督:ピエール・モレル
 
 荒廃した近未来のパリが舞台で、危険地区「バンリュー13地区」に居座るギャングとの戦いを描いたアクション映画。主演は『キス・オブ・ザ・ドラゴン』のシリル・ラファエリと『YAMAKASI ヤマカシ』のモデルとなったダヴィッド・ベルの二人である。
 とにかくスタントやワイヤーを一切使用しない迫力のアクションシーンが見どころだが、ストーリーは全くないに等しい。アクションにつぐアクションで、全く休む暇がない。このハチャメチャなおバカ展開は、なんだかリュック・ベッソンモードだな、と思ったらやはり脚本に彼が絡んでいた。
 
 まあはっきり言えば序盤の30分間のパルクールアクションが全てと言っても良いかもしれない。だからと言って決してつまらない映画でもない。とにかく百の解説よりも一度観ればわかるさ、という感じかな…。
 
作:蔵研人
 
 

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2022年7月 2日 (土)

帰去来

著者:大沢在昌
 
 主人公は亡父のあとを継いで警官になった志麻由子という美人婦警である。彼女は連続殺人事件の犯人逮捕のため、公園でおとりになっていたのだが、突然背後から犯人らしき人物に首を絞められてしまい意識を失ってしまう。
 その後彼女が目覚めた場所は、なんと光和27年という聞いたこともない時代だった。ただその時代背景や闇市が幅を利かせている街の雰囲気などは、まさに太平洋戦争直後の東京にそっくりなのだ。だが歴史や地名などが微妙に異なることから、過去にタイムスリップしたのではなく、全くの別世界つまりパラレルワールドに迷い込んでしまったのであろうか…。
 
 また現代では巡査部長でお荷物的存在だった由子だったが、この奇妙な世界では大出世して警視まで昇りつめている切れ者刑事だったのだ。ところがこの世界の由子は全く見当たらない。もしかすると由子の精神だけが、この世界の由子に転移してしまったのだろうか。いずれにせよ元の世界に帰れないのなら、なんとかこの世界で生き抜いて行くしかないと由子は決心するのだった。
 
 パラレルワールドと言えばSF小説のテリトリーなのだが、本作はSFというよりは「刑事もののミステリー小説」なのだと考えたい。たまたまパラレルワールドを「舞台装置」に使ったというだけなのであろう。そう考えないと余りにもSFらしくない顛末だし、超小型タイムマシンの発想はまるでドラエモンで、余りにもお粗末だからである。
 
 ただ本書はなんと500頁を超える分厚い単行本なのだが、あっという間に読了してしまうほど面白いことだけは保証しても良いだろう。それはドキドキワクワクさせるアクション系の際どいストーリーに加え、パラレルワールドはなぜ出現したのか、果たして由子は現代に戻れるのだろうか、もう一人の由子とは対面できるのだろうか、また連続殺人事件の犯人は逮捕されるのだろうか、などなどの謎を解明したいという読者心理をわしづかみにしているからである。まあいずれにせよ近いうちにTVドラマか映画化されるような気がしてたまらない。
 
評:蔵研人
 
 

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